「食べ物を粗末にしてはいけない」教育は終わってしまったのか?
先日、ゆとり世代の私でもちょっと腑に落ちないできごとがあった。
私は平成5年生まれのいわゆる「ゆとり」と言われ育ってきた世代だが「食べ物を粗末にしてはいけない」という教育は、学校だけでなく親からもしっかりと受けてきた。
そんな中、長女の通う保育園で「食べ物に関する教育は変わってしまったのだろうか」と思う出来事があった。
長女の通う保育園は、給食用に白ごはんを持参しなくてはならない。
そのため、お母さん方は朝から準備をしているのだが、1ヶ月に1回「お誕生日会」というものがあり、お誕生日会の日にはランチブッフェが催されるので、白ごはんを持ってこなくて良いことになっている。
お誕生日会が行われる前日には、各クラスの掲示板に「明日はお誕生日会なので白ごはんはいりません。」と記載してあるのだが、先日はその記載がなかった。
もちろんお誕生日会があることも知らず、いつものように白ごはんを持たせた。
その日お迎えへ行くと、掲示板には「お誕生日会は予定より一日早めて今日行いました」という先生からのメッセージが。
「あれ?白ごはんどうしたんだろう」と思いながら、長女に尋ねると
「先生が『今日は白ごはん使わないから』ってゴミ箱にお弁当ひっくり返しちゃったよ」と言う。
なんだか「そうなんだ〜」では聞き流せない自分がいた。
さらに色々と聞いてみると、お誕生日会があると知らなかった家庭は他にも3人ほどいて、みんな白ごはんを捨てられたらしい。
他の家庭はどの経路でお誕生日会があったことを知ったのかも謎だが、子供の前で食べ物を粗末にする「行動」を見せてしまう先生にも驚いた。
去年の担任の先生と比べてしまっては申し訳ないが、去年の先生は間違えてお誕生日会の日に白ごはんを持って行ってしまった際には「せっかくママが準備してくれたのに、勿体ないから食べられるだけ食べようね」と、おにぎりにして、その日だけ特別にふりかけもかけて子供に渡してくれていた。
普段は保育園の方針に何も意義するつもりもないし、特に疑問を抱くこともなかったが、なぜかこの件については少しモヤモヤしてしまう。
本来「先生」は子供のお手本とならなければいけない存在で、子どもたちも先生がやること全てを「正しい」と認識しているはず。
そんな先生が、子どもたちの目の前で「食べ物を粗末にしている」姿を見ると、子どもたちもその行動が「正しい」と認識してしまうのではないだろうか。
確かにお誕生日会に白ごはんを持ってきてしまった方が悪いかもしれないし、長女から聞いた話が全てではないかもしれない。
しかし、この「フードロスをなくそう」と掲げている世の中で、こういった行動は果たして正しかったのかだけが疑問に残る。