【読書note】藤原行成『権記』(角川ソフィア文庫)
■【読書note】始めます。
えりたです。
私は年間250冊ほどの本を読んでいます。毎日さまざまな本を読むなかで、「ぜひ紹介したい!」と思う作品にもしばしば出会います。そこで、この【読書note】では、そんな本たちをくわしくご紹介していこうと思うのです。
紹介するジャンルは、古典文学とされる作品や、人文系の書籍です。
私自身、「このジャンルが得意!」というより、寧ろ、「どのジャンルでも楽しく読める!」タイプの活字中毒者です。そのため、「このジャンルを突き詰めていく!」という書き方ができません。であるならば、新しいものから、以前に出たものまで、私が心から楽しいと思いながら読めた本たちをご紹介したら楽しいのではないかと思うのです。
そんな「大好きだ!」と心からおすすめしたい本たちを定期的にご紹介します。ぜひぜひ、お付き合いくださいませ♪
■というわけで、今回の本は
今回ご紹介するのは、藤原行成『権記』(角川ソフィア文庫)です。
角川ソフィア文庫では、『権記』に著されている印象的なトピックを厳選し、「現代語訳+書き下し文+訓読文+解説」の形で掲載しています。
ですから、「漢文は苦手!」という方も、まずは「現代語訳」と「解説」を読んでいくことで、書かれている内容を知ることができます。また、余裕のあるときに「現代語訳」を中心にして漢文を読んでみると、漢文ならではのおもしろさを体験できるのではないかと思うのです。
というわけで、ご一緒に『権記』の世界へ分け入っていきましょう。
■藤原行成について
■突然の抜擢に花開く青年期
藤原行成は、972(天禄3)年に生まれ、1028(万寿4)年に没した平安時代中期の貴族です。
もともとは、摂政太政大臣伊尹の孫であり、九条流藤原氏の嫡流の出ですが、祖父伊尹は行成の生まれた972年に、父はその2年後に亡くなってしまい、そのまま一家は没落します。つまり、行成は幼い頃に出世に不可欠な後ろ盾を亡くしてしまったのです。そのため、青年期までは不遇を託つ日々を送りました。
行成に運が向いてきたのは、995(長徳元)年です。この年、前任者である源俊賢の推挙を受けた行成は、一条天皇の蔵人頭に抜擢されます。このあたりは、『大鏡』にも次のような逸話が語られています。
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