
エスプレッソへの誤解と本場イタリアでの嗜まれ方
エスプレッソエンジニアのMarkです。
エスプレッソに対する印象を聞くと、返って来るフィードバックで悲しいことが多々ある。
大体の日本人の感想がこれだ、
濃くて、苦くて、きつくて飲めない。カフェイン強そうで心配。カップが小さいから量が足りない。
エスプレッソをどうやって飲むか聞いたところ、そのままストレートで飲む事が普通と理解している事が多い様だ。どうやら楽しみ方は未だ消費者に浸透していない。
そもそも、ドリップを標準とした考え方からすると、エスプレッソは濃縮された原液だし、それが小さくて濃厚なのは当然だ。
今回はこのエスプレッソに対する誤解の背景と、楽しみ方を解説する。
本場イタリアのエスプレッソの楽しみ方
通常、エスプレッソの産みの国であるイタリアでは小さなカップにドバッと砂糖をぶち込み、スプーンでグリグリカップ内を回しながら嗜む事が多い。
こうすることで、カップ内のロースト感や複雑な香りが一気に花開き、デザート感覚で楽しむ事ができるのだ。
まさに、世界無形文化遺産の候補にも上がったの理由はこれだ。

エスプレッソの原液をそのまま飲むのは、日本伝統の天然調味料である「出汁(原液)」を直接飲む事に等しい。もちろん、カッピングや製品品質をチェックする際はエスプレッソ原液を飲んだ方がいいが、普通消費者はしないだろう。
実際にエスプレッソをどうやって楽しむか
10月3日の投稿「エスプレッソの楽しみ方」でも共有したが、日本で最も多いのがミルクをベースとした飲み方。
代表とされるのが、ラテ、マキアート、カプチーノ等はお店で結構提供される製品の一例。砂糖を入れる方も飲み方のひとつだ。

筆者のおすすめは、少量のミルクだけをエスプレッソに注ぎ込んだマッキャート。スタバでは提供してくれないので、説明してオリジナルで作ってくれることになるが、ミルクを最小限にしてエスプレッソ濃厚クレマを比較的そのまま楽しめる。超濃厚のクリーミーな味わいが特徴だ。是非試してほしい。

エスプレッソは複雑で奥深い
他にもエスプレッソへの誤解の理由はたくさんあるだろうが、過去に何度か、エスプレッソ原液を直接飲む考えに至った経緯をコーヒー好きに聞いた事がある。
一番多かった回答は、「知らなかったから(お店も教えなかった)」であった。その他に、砂糖入れると「体に悪そう」や「ブラックコーヒーと同じように豆本来の味を楽しめるから」と言う回答もあった。
珈琲豆本来の味を楽しむ目的に関しては、エスプレッソベースのドリンクに関してはちょっと目的が違うと思う。最近流行りのシングルオリジンのコーヒーは浅煎りが多く、豆単体の味や香りを重視する。エスプレッソは、重厚感あるクリームを出しつつも、飲む前から後までの香りや余韻に重視を置いている。つまり複雑なのだ。

事実、エスプレッソは砂糖を入れたり、別のドリンクに派生させやすい特徴を持っている。世の中のエスプレッソは専用に設計された豆が主流で複雑な特徴がある。
話に戻るが、昨今流行りのシングルオリジンと同じ楽しみ方をするとエスプレッソはその複雑性と奥深さを生かせない。
消費者の方は是非、自分の好きなエスプレッソドリンクを開拓してみてほしい。
次回お楽しみに!