小城みゆき

最近ではインド映画をよく観ている映画好き。 備忘と頭の体操を兼ねて、感想などを書いています。

小城みゆき

最近ではインド映画をよく観ている映画好き。 備忘と頭の体操を兼ねて、感想などを書いています。

最近の記事

わたしの傲慢な王子様【インド映画】Naa Rakumarudu

"Naa Rakumarudu"2014年のテルグ語映画。 aha Telugu(英語字幕)の配信にて。ヴィジュアルからしていかにもラブコメなのだが実際にその通り。なおタイトルの日本語訳は「私の王子様」となるらしいので、ラブコメの王道を感じさせて実に良い。 予告編ではなんのこっちゃさっぱりわからないのだが、山あり谷ありのラブストーリーなのね…という想像はつく。 冒頭、若い女性が線路の上をフラフラと歩いてくる。列車が猛然と近づいてくるのも気に留めない彼女の様子は、もはや生き

    • 真夜中の追いかけっこ【インド映画】Super Over

      “Super Over”(2021年、テルグ語映画) ストリーミングサービスahaのオリジナル作品で、配信のみの公開。インド映画のそこそこの長さに慣れていると1時間23分というこの作品の短さにびっくりするのだけど、そういえば配信向けに作られた映画はわりと短いな、などと思ったりもする。"Bhanumathi & Ramakrishna"も1時間30分程度だった。映画館で3時間観るのはイベントとしてアリだけど、自宅で腰を据えて観られるかといえばそうでもない、というのがインドの視聴

      • 観たいけど観られない・未公開映画たち

        ナヴィーン・チャンドラ氏ご本人のインタビューで、「デビューした後何本か映画に出たけど公開されなかった」というようなことをおっしゃっていたのを見かけたことがあり、やはりこれまでのキャリアの中で苦労された時期もあったのだろうと思われる。とはいえ、インド映画の俳優はそもそも出演作自体がかなり多いので、俳優活動をしている中ではもろもろの事情で映画が公開されないまま終わることは珍しいことではないのかもしれない。 以下はもろもろの謎事情で公開されないまま現在に至っていると思われる映画た

        • 一ミリも妥協しない(のか)【インド映画】Thaggedhe Le

          "Thaggedhe Le"(2022年、テルグ映画)。公式が全編をYouTubeで公開している(ありがたいことに英語字幕付き)。 タイトルの綴りがよくわからない。"Thaggedhele"と記載されているものもあれば"Thaggedele"となっているものもある。ここはIMDbに倣うことにする。ちなみにタイトルは映画「プシュパ」でのプシュパのあの決め台詞(一ミリも妥協しない)から来ているのだそうだがストーリーと全く関連はない(と思う)。タイトルソングもプシュパを意識したダン

          美しさは罪なのか【インド映画】Andala Rakshasi

          "Andala Rakshasi"(2012年、テルグ映画) ネトフリの言語を英語に切り替えると日本でも英語字幕で見ることができる。Wikipediaではキャスティングの最初にナヴィーン・チャンドラが挙げられているが、実際にはラヴァニャ・トリパティが主演、ラーフル・ラヴィンドランとナヴィーン・チャンドラが彼女を支える共演じゃないかという気もする。(当時の)若手新進スターのアンサンブル映画なのかもしれない。今んとこ日本で観られるナヴィーン・チャンドラの初期出演作品の一つでもある

          美しさは罪なのか【インド映画】Andala Rakshasi

          そのペンは未来を記すのか【インド映画】Repeat

          “Repeat”(2022年、テルグ語映画、タミル語吹替)配信サービスahaにて。 鑑賞後にWikipediaで調べたところ、この映画は”Dejavu”というタミル語映画と同時進行で作られた同じ内容の作品で、テルグ語版”Repeat”ではナヴィーン・チャンドラが主演し、タミル語版”Dejavu”ではArulnithiが主演していたとのこと。それ以外のキャストは同じ。ということは、主演以外は同じ演技を二度求められたということ(主演がいないシーンは吹替のみだろうけど)じゃないかと

          そのペンは未来を記すのか【インド映画】Repeat

          インスペクター・リシ ~森の怪奇事件簿~

          あるいはなぜ私はナヴィーン・チャンドラにハマっているのか。 ※この項、なぜかタミル語映画「ジガルタンダ・ダブルX」のネタバレにも及んでおります。しかも長々と。 日本語字幕付き、アマゾンプライムで見ることができる全10話のテレビシリーズ。2024年の春公開。オリジナルはタミル語版だが主演ナヴィーン・チャンドラの声は吹替。タミルの吹替えも落ち着いた素敵な声なのだけど、ご本人の特徴的な声はテルグ語版で聞くことができる。 そういえば同じくアマゾンプライムでS.J.スーリヤー氏が主演

          インスペクター・リシ ~森の怪奇事件簿~

          いまどきの名前じゃない二人【インド映画】Bhanumathi & Ramakrishna

          "Bhanumathi & Ramakrishna" (2020、テルグ語映画)バーヌマティ・ラーマクリシュナという有名なテルグ映画の女優(故人)がいるらしいのだが、このタイトルは「バーヌマティ」という女性と「ラーマクリシュナ」という男性の名前を指している。映画の中で「いまどきラーマクリシュナ(バーヌマティ)なんて名前の人間いない」というようなセリフがあるのだけど、そんなに古風な名前なんだろうか。 93分というインド映画としてはかなり短い作品で、ストリーミングサービス(ah

          いまどきの名前じゃない二人【インド映画】Bhanumathi & Ramakrishna

          女神様の銀行口座【インド映画】Lacchimdeviki O Lekkundi

          "Lacchimdeviki O Lekkundi"(2016年、テルグ語映画)Simply Southにて。あのラージャマウリ監督の助監督を務めている方が監督した映画なんだそうだ。(最初にラージャマウリ監督への謝辞があった) 主人公は銀行でお客様係をやっているナヴィーン(ナヴィーン・チャンドラ)。世間では10年以上取引のない休眠口座を凍結するという話になっており、ナヴィーンの勤務先の銀行でも凍結対象となる口座をピックアップしているところである。そんな折、彼はギャング・マヘ

          女神様の銀行口座【インド映画】Lacchimdeviki O Lekkundi

          大事なことは話しておけ【インド映画】Juliet Lover of Idiot

          "Juliet Lover of Idiot" (2017年、テルグ映画)Simply Southにて。 タイトルもビジュアルもラブロマンスものだが、テルグ語映画だから単なるロマンスだけの筋では終わらない。 ※以下、物語の内容と結末に触れています ホテルで配車係をやっているヴァーラ(ナヴィーン・チャンドラ)にはジュリエット(ニヴェータ・トーマス)という恋人がいる。彼女はお金持ちのお嬢さんでちょっとわがまま。でも、ヴァーラのことを好きでいてくれる。ヴァーラは借金を重ねており

          大事なことは話しておけ【インド映画】Juliet Lover of Idiot

          それでも私の人生は続く【インド映画】Nenu Leni Naa Prema Katha

          "Nenu Leni Naa Prema Katha" (2021年、テルグ語映画)、Simply Southにて。Wikipediaに映画の紹介がなかったので観終わった後にタイトルを翻訳にかけてみたらある意味ド直球でネタバレだったが、とても美しいと思う。タイトルのことは、一番最後に書こう。 ※以下、物語の内容と結末に触れています 大学で古典舞踊を学んでいるラーダ(ガヤトゥリ・スレーシュ)は学生運動のリーダー、ラーム(ナヴィーン・チャンドラ)に熱烈に恋をしている(ただ彼の

          それでも私の人生は続く【インド映画】Nenu Leni Naa Prema Katha

          テルグ映画あるあるが満載【インド映画】Meelo Evaru Koteeswarudu

          "Meelo Evaru Koteeswarudu" (2016) Simply Southにて。 タイトルの英訳は"Who is the millionaire among you all?"で、これはクイズ番組「クイズ・ミリオネア」のテルグ語版タイトルと同じなんだそう。ただしクイズ・ミリオネアとは内容は全く関係ない。 映画のタイトルで検索すると上にあるようなスチールが出てきて、アッこれはもしかしてナヴさん主演のラブストーリー?と一瞬期待したし映画見始めて15分くらいはそう

          テルグ映画あるあるが満載【インド映画】Meelo Evaru Koteeswarudu

          【インド映画】アラヴィンダとヴィーラ

          ※2024/10/7 一部役名誤って記載していますがそのままにしています→修正しました(記憶違いコワイ…) 原題"Aravinda Sametha Veera Raghava"。2018年のテルグ語映画。 購入してずっと温めていたBlu-rayをようやく鑑賞。怖かったのだよ…MVとかで観るタラクさん("RRR"ビーム役のNTR Jr氏のことです)があまりにもカッコよくてこれはガチで夢女になってしまうのではないかと…しかもヒロインがプージャー・ヘグデだし、美しさで目がつぶれる

          【インド映画】アラヴィンダとヴィーラ

          終わり良ければ総て良し?【インド映画】Sarabham

          "Sarabham"(2014、タミル語映画)Simply South、英語字幕にて。 ※以下、内容・結末の重要な部分に触れています 若手建築家のヴィクラム(ナヴィーン・チャンドラ)はやや金銭に執着が強いところが玉に瑕ではあるものの、順当にキャリアを重ねて楽しく生きている。ところが、数年かけて準備した大きなプロジェクトのプレゼンを顧客チャンドラセカール(アードゥカラム・ナレン)に難癖をつけるような形で否定されたことで急ブレーキがかかる。自棄酒を呷っていたヴィクラムは、偶然

          終わり良ければ総て良し?【インド映画】Sarabham

          わたしの大切な兄の話【インド映画】#BRO

          #BRO(2021年、テルグ語映画) Simply South、英語字幕で。 ※以下、内容・結末の重要な部分に触れています ドバイの港湾地区で働くマーダヴァ(ナヴィーン・チャンドラ)は母からの電話で子供の頃から患っていた妹スッブ(アヴィカ・ゴール)が亡くなったことを知る。葬儀のために実家に戻ったマーダヴァは、長く離れていた両親とうまくコミュニケ-ションをとることができない。彼は妹の高額な治療費で逼迫する家計を支えるために、両親の決断で学校を15歳で辞め、ドバイに出稼ぎに行

          わたしの大切な兄の話【インド映画】#BRO

          自己紹介

          小城みゆきと申します。 長年映画好きをやってきました。 テレビの洋画(吹替え)で育ち、大学生のときには映画サークルに入って8ミリカメラを回したこともあります。 思い出の映画は親と一緒にテレビで観た「ナヴァロンの要塞」。長じてからはデヴィッド・リンチやクローネンバーグ、コーエン兄弟とかあのあたりを観たりしていました。タランティーノに出会ったのは大学4年か卒業するころだったかな…。 マカロニウエスタンにハマった時期もあったなあ。 ヨーロッパ、アジア、日本、なんならピンク映画も含