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真夏の停電事件簿。



夏休みの、とある平日の昼下がり。その日、私は仕事が休みで、子ども達も在宅だった。夫は仕事に行っている。

娘(中1)は自分の部屋で昼寝中(部活後でお疲れ)。息子(小3)は私の新しいパソコンでマインクラフトをしている。私はというと、最近入手したたくさんのトレカを撮影し、交換すべく準備をしていた(推し活)。

外は猛暑なので、用事がない時は室内でそれぞれ自由に過ごしている。冷房の効いた部屋は、本当に快適だ(去年とは大違い)。


…それは、突然の出来事だった。

「ヒュ~ン。」

なんだか頼りない音がして、家中の電気が一気に消えた。クーラーも止まった。

ーーえ、停電?

息子と顔を見合わせる。昼間なので、暗くなることはないが、なんだか不気味だ。娘も異変に気付いて起きてきた。

ニュースでは、夕方ゲリラ雷雨かもと言っていたが、まだ雨雲が登場する気配はなく、ギラギラと太陽が大地に降り注いでいる。なので、雷の影響もなさそう。

玄関のブレーカーを見に行く。落ちていない。トースターとケトルと電子レンジを一度に使った時に起きる、電力使い過ぎでブレーカーが落ちるやつでもないようだ。


ーーえ、何事?

同じマンションのママ友にLINEしてみる。

ーー停電してる?

「してないよ。」

ーーえ、うちだけ?

「多分ね。」

返信が早くてありがたい。

エレベーターを見に行くと、通常運転しているし、ご近所さんのインターホンにも小さな赤いランプが付いている。停電しているのは、本当にわが家だけのようだ。

ーーなぜにー?

この猛暑での停電は痛い。とりあえず、冷蔵庫は開けないようにしようと子ども達と話す。ブレーカーも落としておく。

スマホの充電、70%、まずまずだ。トレカ交換している場合ではない。

理由が分からないので、管理人のおじさんに尋ねに行く。こういう時、すぐに相談できるというのはありがたい。

管理人さんに状況を話すと、「そんなことは初めてだ。」と言われる。そうか、前例がない非常事態なのか。

すぐに、電力会社に電話してくれた。電力会社は、マンション全体で同じ会社に契約しているのだ。事情を話してもらうと、私に代わるよう言われ、受話器を受け取る。契約者の家族だと確認された。

すると、電力会社のお姉さんから、衝撃のセリフが飛び出した。

長い間、ご契約がありませんでしたので、本日、送電を停止させていただきました。」

淡々とお話しされるお姉さん。


送電を停止??

一瞬、何の事か分からなかった。ドラマとかで見るあれだ。料金滞納のために、電気とか水道止められちゃうやつ…?


ーーえっ?!うちがですか??

お姉さん「左様でございます。」


左様でございますかー。


説明してもらうと、実は、こういうことだった。

・今年3月までの2年間、マンションを不在にしていた(札幌に一時移住)。

・電力会社との契約を解除。←覚えていない

・その間、賃貸としても部屋を利用していなかった。

・札幌から戻った際、管理人さんより、電気は一括で契約しているから、電力会社には連絡しなくて大丈夫、と言われる。←鵜呑みにする

・でも、実際は契約を解除したままだったため、本日送電が中止された

住んでいなかったとしても、送電しているため、基本料金は払い続けなければいけなかったそうだ(知らなかった…)。

ガスや水道は止められたので、同じ感覚でいたけれど、そうか違ったのか。

再契約していないため、戻ってきてから無断で電気を使い続けていたということになる(申し訳ありません)。


不在中の基本料金と、戻ってからの使用料も含め、なかなかの高額を次回支払うことになるそうだ。

いや、仕方ないのだけれどね。でも、謝罪した後、一応聞いてみた。

ーーあの、すみません。支払いの分割って、できますでしょうか??

お姉さん「いえ。一括でのみのお支払いとなります。」


ーーそうですよね。承知いたしました。


往生際の悪いやつだと思われたに違いない。



何はともあれ、原因が分かり、すぐに再契約して、送電再開してもらえることになったのでよかった。管理人さんも、契約解除を把握してなくてごめんね、と言ってくださった。いやいや、こちらの確認不足ですよね、お騒がせしました。

でも確かに、マンション全体で契約してるんだから、送電停止する前に管理人さんに確認とかないのかね、とはちらっと思ったりもした(だって急だったからびっくりするじゃん)。たくさんの物件を担当されているから、そんなこと難しいのかもしれないけれど。払ってなかったくせに、すみません。


後から考えると、今回の送電停止という名の停電、たまたま私がうちにいる時間帯でよかった!子ども達だけで留守番の時だったら、と思うとヒヤッとする。でも、管理人さんのところには息子も連れて行ったので、困った時はこうするんだよ、という実践にはなった。

それにしても、こんな猛暑日に停電とかしたら、本当に大変だ。でも、事故や災害だとそういうこともありうる訳で。こういうハプニングがあると、やっぱり備えは必要だと改めて思う。



無事に送電が再開され、電気もクーラーも復旧したわが家。あー、快適。


子ども達がそれぞれ、こんなことを口にした。


娘「電気ってありがたいね。」

うんうん、そうだよね。


息子「ちゃんとお金払わなくちゃ、電気って止まるんだね。」

左様でございます。



親子共に世の中のしくみを勉強した、真夏の出来事なのだった。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

引越しの手続きって、リスト作って実施してるのに、何かと抜けがあるんですよね…。でもそれだけ、たくさんの方々に支えられて生活してるってことですね。いつもありがとうございます。





***2024/8/12追記***

ありがとうございます~

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