ゴールデンカムイ映画化記念・仙台の旅2024.2(2日目)
2日目。
6時30分。
目覚まし時計で、目が覚める。
ゔーん、眠い・・・。
眠気覚ましに、ホテル朝風呂の湯船に沈む。身体を泡だらけにし、ヒゲもあてて、と。
今日は、朝7時半から活動開始だ。
少し曇りがちだが、仙台市内は、概ね良き天候。ヨシヨシ。
商店街をいくつもぬけて、仙台駅へ歩いていく。
JR仙石線に乗って、本塩釜駅で下車する。
山猫少尉のたてた旅プランメモでは、駅から20分ほど歩いて、『塩釜水産物仲卸市場』へ行く予定。
そこの市場内食堂で、好きな魚を買って海鮮丼にするという、ステキ朝食をとれるらしい。
私のきわめて快調な胃腸は、朝メシを求めてグルグル鳴ってますぞ!
さあ、行こうよ、魚市場へ!!
塩釜の魚市場はこっちかなー、あっちかなー、とGoogleマップを見ながら進んでると。
んー・・・?あのさ、本塩釜駅から魚市場って、徒歩40分ってなっとるで?
最寄駅は、この次の『東塩釜駅』なんちゃう?
「ん?そうなん?えーと、うーんと・・・あ!?ホンマや!アタシは東塩釜駅って思ってたのに、メモに本塩釜駅って書き間違えとる!」
ガビーーン!と2人してアタマを抱えて、朝からズッコケてしまった。
まあ、とはいえ。
10分後にくる、次の電車に乗って一駅先に乗って行こうよ。
本塩釜駅でボケーっと電車を待つこと、10分。
東塩釜駅行きの電車が、ガッタンゴットンと入線してきた。
お?おお!?うお!!
石ノ森章太郎キャラのラッピング電車『マンガッタンライナー』やないの!
ヤッター!
降り間違ってヨカッタ!得した!!
009、仮面ライダー、ゴレンジャー!
静かな東塩釜駅に佇む、マンガッタンライナー1型。
うっほほ、嬉しいウレシイ!(歓喜)。
写真、撮っとこ!(パシャパシャ)
石ノ森章太郎ラッピング電車に後ろ髪をひかれつつ、東塩釜駅を出発する。
目的地の魚市場は、と。
おや、大きな立て看板が。ちょっと歩いたら着きそうですな!
「あそこに『塩釜海の駅』ってあるんやけど、アレかな?あそこを抜けたら魚市場ってこと?」
確かに、山猫少尉の指さす方向に、それらしき建物がある。
比較的キレイなハコだ。
確認がてら、行ってみようか。トイレも借りたい。
海の駅内に入ってみるが・・・各種、海産物の物販があったり、海鮮丼とかも食べさせてくれる食堂もある。
いかにも、道の駅っぽい施設だ。
とっても美味そうなイカ明太とか、たこわさとか、ワカメとか、なぜかレトルトカレーもあったりする。
カレー3袋200円!?安ッ!
「えー、ほしいけどーー・・・絶対、この先に魚市場あるやん。まずはそこに行ってからですよねー。ここで慌てて買い物するのはちょっと」
と、山猫少尉が、珍しく理性的な発言をする。
むむ、確かにそうだ。
卸売りの魚市場に行けば、もっと安くてステキ海産物があるかもしれん。
いったん、保留ということで。
トイレだけお借りしまーす。
海の駅から、まだ随分と先にある、魚卸売り市場を目指して、2人してトボトボと歩く。
車道に車がビュンビュン行き交ってるが、歩行者はほとんどいない。
そして、いつまでたっても、魚市場は見えてこない。
アレ?海からの強風に混じって、雪も降ってきた。
寒い!しんどい!!履き慣れてないスノーシューズのせいで、足にマメできて、とても痛いッ!泣きそうだ!
「うえーん(泣)。帰りはぜったいタクシーに乗って帰りましょうね。」
と、寒さにガタガタ震えて丸まりながら歩く、山猫少尉。
・・・あ!?あそこだ!車が右折して出入りしてるとこ。やっと、着いたあ!
『塩釜水産物卸売市場』。
魚市場内に入場し、あちこちウロウロしてみる。
連休中なのもあってか、場内は大変な人だ。人混みをぬって、市場の中を見て回る。
ああ!マグロが美味しそう!イカが、タコが、ウニが安い!
こりゃあ、たまりまへんな。さっきの海の駅がかすむよなー。
朝からなんも食べてないし、寒さに震えながらえんえん歩いてたので、酒も入れたい。
さっそく、海鮮丼の基本セットを販売してる食堂に行ってみる。
10数人が列をなしているし、イートインのスペースも満席に近い。
今日は、魚市場は大盛況だな。
10分ほど並んで、レジで500円を払う。
並盛りご飯と味噌汁、酢飯のかけ酢を購入した。
番号札を渡されたので、その待ち時間の間に、魚市場に戻って、丼にのせる海産物を買いに行く。
「ノドグロと、中トロは食べたい!」
と、山猫少尉のオーダーを受け、素早くあちこちの店で購入していく。
あと、ウニ、イクラ、エンガワ、タコも欲しいな。
よし、こんなもんやな。海鮮ネタ購入完了!
あとは、場所取りと、お酒やね!
山猫少尉は『日本酒飲み比べセット』を、羊好大尉は『ずんだビール』を購入。
テーブルは、と。
お、丁度一席空いたので素早くゲット!
番号を呼ばれたので、ご飯セットを受け取りし、買ってきた海鮮各種を展開して、山猫少尉とワケワケして、丼に乗せてく。
ウヒョー!
これはもう、海の宝石箱やーー!
ずんだビールを飲みながら、海鮮丼にかぶりつく。
「酢飯が合うわー!日本酒ウマウマ!」
山猫少尉と羊好大尉は、目をキラキラさせて、丼をかっこむのでした。
美味しいッ!お酒もすすむ!
2人ともほんのり酔っ払いながら、ステキ塩釜魚市場を出て、さらに歩き出す。
20分ほど北東に歩いたその先に、『海鮮せんべい塩釜』の工場兼販売所があるという。
「ここが、とってもナイスな、見て食べて楽しめる所なんですって!?ここは塩釜に来たならいかねば!食べねば!買わねば!」
とか、山猫少尉はご機嫌になって、ネバネバ言ってる。
でも見てよ?この辺りは工場地帯やし、歩道には相変わらず人っ子ひとりいねーし、信号も横断歩道もない。
お車で行くの、前提の場所っぽいんですけど!?
「いーのいーの。さっきの仲卸魚市場だって、歩いてくる素っ頓狂なヤツらは、アタシたちだけやったやん。今さらどんだけ歩いて行こうが、いっしょや!イヒヒ!」
と、程よく酔っ払われておられる、山猫少尉。
・・・うう、また雪が横殴りに降ってきた。寒いッ!
スノーシューズのせいで、足裏のマメが痛くて泣きそうだ!
帰りはタクシーとか行ってたけど、こんなとこにタクシー来るんか??
ねえちょっと!?
「しらーん!配車アプリのDiDiがありゃ、大丈夫でしょー。あ、着いたみたい。ここちゃうん?」
無人の歩道をひたすら歩いたその先に、『海鮮せんべい塩竈』があった。
海近くの、暗く陰鬱なせんべい工場を想像してたが・・・そこはおせんべいテーマパーク!
清潔感があり、広々とした明るい売場には、何十種類というおせんべいがズラリと並べてある。
全てに試食用の小箱があり、せんべいを味わうことができるのだ。
「うわーーい!」
ヒャッハー!!
雪吹き荒び、ひたすら続く無人の道をえんえんと歩いて、ようやくたどり着いたせんべい売場を前に、大喜びする山猫少尉と羊好大尉。
「これも買う!あれも買う!」
山猫少尉は、せんべいの袋をかごにバンバン入れまくる。
私も負けじと、片っぱしからせんべいの袋をカゴに入れまくる。
・・・30分後。
少し、冷静になろう。
よく考えてみたら、通常箱・お徳用のおんなじせんべい買おうとしてるぜ?
いくらなんでも、これは無いやろ。
「ホンマや!?なぜこんな事してんやろ・・・」
安売りの袋詰めも、安いからいうて、こんな買う必要あるか?
せんべいなんて、東北やなくてもどこでも売ってるもんやのにさ。
「ホンマや!?なんでこんなにカゴに入れたんやろ・・・」
勢いにまかせて(多少酔っ払ってたせいもあり)、買い物したらあきまへんな。
いろいろと間引いた結果、それでも2人で合計1万円ぶん、大量のせんべい等を購入したのでした。
海鮮せんべいを大名買いした後。
次の目的地に行くため、本塩釜駅に戻らなくてはならないが・・・。
この寒空(たまに雪が降っている)の、だだっ広い道を歩いて行くのはもうイヤだ。
ここでタクシー配車アプリ『DiDi』の出番だ!
ヘイ、タクシー!カモン!!
『・・・このエリアでは、当アプリは使用できません』
・・・。
きっと、何かの間違いだろう。
いったん、アプリを再起動させて、もう一度試してみよう。
『このエリアでは、当アプリは使用できません』
・・・。
えーと、配車アプリによると、タクシーは来なさそう。
そりゃそうだよな。こんな海沿いの工場地帯に、タクシーの乗客なんているわけがないじゃない。
と、山猫少尉に残念なお知らせをする。
DiDi、ダメですた。
「ならば、本塩釜駅はやめて、東塩釜駅まで歩くしかないね!徒歩30分やけど。」
寒風吹き荒ぶ中、ガタガタ震えながら、元来た道を戻る。
スノーシューズが重たいッ!おまけに履き慣れてない靴のせいで、足裏のマメがイタい!泣きそうだ!
タクシー!
流しのタクシーはおらんのか!?
(いるわきゃない)
「うえーん(泣)寒いよー、つらいよー」
酔いも覚め、歩き疲れて、ヨロヨロしながら東塩釜駅にたどり着く。
旅プランでは、タクシーで本塩釜駅に戻り、塩釜港から出港してるフェリーに乗り、松島海岸まで移動するはずだったが・・・。
マルッと予定を変更し、そのまま電車に乗り、『松島海岸駅』にやってきた。
「次の観光遊覧船は、13時出港だよ!予約してない人は、ここでチケット買えるよー」
と、駅前のチケット売りのおっさんが叫んでる。
急かされるように遊覧船チケットを買い求める。
「13時の便は・・・2番乗り場やけど、すごい人の列!?」
我々の前に並んでる人数だけで、50人以上いるんちゃうか?
「寒いから、船内の座席に座りましょうよー」
と、山猫少尉が言うてるが、なーにを軟弱なこと言うてんねん。
フェリーなんてのは、甲板から潮風と共に風景を眺めるもの。
窓越しに、絶景を見て何がおもろいねん。
と、強硬に言い張り、後方デッキの良きポイントに陣取る事にした。
我々の後の客は、船内座席に次々と吸い込まれていく。
ウフフ、これやからフェリー乗りのシロートは困るよな。
おお、動きはじめた!
松島遊覧船フェリー、出航や!
松島海岸を進む、遊覧船。
おーー、絶景かな絶景かな!
絶景なのだが、海風はブンブン吹き荒れてるわけで、とっても寒い。2月の東北の海をなめてはいけない。
「さーぶーいー」
マフラーを真知子巻きにして、震えている山猫少尉。
島や!海に浮かぶ孤島や!ウヒョー!!
と、アホウドリみたいに興奮してる、羊好大尉。
一周50分で周る遊覧船は、もう半分くらいの航程を終えている。
そろそろ絶景にも飽きてきたので、船内席に座っても良かったくらい。
あったかいお茶も飲みたいし。
だが、我々の後ろに立つ某国人民のグループが、虎視眈々と我々が陣取るナイスなポイントを狙っているので、動きたくても動けない。
まさに、松島海岸における、日海保vs中海警の代理戦争や!!
このヤロー、意地でもここはヤツらに渡さん、と手すりにつかまって踏ん張ってる羊好大尉の横で、真知子巻きの山猫少尉は、寒さのあまり壁によっかかってスヤスヤ寝ていた(かわいそうに)。
松島遊覧船フェリーを満喫したあとは、『二八屋こけし店』で、こけしの絵付け体験。
絵付けするこけしを選び、鉛筆で下書きをしたあと、黒、赤、黄色の塗料と筆で描いていく。(料金別で色追加あり)
「アタシは、可愛いぬいぐるみのフォゼ尾をモチーフにしてみよう」
と、山猫少尉は、迷いなくサクサクと筆を動かし始める。
うーーん、悩ましいなあ。普通のこけし絵付けしても、面白くない。
散々悩んだ末、私もゴールデンカムイ作中キャラの『谷垣源次郎』をこけし風にアレンジすることにした。
・・・(ぬりぬり)。
「そうだ!戦闘の返り血、血飛沫を表現してみようっと!」
と、古新聞を取り寄せて、物騒な表現を試みる山猫少尉。
こけしに血飛沫を浴びせるなよ。
顔は、なんとか描けたが、胴体部分が難しい・・・描こうにも、こけしを持つところが限られてるので、そんな精密には表現できないのだ。
シンプルに、抽象的な感じで、と。(ぬりぬり)
・・・フォゼ尾風こけしと、谷垣ニシパ風こけし。
完成デス!!
面白かったーー!
楽しいこけし絵付け体験を終えて、松島海岸駅に戻ってくる。
松島海岸公園の散策や、松島でのランチは時間の関係上、とばすことにした。
電車に乗って、仙台市内に戻る。
16時から『ゴールデンカムイ展』の、予約入場があるのだった。
仙台駅近くの、『東北福祉大学』内で催されている、『ゴールデンカムイ展』仙台。
羊好大尉は4回目。山猫少尉は、かれこれ6回目の入場となる。
朝から、えんえん歩いたり飲んだり、また歩いてフェリー乗って、オマケに昼メシを食い損ねてるので、2人ともフラフラだ。
でも、仙台までわざわざこの展を見に来たのだからね!4回も同じもの見てるけど、はりきって参りましょう!
先月封切られた映画『ゴールデンカムイ』が原作に忠実過ぎ、あまりにも良すぎたため、かえって心配になっているカムイファンたち。
こんな精密に映像化しちゃって、次回作はどこまで描くのか?
1年おきに映画を制作しても、10年間でも最終話に間に合わないのでは?
どのエピソードを切るのか、いや、ここは切れないでしょ、でも最終話にもっていくには泣く泣く切らないといけないとこもあるわけで・・・。
などと、悲観的なんだかなんなのかわからん論争をはじめちゃう、羊好大尉と山猫少尉。
しかも、Gカムイ映画版の主人公を演じる山崎賢人は、大作『キングダム』の主人公役もやってんやで。
あっちもあっちで、なかなか長引く映画やのにさー。
どうすんだろ?なあ!?クマ!
とか言いながら、『ゴールデンカムイ展・仙台』は、いつものように楽しかった。何回みても良いもんだよな。
19時の夜飲み予約まで少し時間があったので、仙台エスパル内のずんだ茶寮で、ずんだ餅とずんだシェイクをいただく。
定番の2品だが、美味いッ!
ずんだ餅もずんだシェイクも初めて食べたが、唾液腺が弾けそうだ。
ずんだって、こんなに美味しいものなのですね!
19時予約の、囲炉裏居酒屋に入店。
ハイボールと日本酒で、乾杯だ。
おつかれさまー!
ハイボールが沁み渡るうーー。
ぷはーー!
今日は朝からハードスケジュールやったもんなあ。よう歩いたあるいた。
「ですよねー。およそ3万歩歩いたって!?すごくないですか?」
朝の塩釜から、えんえんと往復して歩いたもん、そりゃ・・・。
と、チョビチョビ飲みながら、山猫少尉と旅の振り返り話をしようとしてたら。
我々の後ろの席のグループが、バカみたいな笑い声をあげている。
喋りもうるさい。テンションもやたら高い。
狭い居酒屋なんやし、もう少しボリューム下げて話せよ。
・・・で、松島遊覧船も、乗客多すぎたからなんか興醒めつうか、予定通り本塩釜からフェリー乗ったら、もっと趣があったかも・・・。
「そりゃ、異世界転生ものはもう古いんですよ!アハ、ギャハハ!!」
などと、ムダに大きな声で、アホみたいに自分で笑ってるのは、やはり後ろの席のバカ。
・・・うるさいなあ💢。
しかも、ぜんぜん話もおもんないねん。
もう少しボリューム下げて、なおかつエピソード話の精度を上げろよ。
うるさいグループの話が気になって、酒も会話もスムーズに進まないのでした。
しかし、仙台名物『せり鍋』は美味しかった。
セリのシャキシャキの食感と、鶏肉、お出汁がよく合う。
シメのお蕎麦も、ペロッといただく。
ウメーー!
これで、後ろの席の、バカ大笑いさえなけりゃなあ。
奇妙な仙台の夜になったのでした。
結局、後ろの席の連中は、なんのグループだったのか?会社?親戚?お別れ会っぽくはあったんだが。
夜の仙台アーケード通りを歩きながら、連中の会話と人相などを手がかりに、山猫少尉とアレコレ想像してみるのでした。
意外と早くホテルに帰れたので、ゆっくり休もう。
今日も楽しい1日だった。
【つづく】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?