【先行的投稿】東九州新幹線・九州横断新幹線ルート案全体像
※2023年2月12日追記
東九州新幹線・九州横断新幹線に加え、「豊予海峡ルート」に関する考察も含めた考えを一つにまとめた記事も投稿しています。こちらもご覧頂けると嬉しいです
【記事本文】
「基本計画路線」の新幹線のうち、九州内路線のルート案路線図の全体像です。残りは九州内と北海道の基本計画線新幹線のルート案と、それに関連した鉄道整備政策・公共交通政策や活用策など関連する事柄への自分なりの考えも描くつもりです。
【東九州・九州横断新幹線ルート案の全体像】
急いで作りました。長崎県佐賀県の新幹線は「西九州新幹線」であり、「東九州・九州横断新幹線」ではないのですが、九州全体の鉄道整備への考えも描きます。そのためこの図にも自分なりの案を含めました。
駅の設置位置案など詳細な要素については後日投稿予定の画像でもお伝えします。
「大まかにこの辺りに線路を通してみるのはどうだろうか?」という提案を今のうちにすることで、
・将来的なルート選定議論の参考にし、早期に円滑に決めてもらいたい
・新幹線だけでなく在来線含めた鉄道網の再整備を図る意義がある
ということを考えたり感じたりして頂きたいので忙しくても急いで投稿したかったのです。
新幹線と在来線と空港(国内航空)の接続連携による交通機関の相乗効果や地方同士間の交流促進など、これまでの新幹線ルート案路線図にも込めてきた考えをこの地域やこの図でも沢山込めています。
肥薩線の復旧のためには
肥薩線の本来の役目である遠距離都市間移動の需要を再度取り込み客単価を上げるほか、広域的鉄道としての意義を取り戻すことが必要だと考えました。
そのため、「フル規格新幹線の車両が走れる線路」も敷設するという他の人からみたら突飛で相手にされないだろうと思われる考えまで思いつきました。
肥薩線には在来線と単線並列(ダイヤ上列車が行き違う箇所は部分的に複線)でフル規格新幹線車両が走れる線路を。最高速度は「在来線」でも「新幹線」でも可。鉄道軌道整備法という鉄道復旧に関する法律制度は残念ながら現状では「在来線」のみが対象とのこと。その他の要件を聞いても補助が不充分に感じます。とはいえ、現状の制度を活用する考えとして、最高速度を時速199km以下にして「在来線」として扱うのも一つの手だと思いました。
そして、
九州横断新幹線と東九州新幹線の新幹線路線網 及び日豊本線と併せ、
熊本空港ー鹿児島空港ー宮崎空港を連絡する路線体系にし、空港間乗り継ぎ需要を創り出すほか、空港アクセス範囲を最大限に広くし旅客需要を取り込む基礎にする。
だから、肥薩線に「標準軌フル規格新幹線」の車両が走れる線路を敷設する意義は大いにあると個人的には思います(言うなれば「肥薩新幹線」)。
その他
●九州横断新幹線と東九州新幹線は共同利用区間を多くとる
●熊本空港乗り入れは新幹線と在来線両方で行なう
●東九州新幹線のうち、高千穂から宮崎も あえて内陸に線路を通すことで将来起きるかもしれない津波被害を避ける狙い
●東九州新幹線も宮崎空港経由にするが日南線~旧大隅線沿いの経路にして、暫定的に日南線を新幹線路線として活用しその際に改良を行なう。そうすることで建設費の平準化を図り、早期に広域的鉄道網の再構築を図る
などの考えが浮かんでいます。今は忙しくすべてを描き説明するのはむずかしいので今急いで書き出せることだけを申し上げました。
【新幹線と在来線による空港間連絡運行系統の想定例】↓
確かに鉄道路線を新設するための予算的措置や開業後の運営体制(特にお金の面)などの課題は多いのは承知です。そのうえで、「西九州新幹線」も含め理想的な路線案を描き、さらにそのうえで鉄道による空港間連絡の想定を半透明な線(薄線)でなぞりました。
ところで例えば、
大分空港と空港アクセス鉄道を例に挙げますが、
先日ざっと国内航空路線を調べたところ、東京・名古屋・大阪への路線だけでした(事実誤認の可能性あり。その際はお知らせください)。
「のぞみ」一本で東京まで行ける福岡市の博多でさえ、福岡ー東京間の航空と新幹線の「シェア」は圧倒的に航空が有利だそうです。
図面には、国東半島をほぼ一周したあと宇佐を経由し安心院・耶馬渓・日田に至り、そのあと新幹線と並列し(肥後)小国へ、そして旧宮原線沿いを経て豊後中村に至る在来線の新設案も描いています。
このような線路をつなげ既存在来線も活用し、大分県中北部をぐるぐると循環(環状運転)する、言わば「巨大な山手線」を造り、大分県内の広い地域を空港アクセス範囲にしていく。
大阪までは新幹線が担い、東京へは航空に任せるという共通認識をつくったうえで、大分県内のJR線は空港アクセス輸送にも力を入れる。九州内~東京間は、もともと航空が有利なので東京~九州間では無理に「航空から乗客を奪おう」とするのではなく、鉄道による空港アクセスの利便性を最大限に高めるほうがかえって鉄道にとっても有意義だと思います。
ただし、
繰り返しますが約500km~800km位までの距離は新幹線のほうが得意、及び対応できる範囲内だと思われるので、この距離の範囲に入る九州北部~大阪間は新幹線に任せる、という共通認識も必要だと思います。
九州~名古屋間は、北部九州は新幹線と航空は「互角」、南部九州~名古屋は航空が有利かも?
得意なほうが得意な区間を担う、遠距離過ぎて鉄道が不利な区間ではむしろ空港アクセスと空港間連絡に力を入れ、遠距離国内航空の利便性を高めるのがかえって鉄道にとっても有効なのでは。
航空国内線だけでなく航空国際線も、新幹線等を用いて空港をまたいだ乗り継ぎができるようになる。そうなると各空港で様々な国への国際線を誘致しやすくなるかもしれない。例えば大分空港は南北アメリカ大陸・宮崎空港はオーストラリア大陸 など。
特に福岡県内大都市以外の 九州~東京間 の昼行旅客移動は鉄道では厳しく航空に任せたほうがいい。
代わりに新幹線が対応できて得意な範囲である中長距離に入る関西・名古屋圏までは新幹線を中心にする、という距離での棲み分けがより適していると思う。
そして、
これまでずっと申し上げてきた通り、東京・大阪以外の「地方同士間」を航空と広域的鉄道で結び付けていく。
繰り返してしまったので一言でまとめると↓
●中長距離までは鉄道(航空も基本的には新幹線や広域的在来線に任せ、最小限の便数で維持)
●遠距離は地方空港同士間を含む国内航空(鉄道は空港アクセス・イグレスで遠距離国内航空を補強)
このように役割分担連携した長距離交通体系が全国的に築かれるようになってほしい。
※北海道新幹線なども同様で、青函トンネル区間まで無理に高速化し貨物列車を「犠牲」にするのではなく、例えば大宮~新小樽・札幌、東京ー仙台・仙台ー札幌など、新幹線の優位性が高い区間の移動を主眼に捉えた戦略を取るべき。いい加減東京一辺倒に陥りがちな見方から脱してほしい(特に交通政策全般やインターネットコミュニティを含む一般の交通政策議論などで)。
とはいえ、
青函トンネルを除く盛岡以北の東北・北海道新幹線は、時速320kmくらいまでなら高速化しても良いと思います。運行管理・維持管理と速達性による商品価値向上のバランスがとれる範囲での高速化であるならば。既存の新幹線路線は東京から各地に伸びる性質上、航空との競合関係が残ってしまう要素も感じるので…。
他の新幹線路線案でも何度も強く込めた考え方ですが↓
中央新幹線含む既存新幹線は「超高速」を追求する必要性はあるかもしれないが、基本計画線の新幹線は「速度を控えめ」にする代わりに国内空港(航空)との接続連携を深く図るべき。
この記事の最後、
九州内の在来線の大半は意外と遅いままですし、新幹線と併せ在来線も積極的に活用するべきです。そのため、今からでも在来線の高速化(最高速度時速110~180km位の範囲)は早急に行なって!「二重投資」にならないで済む新幹線の経路を考えました。
(というよりは、普通快速列車や、在来線に鉄道貨物が残る場合は貨物列車にも高速化の恩恵が及ぶので在来線高速化自体、新幹線整備との「二重投資」にあたるとは思えない)
何度も申し上げてきた通り並行在来線経営分離などによる諸問題や対立を最小限にしつつ、新幹線や航空の組み合わせなどによる長距離交通体系の整備を行ない、地方間の交流を促し「地方」の生き残りを図るため。
一般的に想定されるであろう日豊本線・豊肥本線にはあえて沿っていない新幹線経路も多く想定したのは上記の考え方からです。新たに線路を敷設するならその際鉄道空白地帯の解消も行ないその面でも地域内格差が是正されるようになってほしい。
※2023年2月7火追記
タイトル画像(ページはじめに表示される画像)を変更しました。
ですが、以前使っていたタイトル画像も残しておきたいので以下に掲載します。
もしよろしければサポートおねがいします。このnoteでは提案型の意見投稿になるよう努めて参ります。