わたしが90年代にハマったUKロック1 - SUEDE -
「若者の洋楽離れ」という言葉があるそうで。
ネット上で日本ふくめ、いろいろな国のカッコいい音楽に簡単にアクセスできるようになりましたし、なにも洋楽だけを珍重する時代ではないですからね。
わたしが若者だったのは1990年代〜2010年代ころ。
時間、体力、お小遣い、あらゆるリソースを洋楽ロックに費やしていました。
そんな「洋楽かぶれ」が始まったのは、「SUEDE(スウェード)」でした。
出会いは高校受験を控えた中3のとき。
雑誌「ミュージック・ライフ」でした。
ガンズ・アンド・ローゼズのCDを兄から借りて以来、なぜか興味がヘビーメタルの方に向かい、ハロウィンやイングヴェイ・マルムスティーンあたりをTSUTAYAで借りて聴きまくっていたんですね。
(そんな中3女子、どうなのよ?)
当時はネットなんてありませんから、新譜情報を知る媒体は雑誌でした。
近所の本屋にあるヘビメタ雑誌といえばミュージックライフかバーンだったんですよ(バーンはいかつくて手に取れなかった)。
あのときも、本屋さんで買ったばかりの最新号をほくほくしながらページをめくっていまいた。
ミュージック・ライフには「カラー・グラフ」というページがあり、ミュージシャンの写真が全面に印刷されたグラビアみたいな作りだったんですね。そのなかに、
「長髪ソバージュ(笑)×もみあげ×ヒゲ×筋骨隆々な体育会系ヘビメタアニキ」とは対極の
「サラサラヘアー×はにかみ顔×シンプルな白シャツ×清潔感×文化の薫りただようお兄さん」が載っていたんです。
ぜったい、ぜったいに、こっちのお兄さんがいいー!!!!
あっさりとヘビメタから乗り換えました。
そのカラー・グラフのお兄さんは、「バーナード・バトラー」というイギリス出身のバンド「SUEDE」のギタリストでした。
雑誌を買った翌週には渋谷のWAVEでファーストアルバム『SUEDE』を買っていたんじゃないですかね。
アルバム一曲目の『So Young』、てぃろり〜ん♪というギターフレーズの後にやってくる、ブレット・アンダーソンの歌い出しがすっとんきょうで面食らいました。
その歌声にねっちり絡むバーナード・バトラーのギターの旋律。
音、ぶっと!
和訳された歌詞は理解できないけど危険な匂いがプンプン。
とんでもない世界に踏み入れちゃったけど、もう後戻りはできない…なんてドキドキが止まりませんでした。
しかし、毎日聴いていると普通になっちゃうものですねえ。
SUEDEの音源を探しはじめたのがきっかけで学校帰りに、渋谷WAVE、HMV、タワーレコード(宇田川町にあった)、レコファンを巡回するのがお約束となりました。
NME(イギリスの音楽新聞)の付録のカセットテープはタワレコの洋書コーナーで、LIVEアルバムは西新宿のの海賊版屋で発掘。
熱病にかかっていたとしか言いようがありません。
だんだんと音源だけでは物足りなくなり、動いている映像が観たくなるというのがファン心理。
そんなときに見つけたのが、フジテレビで放送されていた『BEAT UK』という音楽専門の深夜番組でした。
そこで初視聴を果たしたSUEDEのライブ映像は、アルバム聞いたときと同じくらいのインパクトでした。
カウボーイが牛を捉えるときの投げ縄みたいにマイクをぶん回して、くねくね踊るブレット。
ギターの旋律と音の強弱とリズムに操られるようにぐおんぐおんと揺れるバーナード。
酩酊状態なの?っていうフロントマン2人を支えるベースとドラム。
クールなアーティスト写真とは対照的に、汗が飛び散る演奏姿から「やっぱり本当に存在する人間なんだ〜」と、実感が湧いたといいますかね。
1993年のライブ映像。
マイクこそ回してないけど、ボーカルの流し目と腰振りにゾワッとする。
その後、バーナード・バトラーは他のバンドメンバーとギクシャクしちゃったみたいで、2枚目のアルバム発売前に脱退しちゃいました。
脱退後はボーカリストとコラボレーションしたり、ソロで活躍していましたが、この頃には次から次へと出現するUKバンドたちに興味が移っており、正直、彼やSUEDEに対する熱情は薄れていました。
改めてバーナード・バトラーの消息をネットで調べてみたところ、2008年にはプロデューサー業に専念するという表明もしていたようで。
グラミー賞を獲ったDUFFYのアルバム『ロックフェリー』のプロデューサーと作曲もしていたんですね!
2024年には25年ぶりとなるソロアルバムが発表されたそうで。
近影も相変わらず素敵な英国紳士でした。
以上、思い出のバンド・SUEDE(もといバーナード・バトラー)についての自分語りをお送りしました。
SUEDEの音楽性や歌詞の世界観、音作りなどの音楽的な面は、頭のなかにはグルグルしているのですが、いまいち言葉にまとめられなくて。
そこんところは、いずれ言語化力が高くなったら書き足そうと思います。
今日わかったことは、ヘビメタ経由でSUEDEにはまったということです。
何が自分の「好き」と引き合わせるか分からないものですね〜。
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