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#328 相手の注意のカーソルに目を向けると受け取ってもらいやすい
在宅主夫マネージャーの福井です。
このチャンネルは、新卒で教育系NPOに10年勤め、妻の単身赴任を機に5歳と2歳の子どもたちとの父子家庭生活をおくりながら、子育てや人材育成、マネジメントにつながる気づきについてお届けしていきます。
さて今日は、「相手の注意のカーソルに目を向けると受け取ってもらいやすい」というテーマでお届けします。
◯改めて思い出す週末の出来事
週末に子ども2人といつものごとく電車旅だったのですが、2対1という数的不利な状況でラーメン屋さんに入ってラーメンを食べて帰ってこられたことに改めて感動している火曜日です。
まちがいなく子どもたちは成長してくれていて、その結果、制限されていたことが知らず知らずのうちに解放されていることに気づいています。
子育てとは、子どもの成長を支えることであり、親という役割からの解放という側面もあるなって思います。
どちらかというと「役割からの解放」がうまくできないことによる、過保護や過干渉という問題もあるのだろうなってことを感じますが、気づけば必要なくなっているものなので、意識しないと気付けないこともあって、それが親としての難しさなんだと思っています。
◯細分化して、基準を言語化する
子育てもチームマネジメント、人材育成と呼ばれるものも、「何をやるか」で語られがちですが、「何をやらないか」が実は大事で、そのためにも、やらないことを「見極めるか」に重点を置く、ということを個人的には意識しています。
見極めをする上で、やるorやらないと一元的に判断をするというよりは、物事にはメリデメがあるものなので、その時々に合わせて使い分けることがベターです。
見極めて手段を使い分けるために必要なことが「細分化する」ってことだと思います。違う言い方をすると、「基準を言語化する」ことだと思っていますが、同義だと思っています。
◯まずは傾聴して、相手の内省を促す質問をしましょう
フィードバックという言葉に対する抵抗感やアドバイス・助言よりも「まずは傾聴」して、相手の内省を促す「質問」を有効活用しましょう、みたいなことが語られることが多いですが、必要な視点ではあるけど、十分ではないな、というのが肌感覚としてはあります。
結局、「傾聴」を続けても、人は成長しないので、何らかのフィードバックやアドバイス・助言をもらいながら成長するものだと考えています。
「ひとまず」の手段であるなら、どこかでひとまずを置く必要があって、どこかでフィードバックや助言に変えるのであれば、そのタイミングについても同時に提供してあげなければ、根本的な問題の解消にはつながらないだろうと思っています。
傾聴は傾聴ですごく大事な視点ではあると思っていますが、助言やフィードバックは傾聴した先の延長線上にない、というのも同時に思っていて、傾聴とフィードバックは共存させてはじめて威力を発揮するものです。
傾聴する目的は、「相手を理解するため」であり、相手を理解することで、相手が受け取りやすい効果的な助言やフィードバックがあると思っています。
◯効果的な成長支援を行うために
「相手が受け取りやすい」という部分を細分化すると、「思考や理解度の深さ」という縦に伸びる段階と横に広がる「本人の興味・関心」という軸が存在しています。
「思考や理解度の深さ」については、わり算を習得していない子どもに分数の問題を解いてもらうようなミスマッチが起こると、いくらその説明がすばらしくても受け取ってもらえません。
本人の興味・関心についても、人によって幅の広さが変わってくるものです。わかりやすく説明するためには例え話をすることが必要ですが、「タイミングの重要性」を伝えようと思って、「野球で例えると、”タッチアップ”というのがあってね・・・」と話しても、野球なんて見たことない主婦からしたら「何のことやら?」という感じで伝わるものも伝わりません。
ということは、フィードバックや助言をする上で、複数ある改善点のポイントのどれにフォーカスするかを特定することが必要で、「次にやるとすると、改善したいポイントってどんな点?」って質問することによって、本人の興味・関心がどこに向いているか、ということを特定した上で、フィードバック・助言をすることで、受け取ってもらいやすくなります。
傾聴はもちろん大事なコミュニケーション技法ではあるものの、相手の思考や理解の深さを特定し、相手の興味・関心の「注意のカーソル」がどこに向いているか、ということを特定できなければ、フィードバックやアドバイス、助言を相手に送ることはできません。
流行り廃りによって、いろんなキーワードが飛び交いますが、細分化した上で組み合わせて使う、ということが、マネジメントや人材育成の文脈においては重要です。
一撃必殺みたいなものを求めてしまいがちですが、人が関わる領域においてはありません。
マネジメントの話だけではなく、すべての人間関係、子育てにも通ずるところだと思っています。
そんなわけで今日は、「相手の注意のカーソルに目を向けると受け取ってもらいやすい」というテーマでお届けしました。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
すてきな1日をお過ごしください!
では、また次回お会いしましょう。
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