「全員の点数を+1にする」RevComm執行役員 角田 潤彌 氏が見据える次世代に誇れる日本の姿
Voice Communicationに主眼を置いたサービスを提供するスタートアップ企業、株式会社RevComm。同社の執行役員として活躍する角田 潤彌(Junya Sumita)氏のキャリア形成、企業選択の軸に迫ります。
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“ニューエリートをスタートアップへ誘うメディア” EVANGEをご覧の皆さん、こんにちは。for Startups, Inc.のEVANGE運営チームです。
私たちが所属するfor Startups, Inc.では累計650名以上のCXO・経営幹部層のご支援を始めとして、多種多様なエリートをスタートアップへご支援した実績がございます。EVANGEは、私たちがご支援させていただき、スタートアップで大活躍されている方に取材し、仕事の根源(軸と呼びます)をインタビューによって明らかにしていくメディアです。
コミュニケーションのブラックボックス解消を目指して
-- まずはRevCommの事業内容を教えてください。
RevCommでは、AI機能付きのIP電話 MiiTel(ミーテル)を提供しています。MiiTelを活用して、電話営業や顧客対応の内容をAIで解析することが可能になっており、それらのデータを活用してコミュニケーションのブラックボックス問題解消を目指し、事業を展開しています。
質の良い商談には真似すべき点がたくさんあります。それらをMiiTelでデータ化し、解析することで、コミュニケーションがより円滑に進むサポートができるようになるのがMiiTelなのです。
-- その中で角田さんは現在どのような業務を担当されているのでしょうか。
現在はセールス、カスタマーサクセス 、アライアンスを管掌しています。もともとは、海外展開と新規事業の担当で入社をしたのですが、入社後にセールスのマネージャーが困っているのを助けることになり、そのままセールスの担当に。同様に困っているメンバーを助けているうちに徐々に守備範囲が増えていきました。
スタートアップらしいなと思いながら、やったことのないことをやるのが好きな性格なので、さまざまな職種を楽しみながら仕事をしています。
幼少期から意識していた「面白いことをやる。見聞を広げる」
-- 幼少期の出来事で現在の角田さんに影響を与えていることはありますか。
経営者の祖父を見て育ったことは大きな影響があったと思います。祖父には「面白いことをやれ、見聞を広げろ」と言われて育ちました。それもあり、変わった時間の使い方を幼少期の頃からしていたと思います。
例えば電車で一駅ずつ降りて、スタンプラリーの感覚で地下鉄マップを一人で作ったことがあります。なんの得にもならないことはもちろん、自分自身なぜやったのかもよく分からずに終わったのですが、幼少期の頃から、気になることや面白そうなことにはとりあえず挑戦してみる性格でした。
-- 大学時代もそういった「面白いこと」に時間を使われていたのでしょうか。
そうですね。当時のハイテクブームに乗りたく、PlayStationやNINTENDO64のゲームを作っていました。
-- まさかのエンジニアをされていたのですね。大学は一度中退されたと伺いました。
それまで通っていた大学を中退して、慶應義塾大学に入り直しました。というのも慶応義塾大学が当時「未来からの留学生」というキャッチコピーを出しており、新しい価値をつくっていくことを大事にされる大学と感じ、こっちの方が面白そうだなと思ったのです。
-- 面白いかどうかが選択の大きな軸になっていた中、新卒で日本コカ・コーラを選ばれた理由は何だったのですか。
コカ・コーラでは、希少性のある経験ができると思ったからです。
就職活動中にOB・OG訪問をする中で、川下よりも川上にある会社の方が将来の選択肢が増えるのではないかと思いました。そんな中、良い会社とおすすめされて受けた会社の1つが、コカ・コーラでした。100年以上の歴史を持ち、常に革新しながら高い時価総額を保っている。きっとそこには凄い方法論もあるのだろうと思っていました。
コカ・コーラにはマッキンゼー出身でMBAを取得しているようなかっこいい先輩がいたことに加え、膨大な予算を使った仕事、ワールドカップやオリンピックなどといった世界から注目される大きなイベントなどに関わることができることに魅力を感じて入社を決めました。
最高の状態が来るたびに繰り返した転職
-- その後、デロイト トーマツ コンサルティングへ転職されたとのことですが、何がきっかけとなったのでしょうか。
コカ・コーラで働いている時に、経営を助けてほしいと頼まれたことがありました。しかし、渡された財務3表を読むことができず、なにも手助けをすることができなかったのです。
これまで頑張って働いてきたと思っていましたが、お金があれば良い広告は作れたけれども、経営に関しては何も分かっていなかったと痛感する出来事となりました。
これをきっかけに経営に興味を持ち、MBA留学をするために英語学習に取り組みましたが、いざ留学するとなって気づいたのがMBAの授業料の高さでした。
2,000万円をMBA取得に使うのであれば、そのお金で代わりに投資をして、コンサルティング会社で働けば、MBA取得以上の価値を得られると思い転職を決めたのです。
-- しかし、その後再び事業会社に戻る決断をされていますね。どういった経緯があったのですか。
「最高の状態は、最低の始まり」と考えているからです。デロイト トーマツ コンサルティングでは、誰もやりたがらないような難しい案件を積極的に担当し、経験をたくさん積み、順調に昇格して歩みを進めていました。
その一方で、順調すぎてこの幸せの状態は最高潮の時であって、いわば不幸の始まりなのではないかと思うようになり、また違う場所で違う経験を積もうと考えたのです。
-- なぜ、そのような考えに至ったのですか。
昔から何かしら分析することが好きだったのですが、人の成功パターン、失敗パターンにも何か共通項があるだろうと思い、小さい頃から私なりに分析していました。
そこで見えてきたことは、いけていない大人は不遜だったり、幸せの絶頂のままフリーライダーになってしまっているケースが多かったのです。
そのため、絶対に謙虚に生きたほうがいい。だからこそ、幸せの絶頂は捨てると決めているのです。
また、30代まではがむしゃらに寝ずに働いてきましたが、「世の中に必要とされる生き方」もいいのではないかという思いもあり、そんな中で利他主義を社是に置いていた株式会社LIFULLへの転職を決意しました。
-- 実際に事業会社に戻ってみてどうでしたか。
事業会社の経営側に立つようになり、考える変数が増えました。ステークホルダー、株主、お客様の存在をより意識するようになり、全員が満足いくように調整する大変さを感じましたね。
特に大変だったのが、中国の会社との合弁関係を解消した時です。日本の理論では進まない部分も多く、弁護士の方に相談しながら、各関係者との調整業務に追われました。
-- その後、今度は株式会社チチカカへの転職を決められていますがこれは何がきっかけだったのでしょうか。
コカ・コーラでは「食」、LIFULLでは「住」に関わってきたので、次は「衣」に関わってみたいと思ったことが転職のきっかけとなりました。株式会社チチカカは世界中のシングルマザーをサポートする事業を行っており、社会的に意義があることに携わる良い機会だと思いました。
強烈な人との出会いが与えた影響
-- LIFULL、チチカカ、パートナーエージェント、EPARKを経て現在のRevCommへ入社されていますが、転職を繰り返した中で見えてきた気づきなどはありましたか。
特定の業界に特化するよりも、様々な業界に関わる仕事の方が私は向いているという気づきがありました。
小さい頃、占い師さんに「根無草」と言われたことがあるのですが、まさにその通りで一箇所にとどまれないタイプ。
仕事においてもバーティカルな業界別ではなく、ホリゾンタルで関わるのが向いていると感じました。得意なマーケティングや経営の知識を生かして、様々な業界を少しずつ変えていくのが仕事が楽しいと感じられるポイントだったように思います。
-- 転職する際の共通点などはあったのでしょうか。
印象的な人との出会いが転職の決め手となったことが多かったです。転職を決めていたものの、強烈な人物との出会いで転職先を変えたことが2回あります。
1度目は光通信の玉村さん(株式会社光通信 代表取締役社長兼COO)との出会い。玉村さんと会食する機会があったのですが、世界経済の話から投資から何から本当に幅と奥行きのあるお話を伺うことができ、あらゆることで自分とのスケールの違いを強く感じ、「この人についてもっと知りたい」「なぜこの会社が強いのかを知りたい」と思い、転職先を株式会社EPARKに急遽変更しました。
2度目はRevCommの會田(株式会社RevComm 代表取締役)、CFOの鈴木、人事責任者の乾との出会いです。この時も転職予定の会社が決まっていたのですが、たまたま話す機会を設けてもらった際、衝撃を受けました。
會田の推進力はもちろん、そこに対して建設的にブレーキをかけられる周りのメンバーの存在など含めて良いカルチャーを持っており、可能性を秘めた会社だと感じたのです。この時も直感でRevCommへの転職を決めました。
子どもたちに自信を持って渡せる日本社会に変えていく
-- これまでの経験から、働く上で大事にしていることはありますか。
働く上で一貫して大事にしていることは誰に対しても敬語を使うことです。仕事においては上下関係があるからこそ、丁寧に敬語で話すことが大事だと思っています。RevCommでデータを分析して分かっていることですが、笑声(声から笑顔が想像できるような声)の人の方がコミュニケーションがスムーズに進み、営業成果も出やすいのですが、それと同様に丁寧に話す人の方が良い結果が出ると思っています。
-- それでは最後にこれから成し遂げたいことについて、お伺いできますか。
私は誰か一人の生産性を爆上げするのではなく、みんなの生産性を少しずつ上げることを大事にしています。誰かが尖るよりも、みんなが50点を51点にすることの方が価値が高いと考えています。
そうすることによって、特定の誰かだけではなく、みんなが幸せになる世の中を作ることができ、結果的に生産性も格段にあがると思っています。次世代に誇りを持って渡せる日本に少しずつ変えることができるのではないかと思っています。
だからこそ、MiiTelというプロダクトの先にいる方々の生産性があがるためにできることをやっていきたいと思いますし、サーバントリーダーシップを発揮して、輝ける人を作るための機会を提供できるマネジメントをしていきたいと思います。
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