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読書ログ#1 『なぜ女は男のように自信を持てないのか』

初の読書ログはタイトルに釘付けになり衝動的に買った一冊。読んでみて強く印象に残った部分と、それにまつわる考え事を書いていきます。(全体のサマリではないので悪しからず…)

本文中では、女性が比較的自信を持てなかったり、仮に同じ能力があっても出世しにくい状況にあったりすることについて、研究やインタビューの結果が書かれています。「男」「女」と主語を大きくすることへの注意を払った上で、それでも女性に是非知って欲しいことだと著者の方は明記していました。

ちなみに、原題は『The Confidence Code: The Science and Art of Self-Assurance---What Women Should Know』なので、邦題が少しセンセーショナルな気もします。



自信とは結局何なのか

この本の中では、自信とは「思考を行動にするもの」であり、「思考するだけの人と実際にやる人を区別する性質」だと書かれています。れこれと思いついても実際に行動することができず、気づいたら他の人に先を越され「私も同じことを思いついていたのに」とか「私もそれができるのに」と思ってしまうのは自信がない状態。つまり、自分の頭の中から現実の世界に出てこられていない状態です。

逆に言えば、行動したかしないか、それだけなんだと私はとらえました。自信がある人は、すごい人ではなく行動に移せる人ということ。そして、その行動がまた自信を生み、次の行動につながるんだそうです。

だから、今自分に自信がないと感じていても、少しの勇気を持って小さくても行動すればいい。そうすれば、自信がある人と同じサイクルに乗れます。自信の有無は簡単には変わらないかもしれないけれど、行動の有無は自分でコントロールできる。コントロールできる部分を足がかりに自信を得るサイクルに身を置くことができるというお話で、納得感がありました。


完璧な準備と求める権利はトレードオフじゃない

次に印象的だったのは、多くの女性が完璧主義の傾向にあり、「完璧な準備が整ったら手を上げようと思っている」「能力的に100%資格がなければならない」という考えを持っているということ。

一方、多くの男性は能力的な資格は60%だと感じていても、自ら手を挙げたり、昇進に応じたり、多くの人の前で意見したりする傾向にあるそうです。

多くの女性はきっと「完璧な準備ができていなければ、何かを求める資格はない」という前提を暗黙的に感じているのかもしれません。著者によれば、この完璧主義が「最も自信をダメにする女性たちのゆがんだ習慣」なんだそうです。

その完璧はいつやってくる?だれが完璧だと判断する?自分が全方位的に整った状態を求め続けて終わりはある?その答えは多分誰にもわからないから、いつまでも準備をし続けてしまうことになってしまう。これではいつまでたっても行動できず、自信を生み出すサイクルに乗れません。

準備ができている・能力があることと、何かしたいと主張・要望・意見する権利は必ずしも紐づいていない。別に、能力が無かろうが、資格がないと言われようが、要望希望を声に出して罰せられることはない。それどころか、自分の頭の中からでてきて、言葉にしてみることで何か変わるかもしれない。これもすごく勇気をもらえる気づきでした。


男女の脳の動きの違いを知る

自信の有無や、自信につながる行動を起こすハードルについては、遺伝子的な要素、男女の脳で活発に働く部分の違いなども関わってくるという研究結果があり、本文中に細かく紹介されていました。

大昔の恐怖や心配に対する脳の反応がいまだに色濃く残っている話、女性の脳で活動的な部分が「状況把握や共感力」にも「考えすぎで自分を苦しめる」ことにもつながってしまう話など、すごく興味深かったです。詳細は省きますが、興味がある方は第4章をぜひ読んでみてください。この章だけ読んでも面白いと思います。

私が感じるのは「脳の仕組みなら仕方ない」ということです。私たちには何も悪いところはなく、「そういうもの」なのだと受け入れて対応していけばいいだけのことなんだと、気が楽になりました。


自信は後天的に身につけられる

今自分に自信がなくても、行動を起こせる気がしなくても、人間の脳には可塑性があり、今までの思考回路をいくらでも、何歳からでもアップデートできるんだそうです。

そのアップデートを邪魔するものはたった一つ「私の能力はもう決まっていて変えられない」という自分の思い込みだけ。科学的にそう言われていて一冊の本が出ているのだから、騙されたと思って信じてみてもいいですよね。


タイトルは「うっ」と胸にくるものがありましたが、じっくり読むととても勇気をもらえる一冊でした。

(読書時間:たぶん4時間くらい)


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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