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「不動産豆知識18 契約締結時期の制限」FM笹谷部長 Vol.130

FMグループ社内報Vol.130【投稿者:笹谷部長】

今日は基本的な内容ですが、案外忘れがちなので復習を兼ねてお話します。皆さんご存じのように宅建業法には「契約締結時期の制限」という条項があります。
これは未完成の物件で開発許可が必要な物件は、開発許可を受けてから、建築確認が必要な物件は建築確認を受けてからでないと、売買契約も仲介も出来ないという条項です。
やってしまうと勿論、宅建業法違反になります。

何故こんな決まりがあるのかというと、建築確認の取得過程で当初の設計の不備を役所に指摘され、希望通りの建築が出来ない事がある為です。
開発行為の区割りや道路新設についても同様で当初設計の通りで必ず許可を受けられるかというと、そうではありません。
つまり、許可前の完成予想図をお客さんに提示して販売してしまうと、それと違った物件が出来上がってしまう場合があり買ったお客さんに不利益を与えてしまうからです。

例えば、個人の売主さんの土地を委任で預かって、それを建売業者に売ったとします。建売業者は、区割りを決め分筆し、建築確認申請を行います。
この状態で専任返しを貰い「どうぞ売って下さい」と言われても、残念ながら売買契約は出来ないという事になります。

建築確認が下りてきて初めて晴れて契約が出来るという訳です。
因みに広告も同様で宅建業法と公正取引協議会の表示規約に広告表示の開始時期を制限する規定があります。
やはり広告をするには建築確認や開発許可を受けてからとなります。

意外なところで、農地法第5条の許可や宅造区域内の宅造許可などもこれに当たります。
新築戸建ての着工前の土地を案内し、気に入ってもらったところで、実は建確が下りていなかったなんて事もたまにあるので、勇み足にならないよう物件選定の際には良く注意してみてください。

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