ブラック・ミラー バンダースナッチ(2018)目指せコンプリート!
個人的に大好きな「ブラック・ミラー」シリーズから派生した映画。途中で選択肢があらわれ、その選択しだいで物語が変化していく視聴者参加型作品だ。シンプルにめっちゃオモロい。全エンディングが観たくなる。ストーリーはちゃんとブラックミラー感満載で暗いし、後で解説するトゥルーエンドと呼ばれている結末も哀しい。だがそこがいい!
3時間超と表示されている尺は全ストーリー分の長さだと思うので、適当に選んで進めていけば2時間かからず終わる。でも納得いくエンドになるまでプレイし続けてしまうので結局時間は奪われます笑
あらすじ
〈感想〉
※ネタバレを含みます※
※全ての分岐の解説はできませんのでご了承ください※
簡単にストーリーを解説していく。父と二人で暮らす青年ステファンは、自分で開発したゲームを大手ゲーム会社に売り込み納品・発売に向けて一人奮闘する。ステファンは幼い頃に電車の事故で母親を亡くしており、そのことがトラウマなのか今でもカウンセリングに通っている。父親との関係性に悩んだり、ゲーム会社で出会った天才ゲーマーのコリンと交流しながらゲームの開発を進めていく。
冒頭の選択肢は「朝食にどっちを食べる?」とか「どっちの曲を聴く?」みたいなどうでもいい質問。しかし物語が進むにつれステファンの今後を左右する選択となっていき、「父親を殺すor引き下がる」「遺体を埋めるor切り刻む」などの怖い質問も出現。金庫のパスワードや電話番号を選択するコマンドもあるが、謎解き要素はなくほとんど運ゲーなので何かを必死にメモったりする必要はない。
選択を誤ると先に進めずゲームーオーバーのような形で映画は強制終了する。しかしいつでも前の質問のシーンまで戻ってやり直すことができるので、そこまで緊張しなくても大丈夫。どちらを選んでも同じ結末になる質問も結構あったり、ある質問をミスると絶対に辿り着けないエンディングも存在するようで複雑だ。
私はすっかりハマってしまって恐らくほとんどのエンディングを観た。
一応トゥルーエンドというか唯一のハッピーエンドと言われているのが<過去に戻って母親と同じ電車に乗り死亡する>というものらしく、過去が変わったステファンはカウンセリング中に突然息を引き取って終了。バタフライエフェクトパターンだ。個人的には「え?ゲーム完成しないの?」と思ってしまったし、ステファンは別に死にたいと思っていた訳ではなさそうなのでモヤモヤ。一番良いなと思ったエンディングは<自分は操られていると感じ錯乱したステファンが父親を殺害しバラバラに。ゲームは無事に発売され高い評価を得るが、父親殺害によりステファンが逮捕されてゲームは回収される>というもの。一番映画らしい結末というかブラックミラーっぽいなと感じた。私が監督ならこれを採用したと思う。
途中錯乱したステファンが「お前は誰だ!?」と天を仰ぐシーンがあり、その質問の選択肢にNetflixというものがある。これはお楽しみ枠であり、1984年を生きるステファンたちはNetflixが何のことやらさっぱりなのだが「エンタメならもっと派手なアクションがないとね!」といきなり激しい戦闘シーンが始まる。このルートはいずれにせよゲームオーバーなので完全なお遊びだ。
※すでに鑑賞した方に向けて素晴らしい記事を見つけたので引用させていただきます。全て試すのは大変なのでとても参考になりました。
本当に新感覚で自分が映画に参加しているようで楽しかった。ずっと不思議な距離感のまま終わった天才ゲーマーコリンの正体とか、どこまでが現実なのか曖昧な感じは気になるが、そもそもブラックミラーってそんな話ばかりなので深掘りするのは野暮だと思う。Netflixで配信中なので時間がある時にぜひ挑戦してみてください。ちなみに選ぶ時間は10秒しかないのでリモコンは常に持っておいて!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。