『海辺のカフカ』村上春樹 感想
私が村上春樹さんの本で1番か2番目に好きな本です。(選べなかった)
*あらすじ*
15歳の少年「田村カフカ」は、父親からかけられた呪いの言葉から脱出するために家出をし、香川に向かいます。
一方、全く別のところで、猫語を話せる「ナカタさん」は人から猫探しを頼まれながら過ごしていましたが、「猫殺し」に出会い、ひょんなことからその男を殺してしまいます。
全く別の場所で生きる2人の人生には、不思議と繋がりがあり…。
*感想*
何度読んでも、味わい深い作品だと思います。
抽象的な世界で生きています。
私は、物語の本筋にはあまり関係ないのかもしれないけど、
プラトンの「饗宴」でアリストパネスが演説した
「昔の世界は男男と女女であり、神様が刃物で半分に割って、世界は男と女になった、
人々はあるべき残りの半身を求めながら、人生を送るようになった。」
という話が、とにかく印象的で。
人間が一人で生きていくのは大変なんだよ、最良の人はどこかにいる。
励まされました。
あと、ナカタさんを見ていると、人生を丁寧に親切に生きている人は、同じような親切な人にちゃんと手を貸してもらえるんだな~とほっこりします。
何人も死んでいきますが、死もそんなに痛々しくないんですよね、想像しても、むしろ芸術に近い。
*言葉*
・君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる
・君が声を求めるとき、そこにあるのは深い沈黙だ。しかし君が沈黙を求めるとき、そこには絶え間のない予言の声がある
・緑は森の色だ。そして赤は血の色だ。
・目が覚めたとき、君は新しい世界の一部になっている。
具体的には言えないけど、明るい未来が待っている気がする。
今日はこのへんで。
ありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?