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キタダヒロヒコ詩歌集 39


先頭車両が過去を抜けてくる
現在のつまさきで停車

わたしのからだと すこし遅れるこころを
つぎの駅まで移し

ようやくことばを思い出しかけたころ
すべておひらき

まっくらな星が満天から降り 
わたしはからだを足で運ぶ

さざなみにあこがれすぎないよう
死ぬことよりも 気をつけなければ

あっという間に 朝のからだになってしまう
色どもがよみがえらぬうちに

できるかぎり歩いておこう
今夜なら それができるので




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