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ヨーガ療法とは? 近年、注目を浴びているストレスマネジメント法をご紹介。

 ヨーガ療法が近年、注目を集めています。他のヨガとの違いや、その効果、どのようなことをするのかなど、具体的な解説をしていきます。


1、ヨーガ療法と、ヨガとの違い

 ヨガと言えば、フィットネスクラブで若い女性が美容と健康のために行うもの、というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?
 あるいは、インド人の男性が難しいポーズをしていて、身体の柔らかい人ではないとできないもの、というイメージを持つ方も多いかもしれません。

 ヨガと一言でいっても、実はいろいろな流派のヨガがあり、それぞれに方法や目的が異なります。ヨーガ療法は、その多くの種類のヨガの、種類のひとつと捉えていただけたらいいと思います。

 そもそもヨガは、現代ではフィットネス系のヨガが主流になっていますが、その源流はインドで5000年以上も前から伝わるもので、人間教育を目的とした修行法です。

 ヨーガ療法は、そのインド5000年前から伝わる伝統的なヨーガを、科学的に研究を重ね、現代の一般の人や疾病をもつ人でも安全に簡単にできるように開発されたものです。

2、ヨーガ療法の3つの技法

 ヨーガ療法は、エクササイズ・呼吸法・瞑想法の3つの技法から成ります。

・エクササイズ

 エクササイズとは、いわゆるポーズ(アーサナ)と呼ばれるもので、身体を動かして体操する方法です。
 そのもっとも大きな特徴は、アイソメトリックブリージングエクササイズです。アイソメトリックとは、等尺性筋収縮運動といって、筋肉を動かさない状態で負荷をかけてトレーニングする体操です。ヨーガ療法では、アイソメトリック体操を呼吸に合わせて行うことで、安全に筋肉を鍛えていくことができます。
 また、ヨーガ療法のエクササイズでは、身体の動きや、身体の感覚に意識を向けるということに重点を置いています。力を入れた感覚、力を抜いた感覚をよく意識化することで、脳神経に働きかけ、効果をあげていくという方法を取ります。

・呼吸法

 呼吸法は、伝統的なヨーガの呼吸法を、安全に簡単に行えるようにアレンジしたものです。
 呼吸は、意識しなくても自動的に吸ったり吐いたりしているものですが、この自動運転の呼吸を、手動運転の呼吸にコントロールします。
 多くの種類の呼吸法があり、それぞれ効果が異なるので、目的にあわせて方法をえらびます。
 エクササイズと呼吸法を組み合わせて行う方法もあれば、呼吸法のみを行う方法もあります。また、瞑想法と呼吸法を組み合わせて行う方法もあります。

・瞑想法

 瞑想法は、一般的にはあぐらで座って目を閉じる方法ですが、ヨーガ療法では、多くの種類の瞑想法があります。
 ヨーガ療法の瞑想法の大きな特徴は、瞑想の中で考えるということです。一般的には、瞑想といえば無心にならなければならないというイメージを持つ人が多いかもしれません。ヨーガ療法の瞑想では、無心にならずむしろ考えるという方法と取ります。
 これは、伝統的なヨーガの方法をもとにしています。先生の話を聞いたあと、その話をもとに瞑想の中で過去の自分を振り返り内省していきます。

3、ヨーガ療法の効果

 ヨーガ療法を行うことで、以下のような効果が期待できます。

  • ストレス軽減

  • 疾病予防

  • 課題解決

・ストレス軽減

 ヨーガ療法のエクササイズや呼吸法で、神経や筋肉などに働きかけ、身体の負担を減らしていくことで、身体が軽くなり、リラックス効果が期待できます。また、瞑想の中で思考の整理ができ、ストレスの原因を解消していくことができます。

・疾病予防

 ヨーガ療法のエクササイズや呼吸法で、自律神経を整え、免疫力を高めることができます。また、疲労回復・痛みの緩和・睡眠ケアなどの効果も期待でき、疾病予防につながります。

・課題解決

 ヨーガ療法の瞑想法で、過去の自分とじっくり向き合い内省することで、自己理解が深まり、現在自分がかかえている問題の解決法が見つかることがあります。具体的な行動を考えるきっかけともなり、課題解決への道を踏み出すことができます。

4、ヨーガ療法を支える団体をご紹介

 ヨーガ療法に関連する団体は以下の通りです。

  • 一般社団法人日本ヨーガ療法学会

  • NPO法人日本ヨーガ療法士協会

  • 日本ヨーガニケタン

・一般社団法人日本ヨーガ療法学会

 ヨーガ療法を学術的に研究する機関です。2003年に設立し、20年以上の研究実績があります。厚労省の認可を得た研究もおこなわれており、多くの医科大学・看護大学の協力を得てエビデンスを証明しています。

・NPO法人日本ヨーガ療法士協会

 (一社)日本ヨーガ療法学会認定のヨーガ療法士が会員となり、日本全国でヨーガ療法の普及活動を行っている団体です。社会への貢献を目的に、ヨーガ療法士の社会活動への適切な対応サポートを行っています。

・日本ヨーガニケタン

 ヨーガ教師、ヨーガ療法士を育てる教育機関です。ヨーガ療法を指導する人を目指す方が学ぶ講座や、認定ヨーガ療法士の研修などを提供しています。

5、ヨーガ療法はどこで取り入れられている?

 学会認定のヨーガ療法士が全国で活動しています。
 身近なところでは、ヨガスタジオ、公民館のヨーガサークルなどで教室が開かれています。介護予防、体力づくりなどとして活用されています。
 また、以下のような場所で取り入れられています。

  • 医療・福祉施設

  • 企業・法人

  • 教育機関

・医療・福祉施設

 病院などの医療施設、高齢者介護施設、障碍者施設などで、各種ケアや補完代替療法として取り入れられています。緩和ケア・セルフケア・機能訓練・リワークプログラムなどとして活用されています。

・企業・法人

 多くの企業・法人で取り入れられています。福利厚生活動としてはもちろん、社員研修として、ストレスマネジメント・課題解決・能力向上プログラムなどとして活用されています。

・教育機関

 小中高校などの教育機関はもちろん、刑務所やダルク(依存症矯正施設)などで取り入れられています。身体機能、集中力や心の安定の向上として、またレクリエーションとしても活用されています。

6、まとめ

 今回はヨーガ療法について、他のヨガとの違いや、その効果、どのようなことをするのかなど、具体的な解説をしました。近年、注目を浴びているヨーガ療法について、少しでも興味をもっていただき、日常に取り入れていただけたらと思います。

 読んでいただきありがとうございました。

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