模造 螺鈿紫檀五絃琵琶 リフレクターチャームの会
みなさまこんにちは。フェリシモミュージアム部・部員mitu.です。
奈良国立博物館で開催予定の「御大典記念 特別展 よみがえる正倉院宝物 ―再現模造にみる天平の技―」特別チケット特典( 詳しくはこちら )を担当した私ですが、実は!この特典以外にもリフレクターチャームがあるんです!
この度やっと お披露目できることになりましたこちらについて、今日は語らせてください。
螺鈿細工の美しさに心奪われて
「正倉院宝物再現模造」というお題をいただいて企画がスタートした際、私が最も魅かれたもの、それが【螺鈿細工】でした。
▲「模造 螺鈿紫檀五絃琵琶 正倉院事務所蔵」
▲ 模造 螺鈿紫檀五絃琵琶の螺鈿に線彫りを施している様子
夜光貝の研磨、板状への加工、切り出しという作業もすごいのですが、私が心奪われたのが「線刻」。この線のように見えるすべてが、1本1本職人さんの手で彫られているのです! なんと細かくて失敗のできない作業なのでしょうか……。今回コラボするからには、この線刻一本一本までお伝えせねばなるまい!そんな気持ちが沸き起こってまいりました。
じっくり見ていただきたいモチーフを選びました。
今回のリフレクターチャームのモチーフは、正倉院宝物の再現模造品の中でも逸品と名高い平成23~30年に製作された「模造 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」の中から3つ選んでいます。
▲「模造 螺鈿紫檀五絃琵琶」正倉院事務所蔵
背面の宝相華(ほうそうげ)というお花がとっても素敵なので、宝物をご覧になった方の印象に残ると思います。しかし!今回はさらに宝物を深く知っていただきたく、あえて宝相華以外のモチーフを選びました。
駱駝に乗った胡人
「模造 螺鈿紫檀五絃琵琶」の絃が張られた表面の撥受け部分、捍撥(かんばち)という場所に装飾されています。駱駝(らくだ)に乗りながら琵琶を弾いている異国情緒漂う人物。今回の3つのモチーフの中で、最も細かい線刻がほどこされてます。この人物が弾く琵琶が「五絃」ではなく「四絃」なことに、お気づきでしょうか?
熱帯樹
こちらも「模造 螺鈿紫檀五絃琵琶」の捍撥部分に装飾されている〈熱帯樹〉。植物の種類までは不明ですが、幹の先端がくるりと丸まり、根本もころんとしていて、かわいげがあります。葉の部分は規則的で美しい線刻がほどこされており、おしゃれ感のあるモチーフ。
含綬鳥
こちらは「螺鈿紫檀五絃琵琶」の背面に装飾されている〈含綬鳥(がんじゅちょう)〉。鳥が咥えるリボンのようなものは、綬帯(じゅたい)と呼ばれる菩薩などの身体に着ける帯状の装飾具で、縁起のいいモチーフとして奈良時代に流行したデザインです。ほかの2つに比べて線刻の数は少なくシンプルですが、その柔らかで滑らかな線はとっても優雅。
線刻の再現はインクジェットプリントで再現
これらの線刻は、再現模造品の写真から線刻を描き起こし、細かい線まで再現できるインクジェットプリントという方法で印刷しています。じっくりご覧いただいて、モチーフそれぞれの線刻をお楽しみください。
そして、裏面には「螺鈿紫檀五絃琵琶」の表面・腹板に装飾されている花紋をシルクスクリーンで印刷しています。(※柄の出方は商品によって異なります)
現代社会でお役立ちのリフレクター素材
螺鈿の光沢感を再現するとともに、暮らしの中でお役に立てるよう、ベースはリフレクター(反射材)素材にしました。車のライトなどの光が当たると、キラリと反射します。
バッグや自転車のカギなどに付けて、お出かけいただくと、夜道の安全をサポートします。
宝物再現模造と向き合うきっかけに
「模造 螺鈿紫檀五絃琵琶」と初めて向き合うとき、琵琶全体の存在感に圧倒されます。しかし、時間をかけてよくよく見ていくと、その細部まで行き届いた再現技術のすばらしさに目を見張ります。約1,300年の時を経て、現代に再現された宝物たち。このリフレクターが、そんな宝物再現技術の細部に目を向けるきっかけになったらいいなと願っています。
個人的には、駱駝がぶさかわいくて好みでしたので、みなさまにもぜひ注目していただきたい!
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