30日間の革命 #革命編 197日
体育館を占拠してから気づけば3時間程が経っていた。日も沈み、辺りは暗くなる。中にいる生徒たちにも若干の疲れが見え始めていた頃、坂本らは動画を配信するための準備を進めていた。
「Twitter見てください! かなり話題になってますよ!」
神原はそう言いながら、携帯の画面をメンバーに見せる。坂本らはその画面を覗き込むと“武蔵中央高校の生徒が体育館を占拠したらしい”という投稿がたくさんされているのを確認した。
「凄いじゃん! なんかフォロワーとかも増えてるし、これ下手したらニュースとかにもなるんじゃない?」
加賀は少し興奮気味に話す。
「そうね。もう日も沈んで、外もそろそろ騒ぎ出す頃だと思うし、このタイミングを逃すわけにはいかないわ。急いで撮影の準備をしましょう」
坂本の言う通り、学校には保護者から「うちの子がまだ帰ってこない」という問い合わせが増えてきていた。その他にも、Twitterを見た人から「学校が占拠されたって本当ですか?」などの問い合わせもきている。
学校は、もう自力では解決できないということを悟り、警察へさらなる応援を要請した。程なくして、学校に数台のパトカーと複数の警官が到着する。その様子を見た通行人や近所の人たちは、学校で何かが起こっていることを知り、わざわざ様子を見に来る人まで出てきた。学校近辺は騒然とした雰囲気に包まれた。
「よし、カメラとかも全部準備できたよ。配信いつでも出来ます!」
メンバーらは全ての準備を終えた。そして、全校生徒にもこれから動画を配信することを伝え、いよいよ動画の配信を開始する。撮影を担当する神原は、カメラの前に立っている坂本に対して、撮影開始を伝えるキューを出した。
「……私は都立武蔵中央高校3年の坂本小春といいます。今、私たち学生全員で学校の体育館を占拠しました」
坂本は堂々とした面持ちで話し始める。動画配信をすることはTwitterにて告知をしていたので、配信開始と同時に視聴者数は100人を超えていた。そして、その中には体育館の外にいる教師たちも含まれていた。Twitterを見ていた教師が動画配信することを知り、急いで職員室のテレビへとつないで、他の教師たちと配信を見ていた。
「……なぜ私たちが体育館を占拠したのか。これからそのことを話していきます」
坂本は真っ直ぐな瞳でカメラを見つめ、話しを続けた。
▼30日間の革命 第一部
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▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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