![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70323194/rectangle_large_type_2_fc26dfe9f61ff2ad4cb4030c54ed012a.jpeg?width=1200)
信じることを忘れずに
マーク医師は有名な癌の専門医です。
彼は医学研究の分野で賞を授与されることになっていました。
そのため、授与が行われる別の都市に飛行機で向かっていました。
ところが、飛行機が離陸して2時間後、技術的なトラブルで緊急着陸するという事態が発生しました。
すぐに航空会社のカウンタ-に行ったところ、次の便は10時間後だというので、レンタカーを借り、会場へ出発しました。
しかし、出発直後から天候は一転し、激しい雨が降り始め、雨で視界が悪くなったため、彼は曲がるべきところを曲がらず、2時間ほど走った後にやっと自分が道を間違えたことに気づきました。
大雨の中、長時間視界の悪い道を運転してきてので、空腹と疲労を感じ、彼は休むことが出来る場所を探し始めました。
しばらくして、小さなボロ家を見つけました。
あまり期待できずに、車を降り、ドアをノックすると、一人の女性がドアを開けてくれたので、彼は、
「電話を貸していただけませんか?」と頼むと、
女性は「ごめんなさい。電話はないんです。でも、中に入って天気が良くなるまで待ったらいいですよ。」と親切に答えてくれました。
お腹も減ったし、雨にも濡れたし、疲れたので、彼はありがたく彼女の申し出を受けて、中に入りました。
女性は熱いお茶とお菓子を差し出して、「一緒にお祈りしましょう。」と言いましたが、
彼は「僕は努力することしか信じないよ。」と微笑みながら答えました。
テーブルでお茶を飲みながら、彼はベッドサイドで祈る女性を薄いろうそくの光の中で見ていると、この女性が助けを必要としていることに気づき、祈りが終わってから、彼女に尋ねました。
「あなたは神様に一体何を望んでいるのですか?
それに神様はあなたの祈りに耳を傾けてくれると思っていますか?」
女性は悲しげな笑みを浮かべて答えました。
「 ベビーベッドで寝てる赤ちゃんは私の子で、稀な癌に侵されています。
この子を治療できるマークというお医者様が一人いるのですが、私にはお金がありませんし、マーク医師は他の街に住んでいるのです。
神様はまだ私の祈りに答えてはくれませんが、きっと助けてくださると信じています。
そして、私の信仰は誰にも壊されることはありません。」
唖然として言葉を失った彼は、ただただ涙を流しました。
そして、
「神は素晴らしい!」
と囁きました。
彼は、今日自分に起こったすべてのことを振り返りました。
「飛行機が途中で緊急着陸して、空路では目的地に行けなくなったから、陸路で行くことになったこと。
豪雨で道に迷ったこと。
これらすべてが起こったのは、神が彼女の祈りに答えてくれただけでなく、彼に物質主義的な世界から抜け出す機会を与え、決してあきらめないで祈る貧しく不幸な人を助ける機会を与えてくださったからだったんだ・・・」