「女性ヘルスケア」って「フェムテック」だけじゃない 女性の血糖コントロール、というテーマもある
年明け2月に東京ビッグサイトで開催される展示会「健康博覧会」と、当社「ウーマンズ」とのタイアップ企画で「フェムテックゾーン」を開設ーー。
という企画を絶賛進行中ではあるのですが、昨今のフェムテックブームに「うーん…」と思うところもあります。
日々、業界ニュースや一般ニュース、業界の方々との情報交換などを通して思うことは「女性ヘルスケアって、フェムテックだよね!」と極端な偏りになってしまっていることです。
でもって「フェムテック=生理、妊娠出産、更年期、セクシャルウェルネス、フェミケア」という図式が、暗黙の了解で出来上がってしまっているためか、女性ヘルスケアは以下のような捉えられ方をしているように思います。
「女性ヘルスケア」=「フェムテック」=「生理、妊娠出産、更年期、セクシャルウェルネス、フェミケア」
でも。女性ヘルスケアって当然、それだけじゃないんですよね。当社ウーマンズでは来週、次のイベントを開催します。
「女性患者の血糖コントロール」って、「フェムテック」と比較すると、一気に地味になる感は否めないですが、国内の糖尿病有病者は1,000万人、糖尿病予備軍は1,000万人で、合計すると糖尿病患者数は2,000万人(男女合計)にものぼるので、例えばですが、糖尿病という疾患/性差医療に関しても、もっと私たち企業人は関心を高めるべき領域です(以下図出展:令和元年国民健康・栄養調査報告,厚労省)。
欧米では一般疾患の症状や治療法の男女の違いに着目したフェムテックのプロダクト開発に向けた研究に関心が高まっているように、治療や支援は(身体的性別としての意味での)男女で分けて考えるべきことです。でも、国内のフェムテック市場では、そういった重要疾患への興味関心は非常に薄い…というよりも完全に見落とされている気がしてなりません。
ちなみに。来週開催のイベントでは早速、薬剤師さんや管理栄養士さんといった多職種の方々にご参加お申込みくださってるのですが、「現在あなたが、女性患者・不調者の血糖コントロールや女性のヘルスケアにおいて感じている課題は何ですか?」と質問したところ、以下をご回答頂きました。
・妊娠やホルモンバランスの崩れからも来る糖尿病や、婦人科系疾患に対し、栄養面と血流改善(血管の柔軟性も含めて)が課題と感じています。
・食事指導の血糖コントロールにおいて性別の摂取量の差はあるが女性ホルモン影響については考えられていない。
・不規則な食生活の女性が子どもを持ったときに、子どもへの食の影響。少食、偏食、体型や食の嗜好への影響。
フェムテックが盛り上がっているのは、もちろん、長年「女性ヘルスケア」をテーマに事業を行ってきている当社としても大変うれしく、心強い動向なのですが、フェムテックがどこか、“華やかなお祭り騒ぎ的”になっていて、本来目を向けるべき、もっと重要なことーーーそれはまさに、上記でご紹介している3つのお声に代表されるように、こういった「重要疾患の性差」といった部分についても、ちゃんと私たち業界人は目を向けていくべきって思ってます。
(そんな想いもあり、年明け、東京ビッグサイトで開催するフェムテックゾーン企画は、多種多様なテーマのフェムテク/メドテック関連企業様にご出展頂きたいと思っていて、日々個別にお誘いをさせて頂いているところです。「フェムテックに求める健康悩みは何か?」という質問に対する以下の回答ランキングは今後、フェムテック領域への参入・新規開発を検討している企業様にとっては役立つ内容かと思います。)
1位:運動・食事・睡眠等の生活習慣管理に関する悩み(41.2%)
2位:精神的ストレス(40.8%)
3位:更年期・年齢を重ねて生じる女性ホルモンのゆらぎによる悩み(40.3%)
4位:ダイエット等の体型管理に関する悩み(37.0%)
5位:乳がんをはじめとする女性特有の疾病の予防・早期診断(34.0%)
6位:月経・生理にまつわる身体的な悩み(32.7%)
7位:月経・生理にまつわる精神的な悩み(27.0%)
8位:乳がんをはじめとする女性特有の疾病の治療(25.4%)
9位:将来、妊娠を望んだタイミングで妊娠できるかという悩み(19.4%)
10位:育児のうち子どもに関する悩み(13.8%)
11位:妊活(いま、またはごく近い将来に妊娠を希望している)にまつわる悩み(12.7%)
12位:育児のうち自分に関する悩み(11.5%)
13位:出産・産後・母乳にまつわる悩み(10.5%)
14位:不妊治療にまつわる悩み(8.6%)
15位;避妊にまつわる悩み(6.7%)
16位:その他(4.9%)
(調査:SOMPOひまわり生命保険)
というわけで……!来週の「ウーマンズ・ミートアップ!多職種連携カイギ」は「女性患者の血糖管理」をテーマに、ご参加者様同士でディスカッションを繰り広げます。多職種関連の方々(看護師、薬剤師、医師、介護士、作業療法士など)、そしてそういった方々のディスカッションを聞いてみたいという企業の方々のご参加をお待ちしております。