わたしが90年代にはまったUKロック2 - Blur -
学生時代を送った90年代にハマったUKロックについて振り返っています。
初めて「これだ!」と、夢中になったイギリスのバンドがSUEDEでした。
彼らの他にもどんなUKロックがいるか知りたくて、洋楽の雑誌を読み始めました(ロッキング・オン、クロスビート、INROCK、米国音楽などですね〜懐!)。
その中で見つけたのが、Blur(ブラー)というバンドでした。
金髪に青い瞳、少女漫画に出てくる貴公子みたいだったんですよ。
この人たちの曲はどんなんだ?
と、興味を持ちリリースしたてのシングル『Girls & Boys』を聴いてみました。
『Girls & Boys』は、シンセサイザーと4つ打ちのリズムが全面に出ているダンサブルな曲です。
それまでハードロックやヘビーメタルばかり聴いていた自分にとっては、同じロックでも全然違いました。
「ロックって、こんなに幅広いんだ」と驚いたのを覚えています。
この曲が収録されている3rdアルバム『Parklife』には、フレンチポップス調の『To the End』や、ミュージカル風の『Parklife』、さらにはパンクっぽい『Bank Holiday』など、いろいろなスタイルの曲が詰まっていて、Blurのバンドとしての器用さにも感心しました。
ギターのメロディーも、普通のメジャーコードだけでなく、SUSコードなんかも使われていて、細部まで練られているんですよ〜。
当時はBlurとOasisの対立がイギリスの音楽メディアで盛んに取り沙汰されていました。
都会者と田舎者の口喧嘩を、各メディアが取り上げる……みたいな状態です。
そのケンカが、Blurの『Country House』とOasisの『Roll with It』が同じ日にリリースされるという事件にまで発展しちゃったんです。
ちょうどその時期、わたしはロンドンに短期留学中だったので、リリース日にピカデリーサーカスのタワーレコードに行ってみました。
入り口に両方のシングルが山積みされていたけど、サッカーの試合みたいに熱狂した観客がわれ先にグッズ売り場に殺到する……なんてことはなく。
普段の店の様子と変わりませんでした。
まあ、そこまで騒動にならないにせよ、「イギリスではロックが文化の一部なんだな」と実感してすごく羨ましかったですねえ。
そんな思い出もあり、Blurの中で特に好きな曲は『Country House』です。
出世競争に勝ち抜いて郊外のお屋敷に暮らしているけど、心は満たされない男の人の悲哀を歌っているのですが、メロディーはすごくポップなんですよ。
この、歌詞とメロディのギャップにイギリスらしい皮肉が込められています。
間奏のあとのコーラスのシーンがQUEENのボヘミアン・ラプソディのイントロを彷彿とさせます
街のあちこちでロックが当たり前に流れていること、パンクスがどこにもいなかったこと、英語が全然聞き取れなかったこと、野菜がどれも茹ですぎだったこと……。
Blurを聴くと、初めてロンドンに行ったときの記憶が浮かびます。
以上、思い出のバンド・Blurについての自分語りをお送りしました。
当時は彼らの音楽について深く考えたことなかったんですが、実はクセのあるコード進行をさらっと演奏するなど、デザイナーと職人が絶妙に融合した曲と音のつくりだったんですね。
後になって分かることもあるものですな〜。