気のせいかな
私の行く公園には、日によってだけれど、すごくいい匂いを放出してくれる松の木がたくさんある。
私は公園に行くと、あることをする。
日本に行く前と戻ってきた時、仕事で、頻繁に長距離出張をする前と戻ってきたときに、
「行ってきます。また、戻ってくるので、守っててください。よろしくお願いします。」「ただいま、無事に帰ってきました。ありがとう。」と言ったり、
私にいいことが起きそうなとき、
「こんなことが起きそうなので、実現しますように、よろしくお願いします!」とお願いしたり、
私にいいことがあったら、
「最高に嬉しいです。いつもありがとうございます!」と言ったり、
誰かの体の具合が悪い、病気だと言うことを知ると、
「あの人の身体が良くなりますように!」とお願いしたり、
私に心配事があって、どうしようもない時には、
「こんなことは絶対に起きないと思うので、力を貸してください!」とお願いしてた。
話していた相手は一本の松の木。
その木にハグしながら話していた。
いつも、周りに人がいないのを確認してから、ハグしてたけれど、たまに誰かに見られて、「何してるの?」と言われたりして、何となく、恥ずかしかった。
きっと、その人は何も知らず、「変な東洋人が木をハグしてたぞ~!」と、家族や友達と面白そうに話してるんだろうなと思ったけれど、
最近になって、やっと木をハグすると身体に良いと言うことがこちらでも知られてきて、たまに、ハグしている人を見かけるようになった。
2019年12月に、治療のために、母をこっちに呼び寄せた。
その月は治療に行ったりすることで、時間がとられて、なかなか公園に行くことが出来なかった。
翌年2020年1月に母を連れて行って、私を守ってくれていた木を見せてあげようと思っていて、着いたら、
その松の木がバッサリ切られていた。
すごくショックだった。
10年もの間、公園に行ったらハグしていたのに・・・
何も言葉が出なかった。
その時、すぐに「何かを伝えることなのかもしれない」って、嫌な予感がした。
母には「そんなことあるわけがない。」と言われた。
偶然だったのかもしれない。
ただ単に、古い木で、強風が吹いたら、倒れる可能性があって危ないからという理由で切られてしまったのかもしれない。
数ヶ月前に上の方の枝がたくさん切られていたのは知っていたけれど、何も幹まで切らなくても絶対に大丈夫だったのにと、私は悲しくもあり、怒っていた。
妹によると、木は枝を切り落としたりするだけでも、痛みを感じるらしく、その前に、きちんと木に「切らせてくださいね。」とお願いしなければいけないのだそうだ。
日本では木を切る前にお祓いをするのに、外国ではそんなことしない。
日本では木の中に精霊や神様といった目に見えない尊いものが宿る存在と考えられていてる。
やはり日本はすごいなと思う。
なので、「切られてしまって、ごめんなさい。」と私が謝った。
母に、「もしかしたら、切られて、怒ってるかもしれないから、あまりそばに寄らないほうがいいわよ。気をつけなさい。」と言われた。
どうしても、私にはこれが何かの警告のように感じていたら、2ヵ月後の3月に緊急事態宣言が出た。
そんなことは想像もしていなかった。
ありがたいことに、母はその宣言が出る2週間前に無事に日本へ戻っていた。
あの時に、これから何か起こるから、気をつけなさいということを伝えたかった・・・
なんて、気のせいかもしれないよね。
きっと、私の妄想だね。
しつこいかもしれないけど、どうしても、私には何かを知らせたかったという、そんな気がしてならないんだ。
いつも行ったら、その切り株に話しかけている。
「今日も来れました。いつも守ってくれて、ありがとう。」ってつぶやいてる。
ハグ出来なくて、悲しいけれど・・・
今、書いていたら、何だか知らないけど、涙が出てきちゃった。