■今ここにある「差別」から目を背けずいること―『看護師に「生活」は許されますか』
第1波がやってきていたある日、
私はひとりで名古屋城にいました。
いつもなら、観光客で賑わい
武将さまが陣笠さんを従えて闊歩し
其処此処に
楽し気なざわめきが漂う名古屋城。
でも、そのときお城にいたのは
私ひとりでした。
桜の咲き始めたお城を歩いていると
いつもは天守閣の屋根に屯している
カラスたちが我が物顔で城内を闊歩しています。
その光景を見ていると
通い慣れているはずなのに
初めて訪れたような錯覚に陥りました。
そして、
時間も空間も歪んでしまったような
そんな困