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【日記】友達はさておき、知人は増える【短歌】

これっきり会わない人への花束に蕾 知らない場所で咲くのか/榎本ユミ

「西瓜」第八号・「ともに」欄

同僚が退職した。

仕事も真面目にこなし、人当たりもよく、コミュニケーション能力も高い、優秀な方だ。お子さんの体調がここしばらく安定せず欠勤が続いてしまい、「今は子供のことを第一に」ということで、退職という決定に至ったそうだ。
お互い普通に出社していたとして、ここ数年、週4日で顔を合わせた人だけれど、もう会わなくなる。そう思うと「諸行無常……」などと琵琶でも弾きたくなる気分だ(弾けません)。

いちばん上に挙げた歌は以前、別の同僚が退職した時に詠んだ歌だ。今日は餞別の品に花束はなかった(お菓子をあげました)が、手前みそで恐縮だけれども自分の歌を思い出していた。
「これっきり会わない」
仕事の同僚というのは、そんなもんだったりする。
仕事以外の雑談もするし、一緒にいる時間も長いのに、友達にはなかなかなれない。大人は友達を作るのが下手ですねと乱暴な一般論でまとめてしまいたくなるが、友達作りに会社に行っている訳ではないし、基本、それが普通だと思う。よっぽど仲良くなれる/なれたのならそれは僥倖。大切にしなければ。

まぁ、いないんですけど。

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