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か、改行してくれ! 文字の圧が強いドストエフスキー『悪霊』

先週からドストエフスキーの『悪霊』を読み始めた。
きっかけは、読書好きのシンガポール人の友人との会話のネタになればと思ったから。
世界の名著を読んでおくと、何かと話が広がりそうだし。
寝る前に少しずつ読み進めているけれど、だいたい4〜5ページで寝落ちしてしまう。

今は第一部の第二章で、ニコライ・フセヴォロドヴィチ・スタヴローキンという人物が登場したところ。
このニコライ君、「荒くれ者」という前評判とは裏腹に、品の良いイケメンなのよ!
でも話が進むにつれて、やっぱり暴力的な一面が露わになってねぇ。

初対面の偉い爺さんの鼻をつまんで部屋を引き回しちゃうんだよ!?
しかも、「赦してくれるよね?どうしてあんなことをしようと思ったのか僕、わからないもーん!」
って主張するし。
いやいやいやいや、なんじゃそれ!

彼以外にも登場人物のクセが強い。

あと、改行の少なさにもビビる。
見開き2ページに文字がびっしり詰まって目が疲れる。

そもそもロシアの歴史を知らないから、農奴解放って言葉にもピンとこない。

誰が何を語っているのか、登場人物の長いカタカナ名のせいで混乱することもしばしば。
それでも不思議と面白いのだ。

その理由は、登場人物たちが抽象的なことを語りながらも、どこか人間臭いからだと思う。
すねたり、見栄を張ったり、人の機嫌を取ったりといったリアルなやりとりが絶妙だ。

また、ジョルジュ・サンドやシェイクスピアといった名前も出てきて、「そちらも読んでみたい」と好奇心をそそられる。

ページをめくるたびに、「まー、よくこんなに言葉が出てくるな!」と感心するばかりだ。
ドストエフスキーには、これだけ書きたいことがあったんだねえ。

事前にあらすじ(ネタバレ込み)も読んでみたが、それでも筋を追うのは難しい。
だからもう開き直って、言葉に埋もれるつもりで楽しんでいる。

1冊600ページの上下巻で、最後までたどり着けるのか怪しいけど、この「わけがわからなさ」を面白がりながらゆっくり読んでみよう。



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