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「不動産豆知識42 真の所有者」笹谷部長 Vol.298

FMグループ社内報Vol.298【投稿者:笹谷部長】

今日は登記簿謄本上の名義人が本当の所有者なのか?についてのお話です。
何を当たり前の事を言っているんだ?という声が聞こえてきそうですが、実はそうでもないかもしれません。

「不動産登記には公信力はない」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。
どういう事かというと、登記簿上の表示を信頼して不動産の取引をした者は、たとえ登記名義人が真実の権利者でない場合でも、一定の要件のもとでその権利を取得することが認められることを言いますが、日本ではこの登記の公信力を認めていません。

例えば、登記名義人であるAがBに土地を売ったとします。
Bは登記簿上の名義人であるAを、真実の所有者と思って土地を買い受けたとしても、真の所有者が他にいた場合には、その真の所有者から不動産を取り上げることはできない、ということになります。
つまり登記所は、不動産登記の内容を保証している訳では無いのです。

なんだかややこしいお話ですが、要するに登記を短絡的に100%鵜呑みにするのは危険ですよ。という事になります。

具体例を挙げると、相続が発生しているのに相続登記せずに放置してしまっている。とか、他人の土地を公然と善意無過失で、10年間占有している(時効取得)。とか、単純に売買契約後登記をしなかったとか。
登記簿と真の所有者に食い違い出てしまう状況が、意外と簡単に起こり得るのです。

じゃあ、どうやって判断するんだ?という事になりますが、これは総合的に判断します。
固定資産税は誰が払っているか?どういった経緯で取得したのか?購入時の契約書はあるか?住宅ローンは誰が払っていたのか…等々、客観的な事実の積み重ねを以って判断します。
登記簿は、あくまでもその一つに過ぎないという訳です。

会社全体で見ると、年間数百件の契約をしていますが、人間慣れてくると大きなミスをしてしまいます。
流れ作業のルーティンワークになってしまわぬよう、常日頃から細心の注意を払って行きたいものです。


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