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ゲット・アウト(2017)

 ヒトコワ系としてだいぶ有名な作品。我が愛するブラムハウス制作。
脚本監督のジョーダン・ピールを一躍有名にした作品。たぶん。
主演のダニエル・カルーヤとアリソン・ウィリアムズの表現力も最高なのだ。
これに引っ張られて私はNOPEとミーガンを観た。
ミーガン若干不安だったけど、アリソン出てきた瞬間めっっちゃ安心した。

<あらすじ>
 アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待される。不安とは裏腹に熱烈な歓迎を受けるが、ローズの家には黒人の使用人が多いことに気づく。パーティが開催されるが白人ばかりで気が滅入る中、少しずつこの家に違和感を感じるようになるクリス。身の危険を感じた彼はローズとともに脱出しようとするが…

 <感想>

※以下ネタバレを含みます。未見の方は注意!※

 最初の二人がラブラブな感じがすごい自然で、まったりとした幸せを感じる。
少し寡黙なクリス、勝気だけどちゃんと甘えてくるローズ。このローズ(アリソン)の良い彼女感が、後半のどんでん返しをより引き立てている。母親の死にトラウマを抱えるクリスを優しく受け止めて慰めるところなんて、女の私でも結婚したいと思うくらいだ。

 結論を言うと、年老いた裕福な白人たちが、黒人の身体に自分の脳を移植し、黒人の高い身体能力のみを得て生き永らえているというオチで、ローズはその美貌で黒人男性を誘惑し家に連れてきては、白人の「器」として提供していたのだ。

 白人たちは将来の器であるクリスの身体に支障が出ると嫌なので、しきりに禁煙を勧める。なるほどー。ローズはかなり終盤まで「うちの家族あたおかでごめんね。一緒に逃げましょ!」的な感じなのに一瞬で豹変するのだからびっくりする。完全に覚醒しストローで牛乳?飲みながらシリアルみたいなの食べてる姿が、ヤバい奴すぎて大好きだ。私が黒人男性だったら120%手術されていただろう。

 こういった人種差別の話題は、単一民族の日本人にはいまいち馴染みがない。歴史の授業やSNSで見聞きする程度の知識はあっても、自分の周りを見渡せば黄色人種だらけ。相手の肌の色やルーツに着目する機会は、外国の方々と比較して圧倒的に少ないだろう。でも当事者じゃないから無関係って感覚を持つことは確実に日本を衰退させると思う(スケールでかい)。そういった国民一人ひとりの意識の低さが、性的嗜好も含めた多様性への理解の遅れにつながってるのでは?

 社会派の作品に触れると自然とそういう話題に目がいくようになるし。共通の課題について啓蒙するのも映画の大切な役割よね、と思う。
ちなみに私はアンテベラムの方が胸糞悪かった。
本気でうわやば…と思った(語彙力ゴミ)。いつか紹介しようと思う。

 話を戻そう。私はクリスの友人ロッドがめっちゃ好きなのだが、分かってくれる人はいるだろうか。クリスを助けるために奮闘しながらも、しっかり預かったわんこのお世話をしているところが良い人すぎる笑。映画のラストでローズを失ったクリスだけど、一生の親友が残ってくれて良かったねとつくづく思うのだ。

 オチは知ってるけどまだ観たことないという方は、ぜひ鑑賞してみてほしい。
音響や映像を駆使した不気味な演出や、俳優さんたちの演技は十分に見応えがあるからだ。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!




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