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faber
2018年3月28日 21:46
(前回のつづき) 戦後ヨーロッパで彼らは再び難民となったのだろうか。 この点について言えば、戦後たくさんの東欧のユダヤ人たちが、落ち着き先が決まらず移動の途上にあったようだ。しかもポーランドでは、あろうことか戦後になってもポグロムが再燃し、この迫害を逃れて多くのユダヤ人が自国を脱出した。彼らの多くはチェコスロバキアを経由してひとまず西(とりわけドイツ、オーストリア、イタリア)を目指し
2018年3月28日 21:09
ひきつづき、R.ファエンツァ監督の『Anita B./アニータ・ビー』について。 この映画は、一人の少女の成長と希望の物語を描いている一方で、終戦直後のユダヤ人たちの事情を考える際の手がかりを私たちに与えてくれる。第二次世界大戦中にユダヤ人が迫害されたことは、文学作品や映画を通して小学生の頃から何となく知っていた。ただ、このホロコーストの悲劇は、戦争の終結に伴い強制収容所が解放されたとこ
2018年3月1日 23:39
2014年のイタリア=ハンガリー合作映画『Anita B./アニータ・ビー』を観た。監督はロベルト・ファエンツァ。アウシュビッツを実際に生き抜いた一人のユダヤ系ハンガリー人少女の目を通して、「ホロコースト後のヨーロッパ世界」を描いた作品。監督も強調しているように、ホロコーストに関する映画はたくさんあるが、ホロコースト「後」を描いている映画はほぼないと言っていい。 戦後間もない混乱した世界
2018年1月31日 23:47
2002年のイタリア=フランス=イギリス合作映画 "Prendimi l’anima"(ぼくの魂をきみに)を見た。監督はロベルト・ファエンツァ。イタリア北部トリノ出身でユダヤ系である。「アウシュビッツは終わらない」などの著作で有名なプリモ・レーヴィの親戚(またいとこ)にあたる。 ユダヤ系のロシア人女性、サビーナ・シュピールラインの物語。スイスの精神科医カール・グスタフ・ユングとの「アニマ(魂