名刺がわりの小説10選┃人間深堀り系
Twitterでよく見かけるやつ。#名刺がわりの小説10選 挙げてみました。かんたんにコメントも書いたので、気になる作品があったら読んでみてください!
01 「誰がために鐘は鳴る」 ヘミングウェイ
卒業論文のメイン作品だったので思い入れがあります。エリンギと言えば誰がため。時代は第二次世界大戦前夜、スペイン内戦を舞台にした生命と愛の物語と言ったところでしょうか。
02 「魔の山」 トーマス・マン
第一次大戦前のサナトリウムを舞台に、若いハンス・カストルプと個性ゆたかな・国際色ゆたかな患者たちとの交流によるビルドゥングス・ロマン。
03 「罪と罰」 ドストエフスキー
貧しい大学生ラスコーリニコフは自らをナポレオンと同じく「選ばれた非凡な人間」とみなし、高利貸しの老婆を殺す。それを目撃した妹のリザヴェータをも殺してしまったことで罪の意識に苛まれ、自分が平凡な人間であることを自覚し苦悩する。言わずもがなのド名作。ソーニャの存在がラスコーリニコフを救済へと導きます。人間を深々と考察できる。
04 「人間の土地」 サン=テグジュペリ
「星の王子さま」もいいけれど、サン=テグジュペリを読むならこちらもお忘れなきよう。珠玉の言葉の数々に出会えます。
05 「我が名はアラム」 ウィリアム・サローヤン
アルメニアからの移民であるアラム少年と大人たちのお話。ユーモアにあふれていて思わず笑ってしまう、アラムのかわいさに癒される。なのに物語の裏にながれる物悲しさに何とも言えない気持ちになる。ユーモアと悲哀が同居する、でもあったかい気持ちになれる、不思議な本です。
06 「わたしを離さないで」 カズオ・イシグロ
カズオ・イシグロの中でも大好きな作品。クローンとして生まれた子どもたちの悲しい運命に浸りましょう。自分たちの運命を認識しながらも、それを諦めないキャシーとトミーの姿には涙を禁じえません。映画版やTBSドラマ版も好きです。
07 「ハーモニー」 伊藤計劃
「虐殺器官」の続編。ユートピアの世界で自ら餓死することを選んだ少女たちの物語。
08 「こころ」 夏目漱石
高校の教科書で読んだ「先生と遺書」に衝撃を受けて以来の座右の書。人間のエゴについて深く考えさせられる名作。自分が旧時代の人間だと自覚し、時代に殉死するとはどういうことか、最近やっとわかってきました。
09 「夏物語」 川上未映子
「乳と卵」続編。作者自身が妊娠・出産を経験してのこの作品で描かれたが、答えは出されなかった。そのことがとても重く感じる。人間をこの世に生み出すということについて、正解はどこにもない。
10 「源氏物語」 紫式部
日本が世界に誇るエベレストのような文学。与謝野源氏もよかったけれど、角田源氏もとても好き。光源氏の一生を追うのも楽しいけど、晩年は悲しい。源氏の死後、息子たちの代の物語を描いた宇治十帖が好き・・・かも。日本にこんな偉大な文学があるということが密かに誇り。
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わたしの「名刺がわりの小説10選」いかがでしたでしょうか。皆さんの名刺もぜひください。お待ちしておりまーす!