こだわり商品の価値は誰が決める?
商品の価値って、最終的には買う人が決めていて、価値があると感じて、価格が相応だと思ったら買ったり、誰かに勧めたりします。
価値があるものは、一定の数が売れて、何ヶ月〜何年かするとニューバージョンが発売されたりします。
そうしながら、定番商品となっていくのですね。
爆発的に売れるものの価値が必ずしも最大級とは限らないけど、価値がないものはそんなに売れるわけはありません。
こだわり商品の売れ方
近年、食品関係は特にそうですが「こだわりの〇〇」みたいな商品が目立ちます。
材料や製法にこだわったから、これはいい商品なんですよ、というアピールなんですが、その商品の価値は、やはり買う人が決めるのですね。
陳列棚にずらっと並んでいる中で、価格はちょっとずつ違うけど、だいたい同じような価格帯の商品があります。例えば食パンなら200円前後。パッケージを見ると小麦をああしてこうして、こだわった作り方をしていますよと書かれていたりします。
でも、買うときにそこまで見て買う人も限られると思うし、僕などは一度買って美味しかったからリピートしているだけで、もしその商品が無くても、別のブランドの同じぐらいの価格のパンを買うだけなんですよね。
せっかくこだわって作られているけど、買う人はあまり認識していないという状況があります。
認識していないから、どれも同じだと思って信頼できるメーカーの「値ごろ」なパンを手に取るわけです。
つまり、こだわりを価格に反映させてもあまり意味がないというか、こだわりによって売り上げ単価が上がるというものでは無いのだと思います。
ただ、こだわることに意味が無いこともなく、あるメーカーの商品には常に「こだわり」についての説明があるなという印象が、企業の価値を高めているかもしれません。
その企業イメージ(ブランドイメージ)が、商品の選択に影響するということはあると思います。
価値が高まるこだわり方
こだわりが価値に転化するときって、どういう場合でしょうか。
そこにはおそらく、ユーザーの欲求が関係すると思います。
「〇〇はいい商品だけど、ここがイマイチだな」「もう少しこの機能を充実させて欲しいな」「使い勝手を良くして欲しいな」
というようなユーザーの潜在的な欲求を、なんらかの形で察知して商品作りに活かす時に、それは従来商品にない「こだわり」だと言うことができると思います。
まさにユーザーが欲しているものが「こだわり」だとアピールされたら、それほどユーザーにとって嬉しいことはありません。「よくこだわってくれた」という感謝さえ生じます。
「今度の商品は少し高いけど、手に入れたら今までとは違う体験ができる」ということが明らかなら、強い購買意欲を覚えます。
こだわり戦略
こだわっても気付いてもらえなかったり、価値があると思ってもらえないようなこだわりは、事業としては「ムダ」の部分に入ると思います。合理化の対象にもなるでしょう。
だから、こだわりによって価値を高めるためには、潜在的なものも含めた顧客ニーズを掴むことが必須となるべきです。単なる作り手の自慢だけなら意味はありません。