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人の親切に心が温まった話〜仕事でのちょっとした気遣い

かなり昔の話ですが、人の親切で心が温まった出来事を思い出したので、記事にしておこうと思います。

運転が荒いバスの話


子どもが生まれて1-2年ほどなので、もう10年ほど前です。

子どもを連れて家までバスで帰ろうと停留所で待っていました。

当時、自分の住んでいる地域では運転の荒いバスが多くて、乗っているバスが他の車に接触する事故も経験したことがあります。
そのため、バスに乗る時は少し神経質になっていました。子どもも小さかったので。

乗る予定のバスがバス停に到着したのですが、そのバス、停留所のスレスレまで近づいてきて、タイヤが縁石にぶつかるのでは?というくらいの近さで停車しました。

やばいな。下手くそだ。

と思いましたが、一本見送るのも嫌なのでそのままそのバスに乗りました。

乗っている間も荒い運転にならないか気になっていましたが、特段危ない運転ではなく、自宅近くの停留所が近づいてきます。
早く降りたい気持で停車ボタンを押しました。

その時また…

バスが停留所スレスレ、縁石にぶつかりそうなくらい歩道に寄りました。
うわ、ぶつかるかなと思いましたがスレスレでぶつからず。

あー怖かったと思って子どもと一緒に降りようとしたとき私は気づきました。

この運転手さん、下手くそでも運転が荒いわけでもなかったということに。


「親切」だったんです。

その時私の子どもはベビーカー。
ベビーカーでバスに乗り降りしやすいように、ワザと縁石スレスレに付けてくれていただけだったんです。

歩道とバスの距離が遠いと、乗るときも降りるときもベビーカーをちょっと担いで持ち上げなければなりませんが、スレスレに停めてもらえると、(停留所は車道よりちょっと高くなってるので)ベビーカーの前輪を少し浮かすだけで乗り降りできます。

この運転手さん、ベビーカーで乗ろうとする客(私)がいるので、乗りやすいようにスレスレで停めてくれて、降りるときも(私が停車ボタンを押したので次で降りると気づいて)スレスレに停めてくれたということのようです。

運転荒いどころかメチャクチャ心配りをしてもらえたことに温かい気持ちになりました。むしろヤバいとか思ってごめんなさい。
10年近く経った今でも記憶に残っています。

赤ちゃんが泣きわめくバスの話

もう一つ別の話です。
こちらもバスの中の出来事。

仕事帰りにバスに乗っていたら、赤ちゃんがすごい勢いで泣いていました。

バスはほぼ満員です。

赤ちゃんのお母さんもあやしていますが泣き止みません。

お母さんの必死さと、周囲に気を遣って居心地悪く感じている様子が伝わってきました。

そんなとき、バスの運転手さんが車内放送を使って一言。

「お母さん、赤ちゃん泣いてるの気にしなくて良いですからね。赤ちゃんは泣くのが仕事なんでね」

とても優しい気遣いの言葉。

それに合いの手を入れるかのように、乗客のおっちゃん(酔っぱらってる?)が、

「運転手さん、良いこと言うなぁ!わしもそう思ってたんや〜」

と、これまた粋なセリフ。

この二人の声かけで、バスの中の雰囲気が一気に柔らかくなりました。

お母さんの心が落ち着いたのを赤ちゃんが感じ取ったのかわかりませんが、その声かけのあとは、赤ちゃんの泣く勢いが緩やかになって、しばらくすると泣き止みました。

二人のおっちゃんの温かい声かけにこちらの心まで温かくなりました。

ちょっとした気遣いができる人でいたい

これらの気遣いや声かけは、絶対やらなくてはいけないことではないでしょう。
(逆にこういうサービスが当たり前だとされると働く側としてはきっとキツイでしょうね。手厚いサービスは職場を疲弊させることもあるので)

でも逆に、敢えてやらなくても良いことを自分の判断でやるからこそ、された側は嬉しい気持ちになるし、記憶にも残ってるんだろうなと思います。

職場では、ちょっとした親切をすると、次からは他の職員も同じことをしなければならなくなるから余計なことをするな、という意見を言う人もいると思います。

職員負担やサービスの持続可能性という視点ではその意見は必ずしもまちがっているわけではないですが、自分としてはちょっとした気遣いはできる人でいたいなと思いました。

最近そういう気持を忘れかけていたところ、ふっと二つのエピソードを思い出したので、備忘のために記事にしました。

最後までご覧いただきありがとうございます。


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