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【1】取材メモを一元化する

本を書く前には大量の取材をします。現場に身を運んでその場で知ったこと気づいたことや感じたことをメモしたり、写真を撮ったり。インタビューの機会があれば、ICレコーダーで録らせてもらうこともあります。

参考図書や類書もあれこれ読むし、ウェブ記事や雑誌、新聞の記事も大事な資料。自分で調べて手に入れた知識のメモや、動画資料もあります。

読んだ、観た、聴いた、メモした時点で全部頭に入って、本の原稿を書くときには自在につるつると呼び出せれば便利きわまりないんですが、本一冊分の取材や資料となると膨大で、しかも取材開始から執筆終了まで長い期間がかかるので、仮に一度は頭の中に収めても、どうしても一部は、「天使の分け前」のように、知らぬ間に蒸発してしまいます。

ただ、意外に自分で撮った写真の記憶は蒸発しない。言葉に頼る記憶に比べて、ビジュアルの記憶は頑健ですね。

そこで、とにかくまずは言葉ベースの記録を一元化。

音声データは要点やファクトや印象深い発言をWordに書きだしていく。一字一句ベタ起こしはしません。文字起こしソフトも使いません。自分の頭で整理しながら文字にしていく作業が、本を書く準備として私には大事みたいです。記憶の定着もいいです。

取材ノートのメモも、見返しながらWordにまとめます。

いざ、原稿を書き始めたときに、「ううむ、詳しいこと確認したいなあ。あの話っていつどこで聞いたんだっけ。直接聞いたんだったか、講演で聴いたんだったか、どこかの記事で読んだんだったか……。メモあったっけ? 取材音声を一から聴き直さないといけないかな」なんていちいちやってたら、書く勢いをそいでしまうし、間違いも出るし、効率も悪い。

だからまずは、「音声情報(を文字にしたもの)も、自分の取材メモも、調べたことも、全部このフォルダの中にある」という状態にしておきます。料理で言うと、使う材料を全部、買い物袋や冷蔵庫から出して目の前に並べた状態にする工程ですね。

Wordにまとめながら、「あれ?」とひっかかったり、ファクトや時系列が不明なところが出てきたら、そこは赤字に変えておく。まとめるときにシンプルなテキストエディタを使わないのは、こんな風にフォントを変えたいからです。

本には書かないかもしれないことも、全部書き留めておく

この次は、人物年表づくりに進みます。

(【1】終わり)



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