これさえ読めばOK!無国籍の子どもが暮らす「虹の学校」って?
特にタイに住んでいる日本人の中には「虹の学校」という名前を、何度か耳にしたことのある人もいるのではないでしょうか。
「イベントでグッズ販売している、あの"虹の学校"だよね?」
「子ども向けスタディーツアーをやっているって聞いたことがあるけど…」
「山奥にある学校らしいけど、一体どこにあるんだろう?」
「インスタでよく写真は見かけるけど、実際どんな子どもが通っている学校なのかな?」
こんな風に疑問に思っている人に向けて、この記事では虹の学校をわかりやすくご紹介。読み終わる頃には「誰かに教えたい!」「活動に関わってみたい!」なんて思ってしまうかも。元気な子どもたちの写真も散りばめますので、ぜひ楽しみながら読んでみてください。
どこにあるの?
虹の学校は、タイのカンチャナブリ県サンクラブリー郡に位置しています。ミャンマーとの国境にとっても近い、山奥です。
誰が、なぜ設立したの?どんな風に発展してきたの?
高知市高法寺の住職 ・玉城秀大理事長が、2008年に、当時就学機会のなかった山岳民族の孤児や貧困家庭の子どもたちのために虹の学校を設立。現地スタッフを雇用し、小規模な活動をスタートしました。
2010年に、片岡朋子さんが校長先生に就任。4年後、タイ政府公認の学習センターとして登録されました。
しかし2018年に、土地のオーナーさんから返還を求められると同時に、学習センターの登録も解除されてしまいました。急きょ仮地へ引っ越したものの、先行きが見えない中でチャレンジしたクラウドファンディング。支援者の方々のご協力のおかげでなんとかプロジェクトは成功し、新天地の購入が実現したのです。2019年に学習センター再登録も叶いました。
2023年現在は、新天地にて施設の建設真っただ中。どんな校舎が出来上がるのか…子どもたちもワクワクしていることでしょう。ここではモン族やカレン族などの子どもたち総勢約40人が、教育を受けるだけでなく衣食住をともにしているのです。
▼片岡朋子校長先生についてはこちらのnoteをぜひご覧ください。
"無国籍"って?国籍がないと、どうなるの?
「国籍がない」と聞いても、いまいちピンと来ないかもしれませんが、あらゆる事情によって国籍が持てない子どもたちは、国内外の移動に制限がかかる・パスポートが取得できない・基本的に大学進学ができない・医療保険や奨学金の対象外・大企業や国家機関への就職ができない・結婚に不利にはたらく・低賃金/重労働を強いられる…などの問題を抱えています。
当たり前のように感じていた「国籍を持つ」ということ。タイに来る時に「面倒だなぁ」と思いながら取得したあのパスポートも、あなたが国籍を持っているからこそ、手に入ったものなのです。
山岳民族の無国籍問題は、タイの国籍法や国の安全保障、タイと周辺国の政治状況、経済、人権問題などが複雑に絡み合い、解決が非常に困難な問題と言われており、2023年現在の制度では子どもたちの国籍取得は非常に厳しい状況であるのが現実です。そのような状況ではありますが、虹の学校では将来の国籍取得を見据えたサポートを継続しながら、「生きる力を育む教育」に取り組んでいます。
ここが肝心!どんな教育方針?
ここまで読んでくださった方にはぜひ知っていただきたいのが、虹の学校のこだわり溢れる教育方針!
ネイティブアメリカンに根付く「七代先のことを考えて生きる」という考え方をベースとし、経済編重・利己主義で地球を蝕むのではなく、"美しい地球を未来につないでいくこと"こそが、虹の学校の理念です。つまり、「今の自分たちだけが快適に暮らせれば良い」ではなく、「ずっと先の未来の人たちも美しい地球で暮らせるように」といった考え方。近代的な技術や都会での暮らしの恩恵を受けながらも、現代から未来に向かって大きな虹色の橋をかけることが、今を生きる私たちの使命だと捉えています。
そのため子どもたちは、伝統的な稲作、森合宿を通して学ぶ狩猟採集の生活、竹細工、伝統の機織り、言語などの学習の機会を通じて希少な山岳民族文化の保存継承に取り組みながら、持続可能な生き方を学んでいます。
さぁ、これであなたも虹の学校マスター。次のnote#3では、虹の学校を支援する方法をすべてご紹介します!お楽しみに(^^♪