映画「パリ、テキサス」と監督ヴィム・ベンダース
映画「PERFECT DAYS」を見た後に同僚と話していたのですが「やっぱヴェンダースと言えば『パリ、テキサス』が1番良かったよねー」という会話になり、久しぶりに見たいなー、と思っていたらプライムビデオにリマスター版が上がってました。
サントラCDも持ってましたので、本編始まってすぐにライ・クーダーの曲が流れきて「いやー、懐かしいー、これこれ」と思って見始めたら、序盤の内容を全く忘れており、こんな話しだったっけ?に。
初見の感覚で見れたので、それはそれで良かったのですが…。
物語は大きく2つのロードムービーに分かれていて、前半は4年間失踪していた主人公が砂漠で見つかり、弟が迎えに行き連れて帰るまで、後半は弟夫婦が面倒を見てくれていた自分の息子と一緒に元妻を探しに行くストーリー。
この息子がブロンドヘアで、とっても可愛いんです。弟夫婦には子供がいなくて、自分たちの子供として育てていた所に、失踪していた実の父である兄が戻って来る。
可愛いい息子は徐々に父に心を許していくのですが、その姿に弟夫婦は複雑な感情をもってしまう。
そんな中、元妻の居場所を知った主人公は息子と一緒に探しに向かう。弟夫婦には告げずに…。
確かヴェンダース監督の『時の翼に乗って』が今はなきシネマライズ渋谷で上映していて、それを見に行った後にTSUTAYAでレンタルして見た筈。『ベルリン天使の詩』も一緒に借りたような…。
後半に主人公の元妻役のナスターシャ・キンスキーが出て来るあたりからはストーリーも思い出しました。また、ナスターシャ・キンスキーの美人なこと。
当時のアメリカのテレフォンクラブなるものでさえ、キンスキーの美貌とミューラーによるカメラにかかれば美しい絵画のごとくフィルムに刻まれます。
で、見終わった後に感じたのは「やっぱり、ヴェンダースは『パリ、テキサス』が1番」。リマスター版とはいえ、40年前の作品とは思えない綺麗な映像。
サム・シェパード脚本の、せつなくも希望がある物語、ロビー・ミューラーのどこを切り取っても絵画のような映像、その映像の良さを高めるライ・クーダーの楽曲、子役含めて役者の静謐な佇まい、そしてヴェンダースの穏やかな演出。完成度高過ぎ。
『PERFECT DAYS』を見て良かった方は、『パリ、テキサス』もオススメです。ラストシーンは繋がっているところがあるかも。
若干尺が長いので、時間に余裕のある時に、お酒を飲みながら見ると気持ち良く眠れる…そんな作品です。