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【映画感想】「関心領域」を観てきたので、おススメの観賞方法を紹介します

映画感想記事です。

2024年5月29日時点、映画館で公開中の「関心領域」を観てきました。
この映画、公開直後からXのTLを覆いつくすほどの感想であふれかえってました。

正直に言うと、映画館の予告を観た段階では、映画館で観るか迷ってた映画だったんですよ。
でもあまりにもTLで流れてくるので、
「これはネタバレ回避無理だな」
と思い(実際にちょっとだけネタバレくらいました)急遽見てきました。

ネタバレ前に言いたいのは、この映画の制作はあの「A24」です。
この制作会社は、かなり珍しく会社自体にファンが多い印象なので、「A24の新作!」って前情報だけで観るのもアリかと思っています(予想ですがそれはそれで面白い映画体験になると思う)。

ただし、ちょっと変わった映画ではあるので、
「1回では理解できないからもう1回行かなきゃ」
となる可能性は結構あると思います。
(または理解できないから2度と行くか!!ってパターン)

私は2回行かなきゃいけない映画が凄く苦手なので、今回は少しだけ予習してから行きました。
予習内容は感想パートで書くので、もしあらすじも見ないで挑戦したい、という方がいたらここで引き返してください。

Podcastでもネタバレなしで紹介してるので聞いてみてください↓


あらすじ

空は青く、誰もが笑顔で、子どもたちの楽しげな声が聞こえてくる。そして、窓から見える壁の向こうでは大きな建物から煙があがっている。時は1945年、アウシュビッツ収容所の隣で幸せに暮らす家族がいた。
スクリーンに映し出されるのは、どこにでもある穏やかな日常。しかし、壁ひとつ隔てたアウシュビッツ収容所の存在が、音、建物からあがる煙、家族の交わすなにげない会話や視線、そして気配から着実に伝わってくる。その時に観客が感じるのは恐怖か、不安か、それとも無関心か? 壁を隔てたふたつの世界にどんな違いがあるのか?平和に暮らす家族と彼らにはどんな違いがあるのか?そして、あなたと彼らの違いは?
*公式HPより


感想*ここからネタバレあり

まず、本作を観るために行った予習についてお話します。
あらすじの通り、アウシュビッツ収容所の隣で暮らす家族の話なので、無知を晒しますが、アウシュビッツ収容所と聞いて
「ユダヤ人迫害の為に作られた施設だよね?」
という怪しい世界史知識しかなかった私は、下記にて概要を調べました。

この映画は、これを読んでから見に行くだけで上映中の恐怖が跳ね上がると思います。


ではここからちゃんとネタバレします。

個人的に思ったのは、音が怖い映画。
日常の背景になっている悲鳴や発砲音のような音、それがただのBGMになっているかのように暮らす家族。

それが怖い、凄く怖い。
そしてその光景に中盤以降慣れてきている自分も怖い。
そんな感じ。

正直、あらすじを観たとき、世界では隣でこんなことが起きてても「無関心な人たちがいた」、でもそれって君たちもじゃない?
なんて説教されている気分になる映画だと思ってました。

実際鑑賞中も途中まではそんな風に思っていたんですが、
奥さんが「何が何でもここから引っ越したくない」と揉める場面を観て考えが少し変わりました。

この映画って
「君たちも彼らと同じじゃない?」
って言ってるんじゃなくて、
「彼らも君たちと同じなんじゃない?」
って言われてるんじゃないかと。

いや、ほとんど意味は同じだと思うんですが、受け取るニュアンスが若干違うんですよ。

歴史的に見る非人道的な行いをした人も、私たちと同じ人間で、
出世するために嫌なことを自覚しつつも仕事してるんだと思ったらすごく気持ち悪くて怖かったです。

だって、人類史上稀にみる非人道的行いをした人たちは、私たちとは全く別の人間じゃないような人たちであって欲しいじゃないですか?

でももしそうじゃなくて、彼らが私達と同じような人間だった場合、私があそこで暮らす家族(特に子供たち)に抱いていた、
「正直あの環境で育ったら無関心も当たり前なんじゃないの?」
って言う彼らに対する擁護するかのような気持ちが、まるで自分自身を擁護するかのような感情になってしまう気がして、凄く気持ち悪いんですよね。

この映画は映画が発する主張から何かを受け取るというより、
自分から映画に歩み寄って「何か」を拾うような映画なんだと思いました。
(正直疲れるから嫌いなジャンルですね)

その「何か」が想像より気持ち悪い物で本当に後味が悪いです。


そして何が怖いって、世界史に無知すぎて映画が発する何かの半分も拾えてないかも、って事実かもしれないです💦
まあそれは気にしても仕方ないことなんですけど。


おわりに

長くなりましたが「関心領域」への感想です。
賛否両論、凄く荒れてた理由が良くわかる内容でした。

まあ感想というのは個人の持ち物なので、他人がとやかくいう事ではないと思うんです。

良い気持ちでも、悪い気持ちでも、感情が揺さぶられる映画に出会えたことは、凄く良い映画体験だと思います。
(そういう意味では先日の「胸騒ぎ」の方がマイナス感情の振れ幅は大きかったです)

以上です、最後までお読みいただきありがとうございました。


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