人間の脳はナマケモノだった!
私達の先延ばし行動が、脳が出す指令によるものなのは、言うまでもない。
そして、興味深いのは、面倒なことを後回しにしたくなるのは、むしろ人間の脳にとって、正常な働きだということ。
それはなぜか。
そもそも、人間の脳は怠け者だからである。
私達の脳は非常に優秀だが、一方でできるだけエネルギーを使いたくない。
すぐに楽をしたがったり、すぐ休もうとする偉大な怠け者なのである。
人が何かにつけて、易きに流れるのは、こうした怠け者の脳のせいでもある。
私達の脳の機能を、ものすごく大雑把に分類すると、
①大脳辺縁系にある体をコントロールする運動系
②大脳辺縁系にある好き嫌いや快・不快などを司る感情系
③前頭葉にある思考や理性、意欲などを担う思考系
の3つに分けられる。
これを見ると、ヤル気を担当しているのは、前頭葉。
前頭葉がしっかり機能していると、やるべきことにしっかり注意を向けて、それに取り組むことができる。
逆に前頭葉がちゃんと機能しないと、やるべきことを前にしても、「やらなきゃ」と自分を律する思考や理性が働かない。
そのため、好き嫌いや快・不快といった本能的な感情に流されて、すぐ行動を起こしにくくなる。
このように先延ばしグセとは、ヤル気の前頭葉と誘惑を最優先する辺縁系とのせめぎ合いで、辺縁系が優位に立った時に、起こる行動と言う事もできる。