障害観の変化について
こんにちは。
今回は基本となる障害観の時代的変化についてまとめてみました。
障害観の変化については、歴史的・社会的・文化的な視点から多くの側面で変遷があります。以下に主要な変化のポイントを示します。
1. 歴史的背景
古代から中世
神聖視と畏怖: 障害はしばしば神々や霊的な存在と結びつけられ、畏怖の対象となることが多かった。
見世物と隔離: 障害者は見世物とされることも多く、また、社会から隔離される傾向が強かった。
近代
医療モデルの台頭: 19世紀には医学の進歩とともに、障害が医学的に分類されるようになり、治療や矯正の対象となった。
福祉と慈善: 20世紀初頭には福祉や慈善活動が進展し、障害者に対する社会的支援が増加したが、依然としてパターナリズム的な視点が強かった。
2. 現代の変化
社会モデルの登場
1960年代-1970年代: 障害者権利運動の高まりとともに、障害を個人の問題ではなく社会の構造的な問題と捉える「社会モデル」が登場。このモデルは障害を社会的なバリア(物理的、制度的、態度的)によるものとし、バリアを取り除くことが重要とされる。
インクルーシブ社会の推進
法的枠組みの整備: 多くの国で障害者の権利を保護する法律(例えば、アメリカのADA、日本の障害者差別解消法)が制定され、障害者の社会参加や平等が法的に保障されるようになった。
ユニバーサルデザイン: 障害者だけでなく、すべての人が利用できるデザイン(建築、製品、サービス)が重視されるようになった。
多様性と包括の視点
ポジティブな障害観: 障害を特性の一部と捉え、その多様性を尊重する視点が広がっている。障害者の自立や自己決定を尊重し、共に生きる社会を目指す動きが強まっている。
メディアと文化の変化: 映画、テレビ、文学などで障害者が積極的に取り上げられ、その生活や権利に対する理解が深まっている。
3. 現在の課題と展望
障害者のエンパワーメント
障害者自身が政策決定や社会活動に積極的に参加することが求められている。
持続可能な社会の実現
SDGs(持続可能な開発目標)においても障害者のインクルージョンが強調されており、障害者が安心して暮らせる社会の実現が目指されている。
まとめ
障害観は、歴史を通じて大きく変化してきました。
医療モデルから社会モデルへの移行、インクルーシブ社会の推進、多様性の尊重などがその重要なポイントです。
現代では、障害者の権利と平等を確保するための法的・社会的な取り組みが進展していますが、引き続きエンパワーメントや社会参加の促進が求められています。