【体の中の結晶】耳石とは:バランスを司るセンサー
これまで、私たちの体は自然に結晶を作っているという話を紹介してきました。骨や歯、尿路結石や痛風の原因も結晶によるものです。
実は、私たちの耳の中にも結晶があることをご存じでしょうか?
その結晶は耳石と呼ばれ、平衡(バランス)感覚を司るセンサーにもなっているようです。
今回はそんな耳石について紹介したいと思います。
耳石とは
耳石(じせき)とは、動物の耳の中にある炭酸カルシウムの小さな結晶です。
有名なものではイシモチという魚がいます。名前の通り耳に大きな”石を持っている”からイシモチらしいです。
https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%81より引用
どうやら調べてみると、イシモチというのはある特定の1種をさすわけではないようですね。(奥が深い)
この耳石の原料は、炭酸カルシウムでできており、主にアラゴナイトと呼ばれる結晶です。アラゴナイトというと貝殻の主成分の1種でもあります。
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/suishin/ziseki.htmlより引用
ちなみに調べてみると、魚の耳石は3種類あるらしく、厳密にはもっと複雑なようですね。
さらに面白いことに、耳石は木の年輪と同じように日に日に同心円状の模様が形成されるため、魚の年齢を調べたりもできます。
そして、私たち人間も耳石を持っており、これがバランス感覚をつかさどり、時にめまいの原因になったりするそうです。
平衡感覚センサー
バランス感覚と耳に関係があるという話は聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?でも実際、どうやって平衡を感じているのかは、わからないですよね。
ネットで拾った画像ですが、このイラストが非常にわかりやすいと思います。
どうやら、耳の内部に、神経につながる感覚毛という器官の上に目には見えないぐらい小さな耳石がたくさん乗っているようです。私たちが動くと、この耳石も動きそれを感知して、自分がどんな姿勢になっているのか感じ取ることができます。
そうやって考えるとかなり精密にできたセンサーですよね!生まれてから今まで気にしたこともありませんでした!
耳石は膜に覆われているため簡単には落っこちないようですが、何かの拍子に落っこちてしまうと、私たちはバランス感覚を失い、めまいの原因になったりするそうです。
耳は音を聞く以外にも非常に重要な器官だと分かりますね。
最後に
調べてみると、結構いろんなことがわかっているんだな~と感じましたが、結晶成長の専門家はいまだに耳石のでき方の研究をしています。
生き物の体内でできる結晶(バイオミネラル)は非常に面白い研究対象であり、耳石自体いまだにわかっていないことが多々あるようです。
というのも、バイオミネラルに形成にはタンパク質が影響します。このタンパク質がとてもたくさん種類があり、どのように作用しているかが肝になるようです。