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わたしの傲慢な王子様【インド映画】Naa Rakumarudu

"Naa Rakumarudu"2014年のテルグ語映画。
aha Telugu(英語字幕)の配信にて。ヴィジュアルからしていかにもラブコメなのだが実際にその通り。なおタイトルの日本語訳は「私の王子様」となるらしいので、ラブコメの王道を感じさせて実に良い。

予告編ではなんのこっちゃさっぱりわからないのだが、山あり谷ありのラブストーリーなのね…という想像はつく。

冒頭、若い女性が線路の上をフラフラと歩いてくる。列車が猛然と近づいてくるのも気に留めない彼女の様子は、もはや生きるのをあきらめているようにも思える。一体彼女に何が起こったのか…。
それから数か月前にさかのぼる。女子大生のビンドゥ(リトゥ・ヴァルマ)は母親から学業に励むように強く言われているが、とことん勉強嫌いで教員からもマークされている落ち着きのない問題児である。学長から態度を叱責された彼女はいたずらのつもりで学長室に小さな爆弾を仕掛ける。ところが肝心の学長はその時不在で、たまたま居合わせた学長の甥・ヴァイシュナヴ(ナヴィーン・チャンドラ)が爆発の巻き添えを食ってしまう。
ヴァイシュナヴは、ビンドゥに彼女の悪事を黙っていてやる代わりに2か月自分の言うことを聞け、と取引を持ち掛けた。動画を撮られたビンドゥはしぶしぶ彼の条件を飲み、金持ちの息子で傲慢なヴァイシュナヴのわがままに徹底的に付き合わされるのだが、いつしか、腹を立てながらも彼に振り回される毎日を楽しむようになる。一方、自分の見かけとステータスだけに惹かれて集まってくる女性たちをからかうことが日常になっていたヴァイシュナヴは、退屈しのぎの相手と思っていたはずが、自分の外面に一切興味を示さず本気でぶつかってくるビンドゥに惹かれていく。やがて約束の2か月が終わるときがやってきた…。

ビンドゥ役のリトゥがとてもかわいい

お金持ちの俺様なお坊ちゃん(優等生)とはつらつとした劣等生女子のラブコメであり、とくに最初のあたりは俺様が本当に俺様なので、たとえ顔がナヴィーン・チャンドラと言えども「腹立つし笑えん」とならんこともなかったのだが、まあ、日本もこういうのをテーマにした少女小説ありそうだしなあ…ティーンズラブ小説とかまさにこういうのの宝庫やろ…と頭を切り替えた。ああいうのに比べれば二人の間のラブはかなり純な雰囲気なので、ほほえましいともいえるかもしれない。
それ以外にも「これってどうなのよ」と思う点がないわけではないものの、(インドの少し前のラブコメを見るとありがちな違和感なので)そういったもろもろに目をつぶれば、ダンスや歌もたっぷりあり、二人の関係もコミカルなものから甘いラブロマンス、そこから破局に至り…とドラマチックに変わっていくので、<どうせ最後はハッピーエンドだろ?>と思いながらも飽きずに楽しく観ることができる。

ナヴィーン・チャンドラは"Sarabham"に近い頃だと思う。この頃の彼はお坊ちゃんというよりは下町の気のいい兄ちゃん役の方が似合ってるんじゃないかと思うのだが(失礼)、まだ頬のあたりがちょっと幼くて笑うと子犬みたいで可愛らしいし、庶民的な王子様といった雰囲気で微笑ましい(そんな王子様がいるのかどうかは別として)。ほかの映画であまり見られない、最初から最後までバシっと決まった振付でおどるダンスも観ることができるのだが(2曲)、なぜかフルバージョンのMVがYouTubeに公開されていない。解せぬ。とくに2曲目はカラフルだしナヴィさんのシャツのボタンも深めに開いていて非常に良いと思うのだが。解せぬ。

なお配信のライセンスをもっている公式(Volga Video)だと思うのだが、字幕なし映画全編がYouTubeに公開されている。一曲目は7:29あたり、二曲目は1:22:05あたり。※公式でない場合は削除しますのでご指摘ください



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