死別うつと向き合った2年間…開店休業だったSelf0を再び始動した理由
お久しぶりの更新です。
なんだか照れくさい文章になってしまいそうですが、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
2020年に立ち上げたSelf0。
セルフレイと読みます。
なぜセルフレイなのか、お店の由来については下記のページをご参考に。
立ち上げ当初、物販への抵抗が強く、デジタルコンテンツの販売を開始いたしました。これからの運営をどのように展開すべきか戦略を立てていました。
ところが、愛する父が突然の病に伏せ、わずか半年で光の世界へと旅立ちました。
病気とわかってから半年、おそらく父はわたしに対しては黙っていたけれど、自分がそこまで長く生きられないことを悟っていたのだと思います。
父の命の儚さに、涙が流れる日々
抗がん剤治療で心の波は多少あっても「なぜ病気になったのか?」「どうして自分なんだ」と暴れることはなく、髪が少なくなっても冷静に、かつ丁寧に今を生きていました。
父は桜が散るように、余生を過ごし、父の日がイベントとして設定されている6月に亡くなりました。ここ数年、父の日のカードが店頭に並ぶたびに、わたしは心の中でそっと泣いています。
今でも病室に訪れたとき、目の前の世界が白かったことをはっきりと覚えています。
その白さが、早朝だからなのか、それとも病院のベッドやいすなど白いものが多いせいかはわかりませんが、父の最期の姿は三回忌を迎えようとしている今でもフラッシュバックが起き、わたしは、しばらく、波がしずまるまで、うずくまったまま身動きがとれなくなります。
包み隠さず言えば、しっかりと「あ、ようやく喪が明けたかもしれない」と思えたのは、つい最近のこと。そう思えるまで2年以上の月日が必要でした。
それまでの日々は何をやってもうまくいかない、あるいは、私自身が情緒不安定で迷惑をかけてしまうことも多々あり、ほんとうに苦しい2年間でした。(今も完璧に夜明けを迎えたわけではありませんが)
2022年、Self0本格始動。
2020年に立ち上げて、本格始動したのはつい最近。2022年4月のことです。
おかげさまで定期的に商品がお客様の元へと羽ばたいている状況で、今までデータ分析するほどのデータがなかった小さなサイトが、4月だけで10000PV近くを獲得するほどのサイトへと、少しずつ成長しつつあります。
この2年、なぜ、開店休業状態だったのか……。
言うまでもなく、死別うつの状態がひどかったからです。ある日は感情をおさえきれずに自分の髪を切り落としていた日がありました。
朝まで切っていたら何か変わるかもしれない。そこまでの精神状況に追い詰められていました。別の日には母に対して暴力的な態度をとり、このままでは警察沙汰になると思った瞬間も何度もございました。
すべてを父のせいにするつもりはないですが、わたしにとって唯一の家族といってもいい両親。
父親は母親とわたしの緩衝材のような存在で、女同士で言葉がきつくなるのをやわらかい空気で包み込む、そんなやさしい、やさしい父でした。父を亡くした衝撃は、すぐには回復しませんでした。
自宅からお墓まで少し、というか、かなり距離があります。コロナ禍ではございますが、県を超えて行かなければいけない場所に父は眠っています。
ここ数年、遠距離の移動さえも動悸・息切れを起こすようになっていて、わたしは、なかなか定期的にお墓参りもできない状況でした。
最近、元気な瞬間が多い気がする……。
昔から「時間薬」という言葉があります。どんな言葉よりも、どんなものよりも、ほんとうにつらいときには時間が解決してくれるという意味ですが、おかげさまで少しずつ、体調も快方へと向かいはじめました。
死別うつのピーク時には昼過ぎまで寝ていた人が今では朝にちゃんと起きて、仕事が忙しくてもそうではなくても「今、できることをひとつずつ」と言い聞かせながら、アトリエ兼住居にこもり、ひたすら、目の前のことを進めています。
ある日は、5時に起きて、ヨガで体を整えることからスタートした日もありました。あきらかに心と体に新たな変化が訪れたのです。
パーソナルトレーニングを受けても、体が厚くなったことは自分でもわかるくらい、心と体が変わりました。
しばらく考える中でふと「Self0を本格始動するなら今かもしれない」と思い立ちました。心の奥深くでバイオリズムを読んだ、そんな風に表現すると伝わるでしょうか……。
3月31日より物販を本格的に始動し、おかげさまで今は少しずつ小さな輪が広がっています。
まだまだオリジナル商品を展開したいですし、そのためには、まだまだたくさん考えなければいけないことが山積みですが、じぶんブランドを運営している瞬間は、たとえ周りの人からは見えない部分で深い苦しみがあったとしても、その苦しみが楽しさへと変わってしまうくらい、Self0に人生をかけています。
Self0のコンセプトは「書くことは、生きること」
死別うつと向き合うだけではなく、父が亡くなったことで母との関係性にも変化が訪れました。
母も精神状態が乱れはじめ、今まで通りの距離感では強制的にいられなくなったのです。友達親子も卒業を迎えました。
陰陽師の世界では30年で一区切りなんて聞きますが、まさに31歳で母との関係性も調整するように神様や仏様、普段見守っていただいている方々から指示されたのです。
母と少し距離を置くことで、起業家人生がはじまる。そう思ったわたしは、これまで仕事部屋と呼んでいた場所でひとり暮らし(もう少し的確にいうと、たまには実家に帰省し羽を伸ばすのですが)の部屋としても機能させ、アトリエ兼住居の部屋へと5年ぶりに部屋自体も進化しました。
家具を買い替えたとか、広い部屋に引っ越したとかではなく、あくまでも、この部屋の目的を設定し直し、さらに仕事に生きる魂を込め、わたしの覚悟を伝えて、ともに走ってくれることをお願いしただけなのですが……。
父が亡くなってからも、親戚や知人の数名が続くように亡くなり、わたしは喪失に対する恐怖とも向き合わざるを得ませんでした。
死別うつの苦しみは、同世代の友人たちと分かち合うようなものではなく、わたしを支えてくれたのは「書くこと」でした。そのときの想いや悩みをやさしく受け止めてくれたのは、紙やペンをはじめとする文房具だったのです。
Self0では、
心を整える
自分らしさを取り戻す
心の御柱を太くする
夢を叶える
書く力にもお薬のようにこんな効果があるのでは、と考えています。
文房具はただの道具ではなく、魔法のような力を発揮してくれる存在。ならばその文房具を開発してみたい、皆さまにお届けしたいと思いはじめました。
まだ起業家としても文筆家としても、未熟ではございますが、起業家・文筆家 山口恵理香の共通テーマをお伝えできるとしたら、
が共通のテーマであり、ビジネスのコンセプトでもあります。
「書くことは、生きること」
死別うつが続く中で改めて心からそう想い、父の三回忌を迎える前に再始動したかった。それが開店休業状態だった小さなお店をリスタートさせた一番の理由です。
Self0では4月より順次、新商品を展開しています。
ひとりECだから実現できるあたたかさ・やわらかさ・やさしさのあるお店となっています。
ぜひ、今後も引き続きSelf0と山口恵理香をよろしくお願いいたします。
皆さまのご購入をお待ちしております。