
うちの小さじスプーン
この間、なんとなく料理の本を見ていて、驚いたことがある。
それは、小さじ1杯が5mlだということ。
「常識やん」と思われるかもしれないけれど、だって、うちの小さじスプーンは1杯が2.5mlなんだ。
小さい頃から今の今まで、うちの小さじはずっとこれ。

いつから5mlなの?
信じられない。
世の基準と私の基準がズレていたなんて。
*
前のカウンセラーさんに、よく「あなたの基準は今のあなたに合っていないんじゃないか」と言われた。
当時はピンと来なかったけど、今はわかる。
私は未だに、病気以前のものさしで物事を見てしまう。
毎日学校や仕事に通うこと、普通のことだと思っていた。
でも今は、ちゃんとした食事を取るとか、家事をするとか、清潔を保つとかの生活で精一杯で、時々取りこぼす。
“これくらいできて当たり前”
その基準は、できなくなった今、ひどく負担になっている。
“みんなできるのに”
“この程度のこともできないなんて”
自責で苦しくなる。
だから、ものさしを自分に合わせたい。
基準を下げると思うと悔しいけれど、基準を合わせると言うと、私は納得できるかもしれない。
基準は一律だと思っていた。
でも時と場合によって、地域によって、人によって、動く。
私は今の私に合った基準で物事を見られると、もう少し楽だろう。
“食事の用意ができてえらい”
“お風呂に入って頑張った”
最近はそう思うようにしている。
コウペンちゃん並みに自分に優しくなってもいいんじゃないかと思う。
「コウペンちゃんを心の中に住まわせるといいよ」と言ったのは、今のカウンセラーさん。
*
ちなみにずっと2.5mlの小さじを使っていても、味が薄すぎると思ったことは一度も無かった。
私は私の舌に合わせて、これからも2.5mlの小さじスプーンを使い続けよう。
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