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2024年時点 九州横断・東九州新幹線ルート案(豊予海峡含む)と西九州新幹線について


はじめに

私はこれまで九州内の新幹線整備のあり方について何度も記事を書いて(描いて)います。

そのため、正直これ以上描いて投稿するのは自分自身でもためらいがあります。
しかし、これまで書いた(描いた)記事では、現状では新幹線整備よりも困難な在来線整備案もかなり多く含めて描いているのであまり受け入れられる気がしませんでした。

私がお伝えしたかったのは
単に「地図上のここに新しい線路を描いてみました」というよりは

・全国的な鉄道整備を通じた地方都市同士・地方同士間の交流促進による地方格差是正
・交通インフラ整備を通じた日本の経済成長による各種政策財源(医療・福祉・教育・その他)の充実
・新幹線整備だけでなくも既存の在来線も活かした地域振興や人々の全国広範囲的な交通権の確保

などの問題提起が主です。その主張を視覚的にお伝えするためにも新幹線整備案(ルート案・路線図)を描きました。
ですが、
繰り返しますが、これまでの記事では現状では新幹線整備よりも非現実的だと思われかねない在来線整備案もかなり多く描いてしまった・・・。
九州の新幹線整備について考えると、鉄道空白地帯が多いと感じました。本来は主要な地域同士を結ぶ新幹線及び 在 来 線 の新設と、新幹線・在来線・そして地方空港を紐付けることで全国的な人々や経済の全国広域的な交流促進を図ることが重要だとは思います。
また、
日本全体的に鉄道・軌道系交通機関の「交通分担率」を引き上げ交通分野でのエネルギー使用効率化を図り、地球温暖化対策を図ることに加えエネルギー資源輸入依存度を抑えることで経済面からも日本の安全保障をより盤石にし戦争等に巻き込まれにくくする社会づくりにも繋げていくことが喫緊の課題だとすら思います。

今回の記事では今後まだ可能性はあると思われる新幹線整備と既存在来線の改良・活用を主体にした描き方にをしようと思い立ち書き(描き)直すことにしました。記事構成の複雑化を避けるためこの記事一本で仕上げます。
なお、私は2024年中に
四国新幹線
山陰新幹線・中国横断新幹線
羽越新幹線・奥羽新幹線
のルート案も描き直しています。

【今からでも新幹線整備が必要だと考える理由】

個別具体的なルート案を申し上げる前に私がなぜ全国的な新幹線整備が必要だと考えているかについて申し上げます。詳細は以前投稿した以下の記事でも申し上げています。

この記事で改めてその理由や考え方を簡潔に申し上げるならば、先ほど申し上げたことと重複する部分はありますが

・既存交通網との接続により、在来線なども含めた交通網全体の機能強化
→人々の全国的な交通権(移動の機会)が確保されてほしい、という願いも込めています
・人や物の移動所要時間大幅短縮による経済的生産性の飛躍的向上、それによる経済活性化→税収増加を図り 医療 福祉 教育 その他各種政策財源の確保
・全国的な交流促進による地方格差是正
・天災人災に備えた迂回交通路形成

などが挙げられます。
九州内の鉄道は前述の通り列車の運行速度が遅かったり単線区間が多かったりしますし鉄道空白地帯も多くあります。新幹線ルートの工夫で主要地域間の所要時間短縮を図りつつ鉄道空白地帯をいくらかは解消するような経路選定をすると、同じ公共事業でもその整備効果はより広い範囲に波及し地方格差の是正にもつながり事業の実施意義がより高まると考えます。

また、特に東九州側は南海トラフ地震などによる大津波にも備えておく必要があります(海岸ぎりぎりに線路が敷設されている区間も多くあります)。
テレビ等の報道を見聞きする限りだと災害対策は避難計画や訓練など「ソフト面」に偏っているように見受けられますが「ハード面」からの対策も疎かにしてはいけないと思います。

なお、
私は単に新幹線だけを整備して活用すれば良いと思っているわけではないです(特定の交通機関だけで考えない)。

在来線との接続で新幹線と在来線の両方を活かす活用法が重要

だと考えています。また、この考え方の延長線として鉄道網と地方航空網の接続・連携を図ることで交通機関全体を再生・維持活性化を図り、交通の利便性向上を通じた地方格差是正を図っていくのが良いと考えました↓

従って、私の考える新幹線整備は鉄道の空港経由を前提としたものになります。既存の交通網を紐付けていくことも新幹線整備を進めるべき意義だと考えています。

【全体を通しての概要説明】

新幹線ルート案を考えるにあたり、前提となる考え方を前もって申し上げます。

【そもそもなぜ新幹線ルート案を描き続けているのか?】

前述した新幹線整備の必要性を踏まえ、私なりに考えたり体感したりしてきたことを新幹線整備ルート案という形で描くことで今後少しでも早く円滑にルート案がまとまり、早期の新幹線整備・開業につながってほしい。そういう想いや願いから描いています。

【ルート案(線路や駅の位置など)を選ぶ際に重視して考えたことは?】

1・地域内格差や対立を最小限に抑えられるようになってほしい

2・「1・」の考えに基づき、新幹線駅が設置できない地域や駅には在来線普通の増便や必要に応じて在来線特急・快速等の並行運行で補うことも重要になる

3・全国的な経済・人的交流を図り人々の移動の自由(全国的な交通権)を確保する観点からも、地方空港も新幹線ルートに組み込む
→新幹線が沿線の在来線と地方空港に接続していくような経路で整備していく

4・その他ルート選定にあたって考えたことは各地域の詳細説明で申し上げる予定です

【一気に新幹線路線を新設できるのか?】

素人考えでも一度に全ての区間を建設・開業させるのは現実的ではないと考えています。本当はできるだけ早期に全区間開業して欲しいのですが・・・
そのため、
複線フル規格新幹線(言わば「一般的な新幹線」)をまとまった区間でいちから一気に建設していく
という整備手法だけにこだわるのではなく、今から申し上げる
・新幹線の段階的な整備
・新幹線と在来線の並列
・中速新幹線
といった手法も必要に応じて織り交ぜ整備するのが良いと考えました。より着実な新幹線整備の推進や事業費の効率化・工期短縮の観点からです。
以下にその考えの説明をします。

(1・新幹線の段階的な整備)

局所的な新線建設(フル規格新幹線の複線以上に対応した構造物の建設)を行ない、その区間に暫定的に在来線の線路を原則として単線で敷く
ある程度まとまった区間が完成した時点でフル規格新幹線の線路(標準軌で在来線よりも大型車両対応)を敷き、既存の新幹線車両が走れるように線路を切り替えていく
という手法
※前回の羽越・奥羽新幹線の記事でも用いたものですが、以下に掲げる6枚の画像でそのイメージをお伝えします


(2・新幹線と在来線の並列)

在来線に概ね沿って標準軌フル規格新幹線用の線路を基本的に単線で敷設し、「在来線と新幹線の並列」という方法も採り入れる
そのイメージ図を下に掲載します

画像作成は下手かもしれませんが、この画像からお伝えしたいのは、在来線の線路上に狭軌在来線(左)と標準軌フル規格新幹線(右側、在来線よりも大きな車両)の線路を並列し運行する、という方法案です

既に在来線が複線の区間は
片方の線路は従来からの狭軌在来線用・もう片方を標準軌フル規格用に改良し使い分ける
在来線が単線の区間は概ね在来線に沿って標準軌フル規格新幹線用の線路を基本的に単線で増設する
新幹線用線路での最高運転速度は現状のJR在来線の最速である時速130kmや、可能ならばそれ以上の速度で運行する想定です(各種対策や改良により時速140~150km程度で走行できれば・・・と考えます)


(3・中速新幹線)

失礼ながら半ば思いつきで「『中速鉄道』というものはあるかな?」と検索したら
中速新幹線
という概念を提唱する動きがあることを知りました。

その「中速新幹線」の上記リンクを拝見しましたが、私の解釈が正しければ使う線路幅は新幹線と同じ標準軌、車両の大きさは在来線並みの大きさで想定されているようです。
今のJRの鉄道は
・狭軌で新幹線よりも小型の車両(在来線)
・標準軌で在来線よりも大型の車両(新幹線)
の二つの規格で使い分けられています。
このことにより新幹線を整備するとなった際は 一(いち)から構造物を建設し線路を敷設するか、「ミニ新幹線」のように線路を改軌する必要が生じます。この「二つの規格で使い分けられていること」こそが日本において新規に新幹線を整備する上で足かせになっている根本的要因ではないかと思います。なぜなら、新幹線整備するとなった場合、いちから専用の新線(フル規格新幹線)を造ることになるため
「既存の在来線を活用しつつ段階的に整備を進めていく」
という考え方やそれに基づいた手法が採用されにくく、一気にまとまった区間での整備になる。そしてその予算単位が大きく映りやすいため整備のハードルが上がってしまうようにも見えるから。
また、「ミニ新幹線」は改軌によって従来の狭軌路線網が寸断される場合もあるのでそう簡単に「ミニ新幹線を採用する」という決定をしにくいことも新幹線整備を進める上での足かせになっていると思われます。

これを踏まえて考えると
「中速新幹線」という手法が新幹線整備で採用される最大の鍵は
実際に鉄道を運行する貨物を含めたJR各社が

●今後長期的には新幹線と在来線の車両・線路規格についてどう取り扱っていくか
●貨物列車は新幹線も活用するのか 今後も在来線のみを利用し続けるのか
●新幹線の車両大きさを将来的には在来線の小さい物に合わせていくか
(あるいは逆に在来線全般を標準軌にしたり車両を新幹線の大きな物に合わせたりしていくのも一つの方向性だと思う)

ということに関する方向性をまとめることが、今後鉄道網が積極的に整備・利活用されていく上で重要になるかもしれない
と考えました。鉄道という交通インフラの全国的な規格統一に関する方向性が定まると政治行政的にも行動し易くなるように思うからです。

このような今後の鉄道インフラの規格の方向性に関する問題提起もしたかったので、ここで「中速新幹線」という概念を採り上げさせていただきました。

※なお、貨物列車について
新幹線も活用するにせよ、在来線を継続活用するにせよ、貨物列車の所要時間短縮(特に在来線利用では速度向上も)を図り鉄道貨物の商品価値を上げてほしいです。商品価値を上げることで鉄道貨物列車運行区域も広げられるようにする。これは物流全体の担い手問題などもありますので喫緊の課題だと思います。
鉄道旅客に対しても鉄道貨物に対しても積極的な社会的投資が出来る各種制度の構築を望んでいますし、個人的には旅客鉄道会社に支払う運賃(つまりJR乗車の際に支払う運賃)が鉄道貨物への積極投資に使われ、鉄道貨物による収入増加をもたらし、そして回り回って旅客鉄道設備の改善にも活かされる・・・という好循環が起きてほしいとすら思います。

【新幹線ルート案全体像】

前置きの説明が大変長くなり申し訳ございませんでした。まずは九州内の新幹線整備案全体像の画像を掲載します。

この画像からお伝えしたいことを申し上げます。
1・
全体的には概ねこのあたりに線路を通す想定をしてみました、という説明をしたい

2・
その地域内だけでなく全体を見渡す俯瞰的な観点を伝えたい
※全国的な交通網整備なのでそのような観点を持つことが重要です

【線路の描き方に関する説明】

区間によって複線フル規格区間や在来線に新幹線の線路を並列する区間など、様々な整備手法を織り交ぜる想定をしました。そのため、あらかじめ凡例図を用意します。

【各地域の具体的な説明】


【福岡県内付近(東九州新幹線・山陰新幹線)】

・上記のようなルート案を考えた理由
・山陰新幹線のリダンダンシー機能向上(下関市で終わらせるのではなく博多(福岡市)まで伸ばし山陽新幹線の予備路線としての機能を高める)
・福岡空港と北九州空港を連絡する
・主に筑豊地方(図では桂川ー添田間の周辺)の地域格差是正
・日田彦山線の鉄道実質廃止区間による鉄道空白地帯を解消し、鉄道網の新たな経路を開拓する
などの観点から上記のルート案を考えました。これまでの新幹線整備ルート案は既存の幹線的在来線にほぼ並行するルートで想定され、実際そのようなルートで建設・開業されています。
ですが、「新幹線路線網の整備・建設」というのは基本的に「新たに線路を敷設する」ことでもあります。であれば、既存の在来線幹線に並行することばかりにこだわるのではなく、
区間や箇所によっては現在鉄道が無いところに線路を通すことで鉄道網を擬似的につなぎ、鉄道網のネットワーク性を高めることで交通網全体の商品価値向上とより広い地域への地域格差是正をもたらしていく
このような考え方に基づいた新幹線整備も行なわれてほしいです。

付け加えますと、
新幹線駅に「宝珠山駅」も加えたのは豪雨災害で日田彦山線が被災した際、復旧会議等で東峰村が最後まで鉄道による復旧を強く望んでいたことを踏まえました。もしここに新幹線駅が出来るならば、「BRT」をはじめとした路線バスで二次交通接続も出来、地域振興の基礎的なツール(道具)になると期待します。

・新幹線に併設して在来線を建設する(黒い線で描いた区間)、という考えについて、福岡空港ー篠栗間
福岡空港付近から篠栗付近に伸びる鉄道延伸構想・運動があるらしいと聞ききました。であれば新幹線建設と一体的に建設すれば、公共事業・建設事業全体的に見ると用地買収やその他建設資材や工事にかかる人員等の資源も有効に活用でき、予算の効率化と公共事業の実施効果の向上が図られるのではと考えました。その考えも新幹線ルート案に込めました。他にも新幹線ルート案(赤と青の二重線)に沿って黒い線を描いている区間がありますが、そこにも同じ考え方を込めています。
なお、
福岡都市圏は一応私鉄等含めた在来線が複数ありますが、鉄道が通っていない地域も多く、公共交通は路線バスに依存する側面も大きいです。しかし、路線バスは慢性的に運転士不足で増発困難(それどころか年々減便・廃止傾向)ですし、根本的に速度が遅く所要時間もかかります。
都市圏を囲む環状線的路線も含め、重要性がある区間の都市鉄道新設も望んでいます。「レールによる鉄道」だけにこだわらず、モノレール・「新交通システム」・都市用ロープウェイなど「鉄道・軌道」に分類される、認識性や訪問性の高く利用しやすい交通機関の整備を。
主要な地区同士を結ぶ路線は鉄道・軌道系交通機関に集約し、路線バスは支線的輸送を中心に担うようにするとより全体的に一定程度の利便性を保った便数を確保できる公共交通体系が出来るでしょう。
また、
特に鉄道・軌道系公共交通の充実で行き来できる箇所が増えると通勤手段にも公共交通を選択しやすくなります。それは

・特に福岡市が重点的に取り組んでいる「飲酒運転撲滅」

・自家用車を保有できないような交通弱者対策を図り、そのような人々にも就労機会の増加をもたらす(働きに行ける場所が増えるのでより就職しやすくなる)
→公共交通の整備は間接的な福祉政策とも言えます

上記のようなことにも関わってきます。

(蛇足ですが、福祉!・教育!・医療!などと求める方々には「公共交通網の整備は社会福祉の一種でもあること」に気づいてほしいと思っていたので、その旨をここで申し上げさせて頂きます。更に言えば「福祉・教育・医療」の為には経済活性化による税収増加で財源を確保することが重要であることも・・・)

・桂川ー崎山間・北九州空港付近の在来線敷設について
これからの新幹線整備では、一気にまとまった区間で造ることにこだわるよりも、局所的な新線建設を積み重ねて全線開業につなげていくという考え方に基づいた整備が重要で現実的だと考えます。これは九州全体的、そして他の地域の新幹線整備でも同じように考えています。
優先して桂川ー崎山間・北九州空港付近を建設して、接続する既存在来線も活用し暫定的に在来線特急等が運行される想定を描きました。なお、この図では新幹線線路に沿って在来線線路を併設する想定で考えています。
そうしたのは、在来線普通列車駅も設置し、駅周辺に生活に必要な諸施設や工場・倉庫など「仕事する施設」を集めていく都市政策や地域振興策の基盤になってほしい、という願いも込めたからです。(在来線普通列車駅の設置案は図や記事が複雑になるので割愛しました)


【大分県中部付近(東九州新幹線など)】

・日田ー大分間について
以前は日田ー大分間の新幹線は久大本線からなるべく離し、経由地の違いによる新幹線と在来線の棲み分けを図る考えにこだわっていました。特に日田よりも南部の地域に線路を通す想定をしていました。
しかし、大分県の北部方面を見落としていましたので、結果的に概ね久大本線に沿う経路で考え直しました。このような経路案ならば、局所的・短絡線的な新線建設を段階的につなぎ合わせて新幹線の全線開業に繋げていく、という方法も採りやすいと思われます。
大分県の北部と南部方面への二次交通は、本当は鉄道でも行なわれてほしいとも思っています。そういう考えもあって、以前の東九州新幹線ルート案の記事ではかなり突飛な図案まで描いてしまったのです。しかし、より現実性も考えると上記の図で描いたルート案になりました。

なお、南由布駅を新幹線駅にしたのは、
・この駅の北に有名な観光地湯布院、南側には旧来からの温泉街である湯平温泉があり、その両方の間を取ったこと
・地形的にもここなら駅や線路を設置しやすいのでは
と感じたためです。

・大分駅西側で分岐するような経路案にした理由
どうしてこう考えたかについてですが、これは図内でも申し上げていますし後ほど説明する「豊予海峡ルート」や熊本・大分・宮崎県に跨がる区間とも関連しますのでそちらでも説明します。

現状の在来線特急(ソニック・にちりん)の大半の列車は大分駅で乗り換える方式が採られていますし、博多(福岡市)ー宮崎市間の移動においては 博多ー小倉ー大分ー宮崎間を経由する経路で利用する人はわずかです。そのため、新幹線の経路は必ずしも日豊本線に沿うことにこだわる必要は無いと思いますし、むしろ今回何度も申し上げているように鉄道空白地帯も解消するような経路を採ったほうが新幹線整備を行なう意義が増すと考えます。

・大分空港への在来線乗入れについて
できれば鉄道による空港乗り入れができれば、別府・大分駅を経由し久大・豊肥・日豊本線方面へと空港アクセス範囲がより広くなります。また、(大阪伊丹関空・東京羽田成田路線以外の)地方航空路線網の充実も合わされば広域的な交流の基礎になっていく、という願いも込めて描きました。
本当は国東半島を一周し北九州空港方面との連絡輸送も出来れば・・・とは思います。

なお、別府市などを含めた日豊本線の小倉ー大分間は在来線特急(九州内では在来線において最も表定速度が高い部類です)と普通列車の積極的な活用が図られてほしいです。そうして新幹線と在来線が補い合う関係性を創る。


【「豊予海峡ルート」について】

上記の図案は駅の設置案や線路の整備案として描いたものです。鉄道部分についてはまずは鉄道が繋がっていない幸崎ー八幡浜間を優先し先に在来線で開業、後ほど新幹線も繋げる想定です。
個人的に重要だと思っていることは、大分市ー松山市方面だけで捉えてしまうのでは無く、八幡浜から南の方面との行き来交流も創り出すことです。こちらも踏まえて見れば公共事業における「費用対効果」のうちの「効果」がより高まるでしょう。また、そのような観点や天災人災時の迂回路確保などから、今からでも宇和島市から高知県方面をつなぐ鉄道網の再整備と活用を望みます。


次に、この俯瞰的な図からお伝えしたいのは、図の中でも申し上げましたが

・東九州新幹線と九州横断新幹線は豊予海峡ルートを通じた四国(及び瀬戸大橋等を介した本州方面)との交流や、そのための国土軸形成

・全国レベルで見た災害時の迂回路形成(リダンダンシー機能向上)

も見据えた九州内の新幹線ルート案を考えてほしいということです。
この考えもあって大分駅西側で路線が分岐するようなルート案を考えました。
また、東九州新幹線・九州横断新幹線 そして 四国新幹線も 「豊予海峡ルート」を通じた広域的な行き来交流の創出 という効果を創り出すと公共事業の実施効果がより大きくなるでしょう。
図内では書き切れませんでしたが、
九州ー四国を結ぶような貨物列車の運行も行なわれてほしいです。

自動車による物流は比較的短距離で細部も担い
鉄道による物流は比較的長距離で拠点間

と棲み分け使い分けるのが良いのではと思います。その鉄道の拠点(貨物列車を取り扱う貨物駅)を今よりも増やし貨物列車の運行区間も増えてほしいです。
豊予海峡ルートの鉄道部分を新幹線と在来線の両方で考えたのは鉄道貨物が在来線で継続される可能性も考えたためです。


※2024年12月15日日曜日追記
「豊予海峡ルート」においては瀬戸大橋のように道路と鉄道両方とも一体的に造られれば良いと考えています。ですが、もしそれが困難な場合は構造物を別に分けて両方を同時に造る手段を採っても良いと思います。
なお、ウィキペディアによれば、豊予海峡ルートの鉄道(新幹線前提とのこと)においては、海底トンネル方式だと技術的にも可能だという調査がされたそうです。であれば、先に鉄道部分を造り、青函トンネルのように旅客・貨物共に鉄道(+九州四国間フェリー各航路)が担う方法を採るのもありでしょう。


【九州横断新幹線と東九州新幹線の共同利用区間(熊本・大分・宮崎県に跨がる区間)】

図で描いた地域における考え方は図内で申し上げていますので、この記事本文では図内で申し上げられなかったことを中心に述べます。

1・
あえて日豊本線から離れた経路で新幹線ルート案を考えると、図のような感じで熊本・大分・宮崎県の三方向間の移動が出来ると考えました。
地質的な問題に対応できるよう、特に三方向に分岐するデルタ線周辺では、多少運行速度が下がっても良いので曲線は新幹線の中ではきつめに取るなどの工夫も行なわれると良いと思います。つまり、あえて曲線をきつく取ることでより工事し易い地質の箇所を選びやすくする。

2・
図の中の地域内では、高森ー高千穂ー延岡間と、中松ー豊後竹田間が優先的に造られて活用されるべき区間だと思いました。在来線(黒い線)はできる限り新幹線と併設し構造物を一体的に造る想定です。

3・
宮崎県は東九州新幹線の整備に関して、特に福岡市ー宮崎市間の移動について
八代市から肥薩線・吉都線・日豊本線に沿ったルート案(高速道路で言えば九州自動車道と宮崎自動車道に沿う)も含めて検討を進めているようです。
福岡市ー宮崎市間の交通については様々な経路と手段があります。また、肥薩線の八代ー人吉間は在来線での復旧が決まりました。
このような要素に加え、上記の熊本・大分・宮崎県に跨がる新幹線ルート案も考えたところ、

福岡市ー宮崎市間の高速鉄道(新幹線)としては
博多ー熊本ー高千穂ー日向市ー宮崎

という経路を用いるのも一つの手段だと考えます。

4・熊本空港周辺の在来線等新設案について
熊本空港へは在来線乗り入れが行なわれるようですが、これに加えて新幹線も熊本空港に乗入れてほしいと思いました。在来線による乗り入れはTSMC周辺へのアクセスや、豊肥本線・南阿蘇鉄道に加え鹿児島本線・三角線、さらには肥薩おれんじ鉄道や肥薩線方面からのアクセスにも活用できると思います。
新幹線は在来線よりも広い範囲にアクセス範囲が及ぶので両方とも空港乗り入れをする意義があると考えます。
そして、
先に申し上げた福岡都市圏の都市鉄道に関する問題意識とほぼ同様の観点から、熊本空港から熊本方面に、新幹線に沿って在来線または路面電車その他鉄道・軌道系交通機関を併設できればより良いと考え、その考えも図に込めました。


【宮崎市など宮崎県中部付近(東九州新幹線)】

図で申し上げた通り、津波対策から真っ先にできるだけ早く佐土原ー日向市間を建設してほしいです。少しでも海から離しておく。概ね国道10号に沿う想定をしましたので新幹線に併設した在来線は普通列車駅も設置できると考えますし、在来線による貨物列車継続運行も想定し新幹線と在来線を併設する案で考えました。

新幹線整備と直接は関係ないかもしれませんが、肥薩線の人吉ー吉松間も可能な限り速達化できる改良が採られた上で再開し、更には在来線による鹿児島空港乗り入れを行なう想定もしましたので、新幹線ルート案と併せてその考えも図に込めました。全国広域的な交流を図る交通基盤は鉄道と航空網を組み合わせるのが良いと感じています。


【鹿児島市ー宮崎市(東九州新幹線)】

・図で書き切れなかった補足事項等
大隅半島の鉄道空白地帯解消による全体的な地域格差是正
日豊本線との経路での棲み分け(新幹線と在来線の重複を減らせる)
既存の日南線も有効活用しフル規格新幹線建設区間を短くする。そのことで事業費全体の効率的活用
などを考え上記の経路案を考えました。
鹿児島市中心部と桜島を結ぶ橋またはトンネルを造る構想があるそうなので、その構想を練り上げ、道路・鉄道の一体的な整備を図ると良いと考えます。
あえて桜島内に駅を想定しなかったのは鹿児島市内と桜島を結ぶ航路との両立を考えたためです。
(この観点からいくと、鹿児島市中心部と桜島を結ぶ橋またはトンネルは新幹線のみでも良いのではとすら思いますが、緊急搬送など様々な要素も踏まえて考える必要があると考えます)
桜島島内は火山対策の一環で、札幌市の地下鉄一部区間で採用されているようなシェルターを設置するのも良いのでは。

志布志ー宮崎空港間は、当面の間は在来線設備を改良し、普通列車や鉄道貨物も行なう場合は貨物列車も速達化を図り交通機関としての機能を高められるようになってほしいです。
そして新幹線整備を図る際は、概ね在来線に沿って内陸側に新幹線用線路を基本的に単線で増設する想定をしています。内陸側なのは津波対策です。また、飫肥駅から南の一部区間は海抜が低く海岸線に沿う箇所も多いため既存線路から離した所に線路増設する想定をしました。


【西九州新幹線について】

・西九州新幹線の武雄温泉より東の区間について
個人的には佐賀空港と接続できる経路案を望んでいます。
理由:
・佐賀駅を経由する佐世保・ハウステンボス・肥前鹿島方面特急と新幹線の両立ができる
・将来的な航空網と鉄道網を連携した広域的な交通体系構築の礎になってほしい
・福岡空港と北九州空港を新幹線で連絡できるようになることで空港同士の一体的活用もできるようになってほしい

ですが、どうしても佐賀駅経由にする場合であっても空港(地方航空)と鉄道網を連携させていく観点は理解されてほしいです。そして佐賀駅経由でも久留米駅で合流する経路を考えてほしいです。図内でも申し上げた通り久大本線など在来線との接続が取れ、新幹線整備の恩恵がより広い地域に広がります。

そもそも、
西九州新幹線を全線フル規格で建設し開業させたいということであれば、ルート案以前に新幹線建設に関する合意形成を創っていくことから取り組む必要があるのではと思いました。以前書かれていた記事

を読むとそのように思いました。
その合意形成を創る上で重要なのは、図内でも申し上げた通り、新幹線整備を推進したい方々自らが新幹線と在来線の両方を活かす方向性を模索する姿勢を持ち、それを示すことだと考えます。新幹線整備に否定的な意見の大きな理由は在来線の利便性低下です。
そのような懸念を払拭するためにも

・普通列車の利便性を高めるため駅を増やしたりより適切な場所に移したりする

・普通列車の増便を図れないか

・並行したり接続したりする路線バスとの連携は出来ないか(ダイヤや乗車券類などの面で)

こういったことを国や沿線自治体・鉄道・バス事業者共に取り組みやすくする。そのための制度改善の研究をしたり、推進する方々自らが今の在来線や路線バスにも乗り、体感的な気づきを得たりしていく・・・
そういう在来線との両立策を模索する姿勢こそが西九州新幹線の問題を良くしていくための鍵だと思えてなりません。


おわりに

局所的な新線建設をつなぎ合わせて全線的な開業に繋げていく、という段取りを採ることが今後の新幹線整備において重要になると考えています。そのため、具体的にその段取りも図に描いてお伝えしたいと思っています。ですがそこまで描くと記事が長くなりすぎるなどの問題があるため、それは見送ります。
今後もし整備の段取りも描けるとしたらですが、再度の投稿にはなりますが別の記事で投稿したいと思っています。

なお、
記事本文でも何度か採り上げましたが、九州内の在来線は単線区間が多く最高速度も低いままの区間が多いです。根本的な鉄道設備の貧弱さを観光列車群によるブランド戦略で何とか補おうとしているように見えます。
そのため早急に在来線(の範囲内での)速達化改良を全体的に行ない、特急から普通・貨物列車まで速達化を図り新幹線整備による本格的な改良までのつなぎとしたり、新幹線開業後も普通列車及び在来線による貨物列車の速達化を図る交通体系作りが行なわれたりしていくことを望んでいます。

最後、
九州内においても新幹線整備を推進する動きがあるようですので、この記事がそのお役に立つことにつながれば・・・と願っています。
最後までご覧頂きありがとうございました。

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