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100記事後に僕は作家になる

僕は、フランスの小さな街で暮らす留学生だ。
「留学生」という言い方はいささか正直ではないかもしれない。
学生として大学には通っているが、僕の生活はおおむね気ままなものだ。

僕の住む町は片田舎の小さな町だけど、フランスではどこにいても独特の「空気感」が漂っていて、どんな場所も少しだけ物語の舞台に見えてしまう。
カフェのテラス席。古びた本屋。通りを吹き抜ける冷たい風。
どれもが僕に、「書くべき何か」があると静かに告げてくる。
ここは、僕が作家になるためのステージだと思っている。

僕は子どものころから作家になる夢を持っていた。
最初にその夢を強く意識したのは、ジョン・アーヴィングの小説を読んだときだ。
彼の物語には、独特の温度があった。
奇妙で、気まぐれで、でも確かに現実を切り取っていて。
それでいて、どこか哀愁が漂っている。

彼の本を読んでいると、自分がとても小さな存在に感じられることがある。
でも同時に、誰でもその「小さな自分」を物語に変えることができるのだと教えてくれる。
それが僕を惹きつけた。

そんな僕が今、フランスにいる理由は単純だ。
フランスという国は、物語を愛する磁場のような場所だからだ。
パリのカフェ。リヨンの石畳。
どれもが「物語を紡ぎたい」と願う人々を引き寄せる。
僕はその磁場の中で、自分を磨きたいと思った。

でも、作家になるという夢は途方もない道のりだ。
だから僕はまず「100記事を書く」という目標を立てた。
言葉を操る感覚を養い、物語を紡ぐ筋力を育てるためだ。

書くのは、日常の小さな出来事だ。
街で出会った不思議な老人の話。
カフェで耳にした、意味のわからない会話。
パン屋で並びながら考えた、取るに足らない思いつき。
それらを少しだけ誇張し、少しだけ色を足して書く。
それが今の僕の「書く」という行為だ。

100記事を書き終えたとき、僕はどうなっているのだろう?
それは僕にもわからない。
たぶんまだ「作家」と呼べるような存在ではないだろう。
でも今より少しだけ、作家に近づいているはずだ。
少なくとも、そう信じたい。

だから、僕の自己紹介に何度でも繰り返して書いておく。
僕は100記事後に作家になる。

これは記念すべき1記事目だ。
もしあなたがこんな僕を応援してくれるというのであれば、その旅路を少しだけ見守ってほしい。
どこか、あなたの一杯のコーヒーの向こうで。

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Eric 100記事後に作家になる留学生
留学生活に必要ないくばくかの資金の助けをお願いしています。もしあなたが僕の生き方を応援してくれるなら、その小さな気持ちが僕の夢を助けるでしょう。そしていつかあなたにその旅の物語を聞かせる日がくると思うから。

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