名作が名作じゃなくなる日
子どもの頃、映画「砂の器」を見た。
らい病(ハンセン病)が分からなくて、母に質問したけど、やはりよく分からなかった。
戦後まもない頃を舞台にした小説には、どうしようもない殺人犯が出てくる。
時代背景から、環境から、這い上がれない。
犯罪を犯さざるをえない背景が出てくる。(もちろん本人の責任もあるが)
砂の器は、らい病が出てくる。
(らい病からハンセン病に名称が変わったらしい。)
感染する病気は怖い。
でもそれに振り回された人間の感情はもっと怖い。
どんなに才能があっても、親が病気だった、そのせいで放浪していたことが分かると差別されるだろう。
時代が流れると、理解できないことが生まれてくる
小学生の頃、愛読雑誌は「ぴょんぴょん」だった。
(「ちゃお」に吸収されたので今はない)
その中で、若草物語が連載されていた。
三女のベスがしょうこう熱(猩紅熱)で死にかけのシーンが出てきた。
母に「しょうこうねつってなにー?」って聞いたら、なんか色々教えてくれたのだけど、唯一覚えているのが「お母さんの同級生はしょうこう熱で亡くなった」だった。
これが肺炎とか今でもあるものだったら納得がいったと思う。
(しょうこう熱は今は抗生物質で治るらしい。)
ハンセン病も、正直わたしには理解できないものである。
イメージはできるけど、体感がない。
砂の器は名作だと思う。
でも、病気による迫害がベースにあるため、いつか理解できない作品になるかもしれない。
名作が、名作じゃなくなる日は来るのかも。
でも、松本清張作品は、何度ドラマ化されても見てしまうんだよなぁ。
犯人知っているのに、毎回ハラハラして見ている。
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