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【タンパク質とは】体内で働く精密マシン
肉・卵・大豆・乳製品といえばタンパク質ですよね。
最近では筋トレする人以外にもプロテインを飲む人がいるようですが、プロテインも日本語で言えばタンパク質です。
これらタンパク質っていったいどんなものなんでしょうか?意外と名前しか知らないという人は多いのではないでしょうか
栄養や健康という観点では素人なのでそこには深入りせずに、この記事では物質の観点からタンパク質を文字通り紐解いていきましょう
タンパク質は生物が生み出すナノマシン
タンパク質といえば、私たちの体に重要な栄養素の1つです。そして同時にとても興味深い機能を持った材料としても知られています。
タンパク質は次世代のナノマシンと呼ばれる?ぐらい複雑な構造と面白い機能を持っています。まずは真面目な科学の話に入る前に少しだけ夢のある話をしてみましょう。
タンパク質は私たちの体の中で働く数ナノメートルの目には見えないサイズの物質で、わかりやすいところだと皮膚や筋肉から神経伝達物質や酵素まで幅広い種類があります。
ナノマシンといってわかりやすいところだと、糖を分解する酵素アミラーゼや酸素を輸送するヘモグロビンなどが挙げられます。
複雑な構造を持ったタンパク質は糖分子を切断したり、特定の場所で酸素分子を吸着・放出したりと、まさにナノの世界で正確に動く機械のような働きをします。
この動画を見てみるとタンパク質がまさにナノマシンと呼ばれる所以もわかるかと思います。私たちの体の中では日々絶えずタンパク質が動き回って仕事をしているんです。
本当(科学的な意味で)にナノマシンかどうかは置いておいても、比喩としては十分ナノマシンやナノロボットといっていいでしょうね。
アミノ酸とは
そんな、タンパク質はアミノ酸がつながってできた物質です。みなさん名前は聞いたことがあると思いますが、アミノ酸といえば重要な栄養素の1つですよね。
私たちの筋肉や皮膚などは元をたどれば20種類のアミノ酸でできています。中には体内で作り出すことができず、食べて摂取する必要があるものもあり、これらを必須アミノ酸と言われます。
そうは言われてもあまりピンときませんよね。普段の生活で、今日はこのアミノ酸をどれだけ摂取したぞ!なんて考えないですもんね。
とりあえず、ここでは簡単にアミノ酸を紹介しましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1684053430778-kBXsY2GcuK.png)
アミノ酸は上のような分子式を持っており、Rになっているところにいろいろな原子・分子が結合します。
たとえば、Rに水素(H)が入るとグリシン、CH3が入るとアラニンと呼ばれるアミノ酸になります。ちなみにうまみ成分のグルタミン酸もアミノ酸の一種です。
このようなアミノ酸が互いに手をつなぎ(ペプチド結合)数珠つなぎになったものをペプチドといいます。
ペプチドとは
タンパク質の吸収の際に一瞬で来たペプチドですが、これは複数のアミノ酸がペプチド結合によりつながった物質です。
![](https://assets.st-note.com/img/1684183173032-ctwxhbEApJ.png)
ざっくりと言ってしまえば、タンパク質ほど大きくないアミノ酸の塊といったところでしょうか(厳密には違うかもですが、雰囲気こんな感じです)。
2つのアミノ酸がくっついたものをジペプチド、3つのアミノ酸がくっついたものをトリペプチドといい、大量のアミノ酸がくっついたものをポリペプチドといいます。
さらにペプチドのサイズが大きくなり、集まりアミノ酸の数が数百つながりひものようになった高分子をタンパク質といいます。
巨大な分子であるタンパク質をそのまま吸収するのは難しいですが、分子量のそこまで大きくないペプチドの状態であれば私たちの体は吸収することができます。
タンパク質とは
タンパク質はアミノ酸でできたひもが折りたたまれて(フォールディング)、特殊な機能を発揮します。タンパク質の一つ一つのアミノ酸を描いているとわかりにくいため下の図のように簡略化した絵で表現します。
![](https://assets.st-note.com/img/1684183282072-BMLGzUOoAq.png)
この折りたたみは非常に重要ながらも、解くのが難しい問題として有名で多くの研究者を悩ませてきました。最近ではAIを使ってこの問題の解決の糸口が見えたなんて話もあります。
このタンパク質は体の中で様々な働きをして大事な物質を作ったり、運んだり、はたまた筋肉に作用して私たちの運動にも関与しています。筋肉を構成するコラーゲン自体もタンパク質です。
また私たちが恐れがちなウイルスもタンパク質の殻を持った物質です。
その機能は冒頭にも述べた通りで本当に様々な能力を作り出すことができる夢の物質といってもいいでしょう。
最近では生物学的・医学的な立場からだけでなく、ナノテクノロジーの文脈でもその活用が期待されています。
このnoteでもこれまで何度か紹介してきましたが、タンパク質を使って目には見えないモノづくりをしようという研究も数多くされています。
間違いなく今後もタンパク質の注目は上がっていくことでしょう。
最後に
今回は、簡単な概要としてタンパク質を紹介してみました。
高校化学の最期の方でアミノ酸を習ったときは、とりあえず名前を覚えるのに必死で、全然面白くなく、ましてや栄養に関しては習った記憶もほぼありません。
でも、その当時からタンパク質というのはナノサイズの柔らかいロボットのような働きをして私たちの体の中で様々な機能を司っていると習ったら見方が少し違っていたかもしれません。
そんなタンパク質の面白さが少しでも伝われば嬉しいなと思います。
最近見つけたこのYoutubeでは医療や栄養にか関わる基礎知識を学ぶことができます。タンパク質についてもわかりやすく説明しているので、興味がある方は是非一度見てみてください。