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何故に、式内社、天岩戸分豊玉比売神社は廃社とされたのか

トップ写真は大宮八幡神社拝殿


大宮八幡神社

記紀の説話は阿波に実在した
高木隆弘著 たま出版より。

大宮八幡神社の御由緒によると、

人皇第43代 元明天皇和銅元年。(708)
2月、佐那縣に宮柱太敷立て、
高天原に千木高知て斎奉る。

とあり、佐那河内村が高天原であることを
示唆している。

高木さん著によると、
この大宮八幡神社。
都が倭(阿波)から、
大和(奈良)に遷都された記念に
創建されたのだろう。
と、書かれています。

現在は、佐那河内村の総鎮守としての
役割を果たしている神社です。

大宮八幡神社境内からの風景 棚田跡が広がる

祀られている神様

御祀神は、
大宮八幡神社
八幡大神(15代 応神天皇)
足仲彦天皇(14代 仲哀天皇)
姫大神(天照大御神)
高良大明神(こうらだいみょうじん)
息長帯姫命(神功皇后)
大鷦鷯尊(16代 仁徳天皇)

大宮八幡神社には、
当然ながら、八幡系の神様が多く、
それらの神様を後付けと考えると、
元の大宮神社に祀られていたのは、
姫大神。天照大御神ということでしょうか。

境内社 猿田彦神社
猿田彦大神(さるたひこ)
鈿女の命(うずめ)
保食神(うけもち神 オオゲツヒメ)
豊玉姫命(トヨタマヒメ)
笑子大神(えびす)

境内社猿田彦神社

天孫系の神様の中に、
唯一の出雲系?
この笑子大神はどちらのえびす様?
気になります。

妙見神社
天御中主命(あめのみなかぬし)
最初に現れる神様。

いろいろなキャラの神様が集まっています。
しかし、八幡系の神様は、
後世に意図的に足されているので、
今回はスルーします。

豊玉姫に注目

注目したいのが、豊玉姫。
大宮八幡神社の境内社。
猿田彦神社に合祀されています。

元は延喜式内社、
天岩戸分豊玉比売神社に祀られていた神。
延喜式の記録では豊玉姫を冠に持ち、
豊玉姫を祀る式内社はただ一つ。

伊勢神宮内宮に祀られる、
万幡豊秋津姫(よろずはたとよあきつひめ)
と同神。

しかし、残念なが天岩戸分豊玉比売神社は
廃社とされており、謎が残る神社です。

大宮八幡神社拝殿 右奥が猿田彦神社
合祀されてしまった豊玉比売神社

江戸時代は徳島藩が城山にて篤く崇敬。
その流れからなのか、
徳島市の眉山の麓にある、
春日神社の境内社にも祀られています。

春日神社境内社 豊玉比売神社

高木さん著の本によると、

天岩戸分豊玉比売神社があった場所。
それは、現在、タジカラオを祀る
佐那河内村にある、
天岩戸分神社だということです。

三社皇大神宮と呼ばれ、
天照大御神、豊受大神、手力雄命。
三柱をお祀りしている古社。

かつては広大な社地を有していた。
天岩戸分神社の中に、
豊玉比売神社があったのでしょうね。

天岩戸分神社奥の院に残る祠。
妙に気になるところです。
ひょっとして、ここか?

天岩戸分神社奥の院
奥の院の祠
奥の院の祠

それにしても、
そんな由緒正しき神社。
天岩戸分神社は残っているのに、
豊玉比売神社だけを廃社としたのか。

高木さん著によると、
高天原がどこであったかが明白になる。
それを隠すためではないか。
と、いうことですが、
本当のところは分かりません。

豊玉姫は二人いる?

話変わって、ここで登場する豊玉姫。

ぱっと浮かぶのは、海神の娘で、
山幸彦と結婚して、
ウガヤフキアエズ(神武天皇の父)を
産んだ豊玉姫。
玉依姫の姉。

だと思うのですが、
これも諸説分かれるところ。

確か、眉山の麓の春日神社境内社の
天岩戸分豊玉比売神社由緒には、
そのような記述がありました。

春日神社 豊玉比売神社の看板 

一方で、高木さん著の本は別人説。
ここで祀られる豊玉姫は、
卑弥呼の後を継いだ台与(とよ)である。
と書かれています。

阿波説では卑弥呼は大日孁貴命。(おおひるめ)
即ち、天照大御神の別名。
卑弥呼を継いだ台与は豊孁貴命。(とよひるめ)
即ち、伊勢で祀られる万幡豊秋津姫。

そういう論調です。
同じ名の神様が居たり、
名前がいくつもあったりしますので、
混乱しますよね。

まあ、それは仕方ない事。
同じ阿波説の中でも、見解が分かれます。
あまり気にせず、ご自身でご判断ください。

実は徳島には、
もう一つの豊玉比売神社があります。
こちらも式内社。
和多都美豊玉比売神社といいます。
こちらはその名の通り、
わたつみ(海神)が付きますので、
山幸彦の妻、ウガヤフキアエズの母。
そういうことだと思います。

和多都美豊玉比売神社論社 王子和多津美神社 徳島市国府町和田宮の元
ご由緒みたいな記念碑

佐那河内村の神社と伊勢神宮

実際のところは解明難しいですが、
徳島はもちろん、
佐那河内村。
面白くないですか。

これまで登場した神社。
嵯峨天一神社 (天照、月読、天一神)
朝宮神社(瀬織津姫、天照荒魂)
大宮八幡神社
(姫大神、保食神、猿田彦、鈿女の命、豊玉姫)

詳しくご紹介したのはこの三社。
ほんの三社だけなのですが、
皆様お気づきのように、
伊勢神宮と大変よく似ていませんか。

伊勢 猿田彦神社

偶然?
かもしれませんが、

かつては佐長村。佐那の縣。
そう呼ばれていた佐那河内村。
そして以西郡。

この地に祀っていた神社と祀神。
ごっそり分祀して出来たのが伊勢神宮。
なんて仮説。
飛躍しすぎでしょうかね~。

元伊勢シリーズは、まだまだ続きます。
お楽しみに。

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本日も、
最後までお読みいただきありがとうございます。



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