本居宣長の思想について
本居宣長の純日本的な思想について、簡潔にご説明いたします
本居宣長は、日本の生んだ最初の独創的な思想家と言われています。
この場合、独創的というのは、純日本的と言う意味です。
日本人は古来、外国から輸入した思想で間に合わせる傾向がありました。本居宣長の思想には、外国思想の影響をほとんど感じさせません。この点が、純日本的という言われる所以です。
本居宣長は、賀茂真淵(※)などの国学の伝統を踏まえつつ、中国の学問やインド仏教などの外国思想との対立の中、この純日本的な思想を発展させました。
(※)賀茂真淵は、江戸時代中期の国学者であり
歌人です。
本居宣長は「外国人の思想を、それを良しとして受け入れることはできない。日本人には日本古来のおおらかな思想の体系があるのであって、それをきちんと評価することこそが、日本人としてのあるべき姿だ」と考えました。
本居宣長の国学の思想は、こうした考え方に基づいています。
本居宣長は「日本人のものの考え方・感じ方の基底にあるのは、『もののあはれ』を尊ぶ心である」と主張しました。
『もののあはれ』とは、四季に移ろいゆく風情や男女や親子・友などの間の情愛や離別、哀惜などによって生じる、しみじみとした情緒や気分をあらわす言葉です。
本居宣長の思想は、良し悪しは別として、幕末の尊王攘夷(※)の運動に大きな影響を与えました。また、近代日本における国粋主義(※)の流れに引き継がれていったのです。
(※)尊王攘夷とは「天皇を尊び、外国勢力を
追いはらう」いう意味です。
(※)国粋主義とは「自国の伝統を他のどの国
よりも尊いものと考え、それを守り広げ
ようとする」とする考え方です。
以上
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