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【ハーゲン・ポアズイユ流れ】難しい専門用語簡単に説明してみる
ハーゲンと聞くと、99%の人が高級アイスクリームのハーゲンダッツを思い浮かべるでしょう。
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今回紹介するのは、おいしいアイスクリームではなく、流体についての物理現象ハーゲン・ポアズイユ流れです。
なんか難しそう!って思ってページを閉じる前にもう少しだけ読んでもらえたら嬉しいです。
ハーゲン・ポアズイユ流れとは
聞きなれない名前ですが、ハーゲン・ポアズイユ流れというのは名前に流れとつくように流体の特別な流れのことを言っています。
というのも、流体の流れというは非常に複雑なので、計算で簡単に求めることができないという世界なんですね。一方、このハーゲン・ポアズイユ流れというのは数少ない計算することができる流れなんです。
そもそも、そんなものを計算して何になるの?と思われる方も多いでしょう。実はハーゲン・ポアズイユ流れは様々な領域で使われる流体の現象であり、多くは水道管や工場の配管といったパイプの中を流れる液体の流れを考えるときや血管内の圧力や血流量の計算に使われます。
ハーゲン・ポアズイユ流れとは、配管や血管といった管を流れる粘性をもつ流体が滑らかに流れるときの特徴を表しているんです。具体的な特徴って何?となると思うので、ここでは簡単に紹介しましょう。
実際に考えてみよう
わかりやすく血管を例にしてみましょう。例えば、ある血管の血流量を知りたいとします。この時、血管の太さ(径)と長さ、血液の粘性、そして知りたいエリアの血圧の差がわかれば、血流量がわかるんです。
この関係式がハーゲン・ポアズイユの式です。このnoteでは一切計算式を使わずに簡単に紹介するのがポリシーですので、今回も数式は出しません。興味がある方はググるとすぐに出てくるのでググってみてください。
ここでは血管の血流量について取り上げてみましたが、一般的には工業の配管の圧力や流量を計算するときに使われています。要はどのようなサイズの配管を用意すれば、どのくらいの流量が流れるとかそういったところが計算だけでわかるわけですね。
ちなみに、ハーゲン・ポアズイユの式を見るとわかるんですが、配管の径(太さ)が2倍になると流量は16倍になります(径の4乗に比例)。かなり大きな変化ですよね!
また、ハーゲン・ポアズイユ流れでかなり重要になってくるのは、最初の説明で書いた滑らかに流れるとき(層流)という条件です。流体の流れには、大きく分けて層流と乱流があります。
乱流というのは名前からわかるように乱れた流れで、計算がとんでもなく難しくなるそうです。というか簡単には計算できないと思います。
そのため、ハーゲン・ポアズイユ流れでは滑らかな流れである層流を前提としているわけです。
そして、この層流か乱流かを調べるためにはレイノルズ数という数を計算すればわかります。次から次へとわかりにくい言葉が…と思われるかもしれませんが、このレイノルズ数は流体の世界ではとても重要な数なんです。
当然、レイノルズ数の計算にも式が出てくるので、簡単に紹介しておくと、流体の速度、配管の直径、動粘度がわかれば計算することができます。こちらの方がハーゲン・ポアズイユの式よりもずっと有名ですね。
興味がある方は是非検索してみてください。わかりやすい記事がネットにはたくさん転がっていますので
最後に
今回は、ほとんどの人が聞いたことがないと思われるハーゲン・ポアズイユ流れについて紹介してみました。
私は物理屋なので名前は知っていましたが、改めて勉強してみました。層流であれば適用できるというのは非常に汎用性が高くて様々な応用が効きそうだなと感じました。