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建蔽率59.9%が生み出した曲線×光

今回は2005年に建設された東京に建つRC住宅、
HOUSE SHについて記録する。設計は中村拓志&NAPである。

まず見て頂きたいのがこの外観である。

明らかに目に留まる膨らみがある。
①この膨らみは一体なんなのだろうか?
②南側の面にもかかわらず開口部が一切ない。これは一体何故だろうか?

②から先に解説すると、
南側(画像の左側)がマンションのバルコニーで、プライバシーの問題上開口部を設けられなかったそうだ。敷地いっぱいに建造している為他の面から採光は取れない。解決策として、

天井のトップライトによるライトウェル型の採光方式と、日光が地下まで届くようにしたそうだ。

これにより南側壁面に開口部を設けなくても、全ての階に光が届くのである。

しかし、ここで断面図を見てみると

このようになっているのである。個人的には、
①この開口部の作り方
②開口部の大きさに対する部屋の奥行き
を見ると光が部屋の奥に届かないのではないか?と最初感じた。
しかし、その疑問が最初に提示した謎の膨らみによって解決されるのである。

このように、建蔽率を59.9%までにしてまでも作られたこの曲線壁が、トップライトの光を反射して、部屋の奥に柔らかく光を届けるのである。

また、曲線な為自分の身体にあった椅子となってくれる上に、子供は滑り台としての活用もできるのである。

この手法は本当に新しいなと感じたし、大変刺激になった。かなり面白い。

実際に反射が弱くなるであろう最地下と最上階は寝室になっている為、そのプランニングも完璧なのである。(以下画像参照)

これが、都心における建蔽率59.9%が生み出した光なのである。

記事内画像引用元:https://www.nakam.info/jp/works/house-sh/

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