「不動産豆知識37 私権の制限」笹谷部長 Vol.245
FMグループ社内報Vol.245【投稿者:笹谷部長】
随分前のニュースですが興味深いものがありました。
私有地の一部が公道として使われている事が分かり、40年間以上も固定資産税を払い続けていたというものです。
加工会社を経営している男性が、約48年前に工場用地として購入した土地の一部に、県道が通過していたとの事。
道路として使われていた土地の大きさは約200坪もあり、坪20万で計算すると約4000万円相当の土地だそうです。
私有地を200坪もタダで40年以上使用された上に、税金まで取られていたという事なので、たまったもんじゃありませんよね。
しかも、過払いの固定資産税の返還を請求すると、時効の為5年分しか返還できないそうです。
この男性は土地の買い上げを要求していましたが、役所は取り合ってくれず最後には寄付して下さいなどと言っていたそうです。
役所がそういう姿勢なら、「道路を通せんぼしちゃえば良いんじゃない?私有地なんだし」なんて考える方もいらっしゃるでしょう。
果たしてそんな事は可能でしょうか。
答えはNoです。
道路法第4条では「私権の制限」として「道路を構成する敷地、支壁その他の物件については、私権を行使することができない。(以下略)」とあるからです。
こう言う道路の事を「敷民道路」などと言い、その敷地を「道路敷地内民有地」と言います。
我々が普段取引する物件の中にも、実はこのような物件が時々あるので、そう言った場合には、しっかりと権原を調べる必要があります。
例えば寄付とか無償使用承諾とか、真っ当に道路として使用する為の法律上の原因を調べ、当事者にしっかりと説明し、このニュースのようなトラブルとならないようにしなければなりません。
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